くすぶり人生 ~常に二択の選択肢を間違い続けた男が現実逃避をしたあげく、ある日突然アフィリエイトでお金を稼ぐと言い出したので一年後に絶望させ精神を破壊してみた件~
くすぶり人生 ~常に二択の選択肢を間違い続けた男が現実逃避をしたあげく、ある日突然アフィリエイトでお金を稼ぐと言い出したので一年後に絶望させ精神を破壊してみた件~
第一章 終わりの始まり
「ジリリリリッ!」と目覚まし時計の音が部屋中に響き渡る…。
「…ん~…うるさいなぁ…。」と少しキレ気味で目覚ましを止め起床した。
そして朝食を済ませ仕事に行く準備をする。
「今日も仕事か…めんどくせぇ。」と誰もいない空間で文句を垂れながらも"とある"青年は外へ飛び出した。
朝の何気ない日常の景色がそこには広がっている。さて、突然だが私の昔話にお付き合いしてくれると幸いだ。私は去年まで専門学校に通っていたのだがそこで出会った大野君と山田君とは仲が良く昼休みに一緒にアクションゲームをして盛り上がっていた。
大野君「…エッ!なんでぇ?動けよ!この人でなし!」とゲームに夢中のようだ。
ゲームで遊んだあと私は何気ない質問を問いかけた。
「大野君ってさあ…なんでIT系の学科に入ろうって決めたの?」と少し神妙な面持ちで話す。
彼は「ん~…親とか先生に勧められただけだから特に理由は無いかな~」と答えた。典型的な周りの人に流され自分の進路を放棄してきたタイプの人間である。
「そっか…」と私は反応に困ったように相槌を打つ。「おいおい…将来の事とか考えてるのか?」と山田君は心配するように聞いた。
「まぁ…自分ではクリエイティブの方が向いてると思うから小説書こうと思ってるんだ。」と力強く答える。この時の大野君は夢と希望に満ち溢れ輝いてるように見えた。私達の学科は二年制のため自分は就職先を考えることに精一杯になっていた。時間とは有限であり、あっという間に過ぎ去ってしまう。己が選択した理想の道へ進むことができる者もいる。反対に選択肢を間違え続けてしまい気づいた時には崖っぷちに立っている者もいる。先が見えない不安と苦悩、そしてわずかな希望の光が垣間見える。チャイムが鳴り担任が授業を始める。私はパソコンを取り出し、開こうとしたとき前の席に座っている大野君の姿が目に映った。大野君はパソコンを起動した後何の迷いもなくソリティアを立ち上げ大好きなつぶグミを頬張りながら呑気に遊んでいた。この時の彼は気付くことは無かった…。数年後、奈落の底に落とされるとも知らずに…。