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事件簿7.幻のさかな事件〜エピローグ〜
数日後の午後、ユウロピーはテーブルに座り、釣りの本を眺めながらため息をついていた。
「ゴールドトラウト、本当にいたのかな…」
おじさんはソファに腰を下ろし、トーストをかじりながら新聞をめくっている。
時折ユウロピーをちらっと見ては、「またか…」という顔をしている。
「ねぇ、おじさん。また行こうよ。今度こそゴールドトラウトを…」
ユウロピーが再び意気込んで言うと、おじさんは眉をひそめて新聞から顔を上げる。
「またその話か?いい加減諦めろって。あれはただの噂だ、誰もたゃんとした証拠を見せてないんだぞ」
おじさんは気怠そうに言いながらも、どこか諦めきれない様子を見せる彼女に苦笑する。
「でも…!きっと次は…!」
ユウロピーはキラキラした目で期待を込める。
「まぁ、好きにしろ。ただ、今度はもうちょっと釣り場が静かなところにしような」
呆れつつも付き合うつもりでいる様子だった。