1 記憶の光
川北 心希は
ごく平凡は中学生
記憶の光と再会し、交流をはじたのだが…
これまでの出来事は、偶然ではなく必然?
難題をいくつもクリアし、数々の出会いへ…
自由は、愉快じゃない…その言葉の意味は。
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私の一番古い記憶
それは、母とはじめての映画鑑賞
幼稚園の年中さんくらいかな?
上映がはじまり、真っ暗になると
輪郭がはっきりしない球体の光が沢山あらわれ
その美しさに、私は映画そっちのけで
見惚れていた。
その光は、大きさ、色、動きがさまざまで
上映が終わり、明るくなると
一瞬で全て、消えてしまった。
なぜ、母に話さなかったのだろう
謎である…
そして、月日はながれ…
光の記憶が、消えかけた
ある日、母からこんな話をきいた
母が小学、5〜6年生
帰りが遅くなり急いで、近道の公園を
走り抜けようとしたその時!
滑り台の上に、フワフワ浮かぶ小さな光の球を
みつけ…
そっと近づき、手を丸め、はさみ込むように
つかまえた!と思ったのだが…
「本当に、捕まえたのよ!」
「一瞬、手の中があたたかくなったの」
「でもね、家族の前で手を開いたら空っぽ…」
「もう、みんなに笑われて悔しかったのよー!」
「それって、1回だけ?」
「そう、1回だけ…
まぁ、こういうのって1回限定なんじゃない?」
「私には、まだチャンスはあるかな?」
「あると思うよ!」
…………
もし、みつけても
捕まえちゃダメなんだと思った。