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70 菅原君に降りてきた恋の魔法

菅原直人です。


女子校の演劇部の芝居は面白かった。


藤原さんのかっこいい男役もよかったけど、脇役の忍者役の女の子の細かい演技も実は気に入った。

いつも、小出と朝一緒にいる女の子・・・確か小出は「由奈」って呼んでたっけ。

板谷の話だと苗字は柏原さんだから、柏原由奈さんか。

うん、好みの役者さんだ。

1年生なのにすごい演技力だ。中学生の時からやってるから、すごく演劇が好きなんだな。

役への感情移入がすごかった。

ぜひ、話しがしてみたい。

そういえば、けっこう顔も整ってたな。スタイルもよさそうだ。

もしかしたら、女子校でヒロインになれる素材かも。

ぜひ、話しがしてみたい。

演劇の話をしたら楽しそうだ。

うん。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


葵です。

休憩所で座ってジュースを飲んでいると、制服姿になって、女子高生らしい姿になった由奈がやってきました。

「板谷君、尾崎君、合宿の時はお世話になりました。今日は公演見にきてくれてありがとう。

それから・・・菅原君ですよね?

いつも電車の中で顔を合わせてますけど、ちゃんとご挨拶したことがなかったですね。

柏原由奈です。よろしくお願いします。

女子校の公演見てくれてありがとう。

演劇好きだってうかがってます。これを機会に演劇仲間になってくださいね。」


おお、由奈が立て板に水のごとく自己紹介をして、ついでに仲良くするための誘い文句も言ってる。

すごい。

告白がなくなって、すごく気が楽になったからかも。


私は何気なく、席を立ち、菅原君に由奈の隣に座るように促しました。

「あ、サンキュー、女の子の隣に座るなんて、高校になって無いからすごく緊張するよ。」


(失礼ね。私は女の子として認知されてないわけね。)と思う私ですが、まあホントのことだから、

文句はいいません。

菅原君のジュースを買いに行きます。


戻ってくると、もう4人は今日の公演の話で、盛り上がってました。


特に、菅原君と由奈は激しく意見を戦わせてました。


「あの場面、走って、主に報告するところあるけど、忍者だから、突然音もなく現れた方がいいと思うんだけど。」


「いや、走って、必死さをアピールするからいいんです。切迫感があるでしょ?」


「でも、忍者なんだからさ。もっと静かにしたほうが・・・」


「忍者であっても、慌てるときは慌てるんです。」


私は吹き出しそうになりました。

由奈はいつもの気の強い女の子です。恋する乙女だった朝の様子とは全く違います。

でも、自然体で等身大です。

少し、圧倒されている菅原君が気の毒になりました。


菅原君は気の強い女の子は苦手だったはずだけど、大丈夫かな?


まあ、喧嘩になってないし、菅原君は言い負かされても、楽しそうです。

不思議。


話は今日の公演から、テレビに出ている女優や男優の話、東京で上演している劇団の公演の話になっていきます。


板谷君が菅原君に声をかけます。

「菅原はいいよな。お姉さんのコネで、面白い劇団の芝居を観れるんだろ?」


「おお、夏休みは3回くらい観に行った。やっぱり、素人でもプロでも、東京でやってる大人の劇は面白い。

今度、みんなで見に行くか?」


「私も見たいなあ。私、大人の劇団のお芝居見たことないの。」


「柏原さん、そりゃだめだよ。一刻も早く見よう。俺、姉貴に頼んでチケットをゲットするから、

柏原さんもみんなと一緒に観に行こう。」


「いいんですか?一緒に行っても。」


「もちろん。柏原さんみたいな演劇好きなら、嫌といっても連れていきたい。」


「そ、そうなんだ。ありがとう。」


由奈は真っ赤になって下を向いてしまいました。

すごく嬉しそう。


そこで、興奮したのが尾崎君でした。

「そうだ、藤原も誘うぞ。俺は藤原さんと見たい。」


「おいおい、尾崎はいつも藤原さんのこと考えてるな。

柏原さん、合宿の時の態度で、尾崎が藤原さんのこと気に入ってること女子演劇部の生徒知ってるよね。」

思わず板谷君が突っ込みます。


「もちろん、知ってます。

祐希本人も知ってますよ。

尾崎君のことは嫌いじゃないとは思うけど。

今は恋愛をしない状況に追い込んでるから、気づかないふりしてる。」


「それは知ってるよ。辛いなア。」


「で、あきらめるの?」今度は私が突っ込みます。


「あきらめないことにした。可能性がある限り、がんばるぞ。」


おおーっとみんなが感心します。


そのあとは、何となく雑談になっていきます。


いつの間にか、菅原君が由奈と話し込んでます。

なんか、家族のこととか、趣味のこととか聴きだしています。

これは意外な展開。

まるで、菅原君の方が夢中になっている感じになりました。

もう、周りはフォローする必要なしです。


私は立ち上がって、「ちょっと祐希のところに行ってくるね。ご苦労様って言ってくる。」

とみんなに声を掛けます。


すると板谷君が「俺と尾崎はこれから買い物があるから、これから帰る。きょうはお疲れ様。

来週は俺たちが公演だ。菅原、柏原さん、来週の応援頼むよ。」と言って、立ち上がります。


結局、菅原君と由奈を残して、私と板谷君、尾崎君はその場を立ち去ることになりました。


菅原君は私たちの動きを別に不審がることもありません。

由奈との会話に夢中です。

「俺は、これから、生徒会に戻るけど、少し時間があるから、柏原さんと話しているよ。

柏原さん、まだ時間あるよな?」


「え、ええ。大丈夫です。」


そして、また会話に戻る二人。


立ち去る3人は休憩所を出ると、

「何かうまく行ったね。」

「二次元しか興味なかったというのは嘘だったみたいだな。」

「まあ、話が合うってことだよ。」

笑顔でコメントし合います。


「まあ今日のMVPは小出だな。告白タイムにしなくてよかった。」

「おお、そうだ。告白してたら、こんな展開にならなかっただろ。」


「でしょ?」


二人が褒めてくれて、得意がる私。


でも、自分の恋愛はどうなるんだろう?とうっすら不安が過ります。


身体が完全に女の子になるまでは・・・恋愛は無理かな?


恋愛できるようになったら、由奈に応援してもらおう。

連休なので、月曜日14日も更新することにしました。

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