77 美容室の環奈さん
3連休始まりましたね。月曜日も祝日の振り替え休日なので、更新したいと思います。よろしくお願いします。
葵です。
県大会直前の11月中旬。
私は美容室「アクアメロディ」に来ています。
ロングヘアにするために付けていたシールエクステを付け替えるためです。
今回で2回目の付け替え。
もったいないけど、もう少しロングヘアを楽しみたくて、両親におねだりして許してもらいました。
今回つけて年末まで持たせるつもりです
その先は地毛で勝負。第一目標のセミロングにはまだ足りない長さだけど、そこはホルモン治療で女らしさが増してるはずだから、それでカバーできると思っています。
私の担当、環奈さんは私を一目見て、
「うわっ、変わった。なんか違うよ。
うん、女の子っぽくなった。
顔の輪郭違うよ。」
とコメントしてくれました。
そして、さらに「おっぱい膨らんだ?」と聴いてきます。
実は前回も聴かれました。
環奈さんは周りにお客さんがいないことを確認しながら小さな声で聴いてくるんです。
前回来たのは、9月末で、その時は、やや乳頭近辺が膨らんでいたものの、まだおっぱいと呼べるものではありませんでした。
それを環奈さんに説明すると、
「なるほどねー。それって、私が小学校4、5年生に感じたことだよ。
痛いんだよねー。懐かしいなー。刺激をあまり与えないようにね。
そのあとおっぱい膨れてくるけど、おっぱいは堅いよ。
たぶん、乳腺だけだから。
それに、脂肪がついて、柔らかくなってくるんだ。」
さすが、生まれながらの女性です。
基本はわかっていらっしゃる。
で、今回。
「あの、おかげ様で、やっとAカップ程度になりました。
でも、中学1年生くらいの膨らみで、まだちっちゃいです。
まだ、触らないでください。」
「ふふふ、了解。
それにしても、天然の女の子の小学校4年から中1までを、1か月半でやっちゃうんだから、急成長よね。
もしかしたら、大きくなるかもよ。
大きく膨れて、胸の痛みがとれて、柔らかくなったら触らせて。」
「あ、やっぱり触りたいんですね。」
「もちろん。」
環奈さんはニコニコしながら、セクハラ発言を繰り返します。
でも、愛嬌あるから、許しちゃいます。
環奈さん、キレイだし。
さ、肝心の髪の毛ロング化作戦について、環奈さんと打ち合わせをします。
「さて、これで、年末まではロングヘアね。
問題はそれから。
年末にエクステとってからが大事だよ。
たぶん、ショートとミディアムの間くらいの髪型になっちゃうからねー。
やや中途半端だけど、頑張ろうね。
ミディアムには来年の6月頃にはなれると思う。
ロングになるには、再来年までがんばらないと。」
「わかりました。がんばります。絶対ロングにしたい。」
「まあ、髪の毛がショートだとしても、雰囲気は完全女の子になっちゃってきてるから、
大丈夫だけど・・・
もしかして、好きな男の子とかできた?」
「いや、いませんよ。
もー。
私、勉強と部活で忙しいから、そんな余裕ありません。」
「ふーん、怪しいなあ。
そんなに可愛いと、通学途中で、他校の男の子に声かけられそうだし。」
「あっ、もしかして、環奈さん、通学の時に声かけられたんですか?
なんか、経験ありそう!」
「わかる?
実は、私も女子高時代モテたんだよ。
不思議と、同じ駅で降りる男子校じゃなくて、別の高校の男子に声かけられた。
そっか!
私、空手やってて、県大会でいいところまで行ってたりしてたこと男子校の生徒
知ってたからだ!
当時は気づかなかった。
私、怖がられてたんだ!」
「環奈さん、空手の選手だったの?すごい!全然わからなかった。」
「ふふふ、一回、痴漢の股間を蹴りあげたことあるんだから!
痴漢は駅のホームにうずくまって動けなくなってた。
可哀そうだったけど、自業自得よね。
私のお尻さわったんだから。」
「環奈さん、そんな話聴くと、なんか、股間が痛くなってきます。
私、まだ付いてるから・・・」
「ええっ?そうなの?
そういう感覚あるってことは、まだ男の子なんだー。
でも、痴漢には気をつけなよ。
あの電車、たまにはいるみたいだから。」
「あ、環奈さんて、28才でしたよね。彼氏いるんですか?」
「ははは、いるよ。彼氏じゃなくて、彼女がね・・・」
「えっ、もしかして・・・レズ・・ビアン?」
「あったりー!実はLGBTは葵ちゃんだけじゃないんだよ。
私もジャンルは違うけど、LGBTなんだ。
女の子が好き。
それも、可愛らしいタイプの子が。」
「え、環奈さんも可愛らしいタイプじゃないですか?
空手をするっていう話は意外でしたけど。」
「レズにもいろいろあるの。
男っぽい女の子と女の子っぽい女の子の組み合わせがわかりやすいとは思うけど、女の子っぽい女の子同士、男の子っぽい女の子同士のパターンもあるんだよ。
私の場合、女の子っぽいどうしの恋愛なんだ。」
「そうなんですか?
知りませんでした。」
「だから、葵ちゃんが、葵ちゃんと同じような女性化をめざす男の子と恋愛関係になるのもありってことね。どう?」
「ええっ?
私は、普通の男の子っぽい男の子が好きです。」
「ふふ、そう?
でも、人それぞれ、恋愛事情は違うってことは覚えておいてね。ふふふ。」
そんな会話をしているうちに、エクステは完成します。
きれいなロングヘア。うわー、嬉しいっ。
1カ月半前と同じ感動がやってきます。
最近、ちょっと状態が危なかったから、一安心です。
「やっぱり女の子はロングがいいなー。」
「でしょでしょ?私もロングが大好き。
美容師さんて、変わった髪型にする人多いけど、
私は王道のロングヘアが一番すきなんだ。女性らしさを作り上げるからね。
ただし、年齢がある程度行ったら、ロングヘアは無理。
40代からはミディアムヘアにして、50代くらいからは、伸ばしてもボブくらいにしないと、
きれいな髪にできないケースが増えてくるの。
だから、若いうちのロングヘアってうんと楽しまないと。」
「はい。早く地毛を伸ばして、若いうちはロングヘアを楽しみます。」
「お姉さんも、ロングヘア似合っているものね。」
会計が済み、帰り際に、環奈さんが言います。
「いろいろあるとは思うけど、片想いでいいから、恋をしておいた方がいいよ。
その方が女の子はきれいになるから・・・」
「あの、・・・私・・・」
「何も言わなくていいから、じゃあね。またお待ちしてます。」
「はい。じゃあ、年末来ますね。きょうはありがとうございました。」
「こちらこそありがとうございました。」




