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化物のいる学校  作者: 自由
5/5

別視点です

今日も面白くない日だ。


「ねぇキョウ~」

「あ?」

ダチといるっていうのに、こういう女は話しかけてくる。

甘ったるい香水に正直吐き気がしそうだ。


おい、お前だけ鼻つまんでんじゃねぇよ。

ガンっと前の席に座っている蓮司れんじの椅子を蹴る。

脛にも当たったらしい。ざまあ。


「今日放課後とか遊ばない~?」

ああ、めんどくせぇ。


「わり、今日もう予定あんだわ。」

「この前もそー言ってたじゃん!」

「お前のタイミングがわるいんじゃねぇの~」

「もう!!」


ふんっと鼻息荒く去っていく背中を見て蓮司が笑う。

「お前予定なんてあったっけ?」

「あ?あんじゃねーか。大事な予定が。」


からかうつもりで言ったはずが、俺の言葉に目を見開いた。

何て顔してんだ。


「0階について調べんだろ?」


怖い話が苦手の蓮司の顔が青ざめる。

ただの噂話でもいいから、俺が面白ければそれでいい。







「なぁ…あんな噂しょうもねぇって言ってたじゃんか…。」

「そんなことも言ったっけなぁ~」

「レンレン顔真っ青じゃん~笑」


放課後、当てもなく校舎の1階を歩く。

蓮司は情けないくらいに青ざめながら、いつもつるんでるユマに引っ付いていた。


ユマは小さいのに180越えの男に引っ付かれても全く足がぶれない。

流石、女子柔道黒帯…体幹お化けかよ。


それにしても…なーんもねぇな~。

このままじゃただの徘徊になっちまう。


私立高校ということもあって、校舎が広いが、教室棟はほぼ周り尽くした。

あとは別館と職員室がある教員棟だが、できれば教員棟はいきたくねぇな~。

色々注意されるのだるいし。


「蓮司、ユマ。別館の方行こうぜ。」

「なんで~?教員棟の方が近くない?」

「俺別館好きじゃないから却下。」


…。


「あのな、お前ら。俺今ピアスしてるし、髪だって染めたばっかなの。わかる??」


「キョウちゃん、それは自業自得って言うんだよ~?」

「俺別に校則守ってるし、関係ねぇな。」


くっそ。


「ならお前ら二人で教員棟行けよ。俺別館行ってみるわ。」


黒帯所持者がいれば蓮司も俺が居なくていいだろ。

ユマは何かあっても物理で解決できそうだし。


「何かあったら連絡するねぇ~!」


2人に背を向けたままヒラヒラと手を振り、別館へと向かう。

確かに、2階建てのあそこは放課後あまり使われてなくて薄暗いが、1階には空き教室が多くてサボるのに最適なんだよな。


「なんか出っかな~」


じわじわと好奇心が出てきたのか歩調が速くなっているのが分かる。

そして、漸く教室棟と別館を繋いでいる渡り廊下に差し掛かった時、別館の2階に人影をみた。


「ん?」


確か、2階って図書室があったよな。

ったく、放課後にも勉強かねぇ~偉いねぇ~


図書室か…行ったこともなかったな…


「行ってみっか~」


別館に入ってすぐに階段が見えたので、1段飛ばしに駆け上がる。


「…は?」


”現在立ち入り禁止 必要図書がある場合は各担任まで”


学校の敷地こそ広いがこの別館は大した広さではない。

それこそ図書館は別館の2階すべてがそうだ。


2階に上がり左に行くと図書館に入るためのドアがある。

それの前にご丁寧にポール付きで立ち入り禁止の札がつるされている。

なんなら図書館の窓だって、向こう側から紙を貼られているのか、中が一切見えない。


さっき人いたよな…?


振り返ると階段の向こう側に男女それぞれのトイレがあるだけだ。

わざわざ図書館使えないのにここの使うか?


頭の中にはさっきまで人が居たはずなのに。という心霊まがいな考えしかない。

とはいえ、あの人影がそんな禍々しいものにも思えず、怖さは芽生えない。


とりあえず男子トイレから確認することにした。


電気はついておらず夕日がギリギリ差し込んでいて、全体がほんのり赤い。

人がいるような雰囲気ではないが、ここまで来たんだ。奥まで確認しとこう。



無駄な好奇心がいけなかったらしい。



男子トイレは奥までみても誰もいない。

じゃあ、あの人影はどこに。


若干の罪悪感を覚えながら急ぎ足で女子トイレも奥まで確認をした。


「っ、」

小さい息が漏れる。


だれも、いない。

階段は俺が使ったものしかない。

上か…いや、この建物は2階までしかないんだ。


じゃあ、あれは、いったい。







”現在立ち入り禁止 必要図書がある場合は各担任まで”


「ここ、か…?」

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