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エスパー投手は彼女に夢中(甲子園に行くぞー)  作者: 駄犬
大騒ぎ野球チーム誕生
79/195

79.誕生日、お月様綺麗ですね。

誕生日前の日曜、美月は予定を空けてくれた。

平日は練習と美月の補講があるため予定するのが難しかった。

日曜日は午前中練習試合、ミーティング後解散の予定になっていた。

誰かの意図が働いていたかも知れない。


ショータはその前の日、予約をとって美容室に行き

髪型の他ファッションも相談に乗ってもらっていた。

誰かの入れ知恵に違いなく、カンニング行為である。

彼の母親は月次試験の成績が良かったから、祖父は昨今の練習態度が良いからと

臨時で小遣いをくれた。ドーピングである。

これも誰かの作為を感じさせる。

ほぼ反則のショータは美月の家まで迎えに行った。

途中手をつないでいたのが心晴だったのはショータ的には残念だった。

助け船を出してくれた心晴には感謝していた。


店に入り 一番人気のランチセット(デザート付き)を3人分頼んだ。

美月は数日間迷い、疲れ切り、一番安易な所に流れた。

食事は美味しかったし、ショータが頼んでおいたバースデーケーキも

可愛らしかった。

喜んでいる美月にバースデーカード(手書きしたが、気に入らず買いなおしたのは内緒)

とプレゼントを渡した。

心晴にもプレゼントを渡し、今日のショータは恋愛ドンクサの割には上手くやった。

反則しまくりではあったが。

心晴がプレゼントを開けたがった。

小さな黄色い熊さんのキーホルダー、心晴が喜んでいる。

美月もショータに開けて良いか聞いて月をモチーフにしたシルバーの

キーホルダーを見て「綺麗」シルバーと青いガラスが組み合わさっていた。

ショータは美月に本当に見惚れていた。

反射的に「綺麗だね。」 美月に向けて行っていた。

美月は呆れて、「お月様が、綺麗って言ってるの」

  

二人とも夏目漱石の(I Love you)の翻訳を知っていた。

少し時間があいた。

美月が慌ててごまかそうとしている時、

ショータは意を決して言った。「お月様本当に綺麗ですね。」

真っ赤になって固まってしまった2人を見て不思議に思った心晴は

二人の頭の中を覗いた。

二人とも、相手の顔さえ見ておらず、テーブルと月のキーホルダーが見えた。

会話が無くなりツマラナイと思った心晴はお腹一杯で食べるかどうか悩んでいた

デザートの残りを食べる事にした。

限界まで満腹の彼女は途中眠ってしまい、ショータにおんぶしてもらって

帰る事になった。

帰宅後、熊さんのキーホルダーを見ていた心晴は、美月がニヤニヤ喜んでいるのに

自分を見て少しだけ不機嫌なのが不思議だった。

(なんで心晴の方が先なの? 美月)




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