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月巡り  作者: 藤堂博斗
1/7

卯月


 序章 



 最近の私は飢えている


何に飢えているのかは判らない


 只酷く 心が渇くのだ


憧憬を抱いた存在は 欠けてしまった



 きっと涙を流しすぎたんだ


彼等も私達も



――――――――――――――――――


 第一章



 感情の羅列は時に後悔の根源となるだろう


尽きぬ業を背負うことが

我等と彼女が人間たる証明であるなどと


誰が云ったのだろうか

誰も云ってはいないのかもしれない


 忘却を重ね合わせて

 罪人は糸車を廻す



彼女には幸せでいてほしい

彼女には不幸がお似合いだ



 僕は否定する 拒絶する 消去する


羅列された感情は僕のモノではない


 空白で在れ 空虚で在れ 混沌で在れ



――――――――――



 第二章



癒えない傷 繰り返す悪夢 


 1週目は赤い人

 2週目はドッペルゲンガー


鈴の鳴る木を目印に

先頭を指す青い枝


白猫を追って暗室を抜け

契約書にサインして


嫌疑をはらす探偵と言葉を交わそう

童話作家と交渉しよう 

   

暗室を彷徨う帰り道

猫はもういない


無事に帰れたのなら

 

 3週目が待っている


――――――――――


 第三章



分裂した意識の統合

実験の失敗

伝播する精神の恐慌


真実の公開

生命は水の夢を見た

人に仇為す存在


嘲笑する悪魔と対価

契約と誓約の代償

物語作家の存在と代価


分裂した記憶の統合

現実は次の世代へ

実験の成功


騎士は剣を交え

道を塞ぎ

信じぬ径へ


―――――――


 終章


乖離した人格 理想 夢現


全て桜の所為にして


描いた道は塗り潰して


蝙蝠と夢想 夜道と水に溺れ

角灯に問う 私は誰か

鏡の向こう 映る来世


何としても彼女に逢わねばならない

 

 

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