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94 初詣

明けましておめでとうございます。

私の趣味的な小説を読んでいただいている方、深く関感謝いたします。

今年も、性転換的小説書きますので、よろしくお願いします。

葵です。


新年が明けました。


元旦、朝早くから、祐希、尾崎君、板谷君と4人で、学校の近くの神社に来ています。


ここは、意外と穴場です。私たち、桃花高校関係の人には有名ですが、基本的には地元の人が来る神社で、元旦は大行列という事がありません。


私たちは4人でお参りしました。

祐希を除いた3人の神様へのお願いはもちろん演劇部の全国制覇!

今から神頼みでどうするんだ?とお叱りを受けそうですが、もちろん努力はします。

年始めくらい神様にお願いしてもいいよね?という気分なんです。


祐希は女子校の演劇部のブロック大会進出と全国大会への出場をお願いしてました。


みんな、演劇に青春をかけてるんだなアって改めて思います。


え、私と祐希の服装ですか?

もちろん、私は女の子のカッコだし、祐希もそうです。

するとダブルデートに見えないか?って。


私たちにはそういう感覚はないんですけど、見る人によっては、ダブルデートに見えちゃうかな?


「二組のカップル見っけ!!」

やっぱり、そんな目で見ている高校生から声をかけられちゃいました。


声をかけてきたのは、演劇部の三塚公佳さんでした。

最近、付き合いだした安藤司君と一緒です。


「あ、三塚さん、安藤君、あけましておめでとうございます。」

と私が挨拶すると、

祐希が

「公佳、うまく行ってるんだね。あけましておめでとう!」

と続き、

板谷君と尾崎君も同時に

「あけましておめでとう!」

と挨拶します。


尾崎君が、安藤君をからかいます。


「まさか、安藤に彼女ができるとは思わなかったよ。

だって、演劇部で一番女性が苦手なタイプで、全然女子と会話できないタイプだったからな。

女子の前に立つと固まっちゃうヤツだったんだから。

初詣から女子校の女の子とデートなんて1カ月前だったら、想像もできなかったよ。

まさに奇跡だ。」


「でしょ?まさに奇跡ね。

私も安藤君の彼女になるなんて思わなかった。

安藤君が女子としゃべれるようになればいいなって、クリスマスパーティの前は思ってたんだ。

どちらかっていうと、保護者的な立ち位置?

安藤君を心配してたんだ。

そしたら、あんな告白されて・・・

あれじゃ私も受けるしかないって思ったもん。

今考えてみると反則技使われたかな?

不意打ちってやつ?

私って、ああいう攻撃には弱いんだ。

嬉しかったからいいけど。」



「そうだね。自分自身でも、奇跡だと思ったよ。

あの時は、なんかいつもの自分じゃなかった。

すごい事したと思ってる。

三塚さんと一緒に歩いていて、不思議な気分だよ。」


安藤君、恥ずかしそうに話してくれます。

うん、確かにすごいことをしたよ。

私は瓢箪から駒っていうことわざを思い出します。

冷静に考えてみれば、安藤君、演劇のときはすごい集中力があるから、度胸はあるんだよね。

決める時は決める人かな。


「それにしても、板谷君と葵、尾崎君と祐希って普通にカップルに見えるよ。

付き合ってないの?」


突然、公佳が話題を変えて正月早々の爆弾を落としました。

別に私たちは焦りません。

よく言われることなので、私たちはいつも通りの答えを返します。


祐希が代表して言います。


「私たちは、仲いいけど、演劇に青春をかけた戦友みたいなものなの。

演劇オタクのチーム?って感じかな。

男女交際って感じじゃないんだ。

そう、恋愛関係じゃない。

まあ、演劇部を引退したら、恋愛について考えるかもしれないけど・・・

でも、引退したら受験だからね。

恋愛を考えるのは大学決まってからかな?」


「うわーっ、まじめ。もうちょっと、青春楽しんでもいいんじゃない?

中学生だって恋愛楽しんでる子いるよ。

でも・・・そうは言っても、人それぞれ価値観違うからなー。

板谷君、葵とお似合いだけど、手術して女の子の体になったら恋愛対象になるんじゃない?

やっぱ、男性同士って考えちゃうの?」


公佳が、またまた爆弾を落とします。もう、ズバズバ聴きたいこと聴くんだから。

余計なお節介だよ。

悪気ないから困る。


「葵は親友だよ。いっしょにいると安心できるやつだよ。

女性になることについても、応援してる。

だけど、俺、恋愛については、今は封印してるから。

葵だけじゃなく、どの女子についても恋愛感情はない。

今は演劇以外のことは考えないよ。」


「ひゃー、すごい!板谷君、堅いなー。尾崎君と葵もそうなの?」


「うん。」「そうだね。」

私と、尾崎君が間髪入れず、回答します。


「う、なんというチームワークなの!

こりゃ、からかえないじゃない。

私としては、恋愛してほしいんだけどなあ。

余計なお世話なのかなあ?

私は、安藤君と勝手に恋愛を楽しむよ。ね、安藤君!」


「あ、そ、そうだね。うん。」

安藤君がドギマギしています。

完全に尻に敷かれそうな感じかな?


そんな安藤君が

「でも、葵と板谷、藤原さんと尾崎が付き合ったら素敵だなって思ってる・・・」


「でしょ?そう思うでしょ?

さすが安藤君、私と気が合う!」


「新年早々、のろけを見せられるとはなあ。」

「うん、付き合ったばかりとは思えない。」

「公佳、彼氏できてよかったね。」

「でも、公佳、安藤君いじめちゃだめよ。」


「葵、私、いじめたりなんかしないから。ね、安藤君。」


「う、・・・そうだね。」


「いまの・・・という空白の返答は失礼よ。安藤君、返事ははっきり言いましょうね。」


「あ、はい。」


私たち4人は、それを見て、吹き出してしまいました。

なんか、奥さんが強い夫婦みたいです。初々しい高校生カップルなのに、なんか変。

でも、上手くいけばいいのかな?


そのあと、当初から待ち合わせをしていた菅原君と由奈のカップルと合流します。


合計8人の男女となり、神社近くのお好み焼きで新年会となりました。


公佳と由奈がおしゃべりでみんなを巻き込みます。

この二人は本当によくしゃべるんですよね。

演劇部の話だけでなく、男子校、女子校のいろいろな噂話を次から次へと提供してくれます。

よく、ネタが尽きないなあ。すごい。

にぎやかに、新年がスタートしました。



次回からは通常営業の土日更新です。

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