21 覚悟
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「覚悟って?」
「心希が創造する物語が現実になる」
「え??」
「心希が、創造した物語が、その世界の
歴史になるってこと」
「ちょっと壮大すぎなんですけど…」
「たとえば…
別の世界が存在するって信じられる?」
「もちろん!バリーがいるって、そういう
ことでしょ?」
「そうだね…」
バリーがクスッと笑った気がした…
「創造消滅書…という名の契約本が
あるんだ…」
「契約本?」
「それを書くことができるのは、創造者のみ」
「創造者が書いた言葉、文章は全て
その世界の現実となり歴史となる…」
「まさか!それを、書く覚悟ってこと?」
「そう…」
「覚悟を決めて、ここにサインをすれば
創造者となる」
バリーがそう言うと
目の前に、玉蟲色に輝く紙と
銀色に輝くペンがあらわれた…
「ち、ちょっとまって…」
手が小刻みに、ふるえているのが
わかる…
「…今すぐなの?」
「この契約書が消えるのは、明日の夜」
「それまでに、覚悟ができたらサインを
する…」
「もし、できなかったら…」
「明日の夜でお別れ…」
「そんな…」
「どうして?私、まだ12歳だよ…」
「なぜなら…」
しばらくの沈黙のあと…
「人間の命には限りがあるから…」
「そんな…」
「ごめんね…でもどうすることも
できないんだ…」
怖い…無理、無理、無理…無理だよ!!
12年しか生きていない私に
みたことも無い、世界の歴史なんて…
うつむいたまま、時間だけが
すぎてゆく…




