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60 夏休み終了直前に恋バナ?そしてカミングアウト

葵です。


無事に純華と文乃と会えてよかった。


さて、文乃のコーデですが、

まずは髪型。

暑いから、やっぱりポニーテール!うん、涼しそう!私も髪の毛伸ばしたらやりたい!

左右に揺れる束ねられた髪は健康的な色気があるなあ。

うなじも色っぽい。


ボトムは涼しそうな薄い生地のロングスカート。

厚底のサンダルを履いていて、さらに足が長く見える。

トップスは透け感のある黒のプルオーバーブラウス。

ちょっと色っぽい!


「純華も文乃も可愛いなあ。やっぱり本物の女の子の魅力はすごいよ!

とても敵わない。」


「何を言ってるの。葵も可愛いよ。パンツスタイル決まってるし、髪型も

ばっちり女の子じゃない。」


「うん、惚れちゃう男の子いると思う。

可愛いんだから、自信持った方がいいよ。」


まあ、女の子同士の褒め合いはあてにならないし、私の場合、まだ体が男だから、

自信は持てない。でも、やっぱり褒めてくれるのは嬉しい。


そのあとは3人で洋服屋さんやアクセサリー店などを見て回って、オムライス専門店で食事です。


ふわふわトロトロのオムライスにみんな満足!

やっぱり人気店のオムライスは違う!

ネットで事前にリサーチして、ランチ場所に

選んでくれた文乃に感謝!


その文乃が食事を終えて、ソフトドリンクを飲んでいる私と純華に質問してきました。


「ねえねえ、私たち女子高生じゃない?夏って恋の季節じゃない。

夏休み終わりそうだけど、二人とも彼氏できた?」


私は飲みかけのドリンクを吹き出しそうになります。だって、私は純華と文乃には性同一性障害の診断や女性化を目指していることは話してません。二人は私を男子校の女形と認識しているはず。

なのに、なんで私まで女の子扱い?


まず純華が反応します。


「できないよ。知ってるくせに、もー!

そんな機会なかったもん。彼氏ほしいけどさー。

実は中学の時の友達と海行ってナンパされたけど、チャラくて怖かった。

ああいう男の子ってだめ。

私、普通の人がいい!

そういう文乃はできたの?全然聴いてないけど。」



「ふふふ、実は・・・できてません!

私なんか、全然男子と会う機会なかったよ。

夏は部活と家族旅行だけが思い出かな?

二人が夏休みにこっそり彼氏作ってたら嫌だから

確認したんだ。」



「ちょっと待ってよ。

何で私にまで彼氏できたかって聴くの?

もしかして私の性別忘れてない?」


女性化を目指していることは棚にあげて私は抗議します。


「もちろん知ってるよ!

女の子に決まってる。」


「そうだね。葵は女の子!

恋愛対象はもちろん男子!だから彼氏ができても不思議ないんだ。」


二人はニヤニヤしながらしれっと嘘をつきます。


私はちょっとイラっときます。


「私には二人みたいな胸の膨らみないんだよ・・・

パッド入れてるだけだよ・・・」


いじけたように言う私に、二人は驚くべき発言をしました。


「じゃあ、女性ホルモン注射して、おっぱいふくらませたら?

そして、あそこも取っちゃいなよ。すっきりするよ。

そしたら一緒に温泉とかはいれるじゃない?

お互いの裸見せあおうよ。」


「そうそう、豊胸手術なんてどう?

ドカーンとシリコン入れちゃうとか?

あ、ホルモン治療だけでも、おっぱい大きくなるか?

私も、文乃もAカップだからすぐ追いついちゃうかな?」


「あ、ちょっと待った、純華!

純華には私のカップ教えてないのに、なんでわかるの?Bカップ、

Cカップかもしれないじゃない。

私のブラ見たわけじゃないでしょ?

着やせしてるとか思わないの?

外れてたら失礼だよ。」


「そんなのわかるよ。学校でよく見てるし、時々服の上から触ってるもん。

Cカップは絶対ない。」


「ええっ、服の上から触るだけでもわかるの?

そんなの、だいたいしかわからないでしょ。

ううっ、確かにAカップだけどさ。」


「私と同じだから、いいじゃない?不満なの?」


「でも、大きくしたいんだもん。まだまだ大きくなるって信じてる。」


「ちょっと・・・二人とも落ち着いて。

あのさ、実はね。

私、・・・しばらくは黙ってようと思ったんだけど、その話題がでちゃったから、カミングアウトする。」


「えっ?何を?

カミングアウト?」


「今の話の流れから考えると・・・

まさか、おっぱい大きくするの?

ホルモン注射とかするの?

女形でいる間は豊胸手術するとか?

え、もしかしたら性転換しちゃうとか?」


「うん、言いにくいんだけど・・・

実は最近お医者さんの診断書をもらって、ホルモン治療始めちゃった。

始めて2週間くらいかな?

ちょっと胸は張ってるけど、まだそんな変化はない・・・

一応、学校には報告している。

知ってるのは、家族と、お医者さんと、祐希だけかな?」


「す、すごい!

一緒にいて、普通に女の子みたいだと思ってたけど

そこまですることにしたんだ。

テレビとか、ネットで聴く話だったけど、身近な人がやるなんて思わなかった。」


「ほんと、びっくりするよ。確かに女の子以上に女の子っぽいとは思ったけど・・・

じゃあ、手術もするの?

性転換しちゃうの?

戸籍とか変えちゃうの?」


「うん、高校3年の夏には手術するつもり。タイの病院でやってもらうの。

高校3年の秋には完全な女の子になる予定。

戸籍は残念ながら20才にならないとできないの。法律の問題で。

あ、豊胸手術はしない。

ホルモン治療だけで、胸を膨らませるつもり。」


「そうなんだ。

おめでとう!じゃあ、これから本当の女友達になれるね。」


「そうだ、温泉にも一緒に入れる。

胸が膨らんだら、触らせてもらおう。

女の子同士だから、いいでしょ?

あ、さっきの質問にもどるけど、彼氏はいるの?

本格的に女の子になるって決めたってことは、彼氏とか好きな男の子いても

不思議ないよね?」


「そうだ、好きな男の子いるから、女の子になりたくなったんじゃない?」


「そういえば、祐希が、葵と怪しい感じの男の子が男子校の演劇部にいるって言ってた。」


純華と文乃から機関銃みたいに質問が飛んできて、大変です。

彼氏も好きな男の子もいないって一生懸命二人に説明しましたが納得してもらえません。


結局、男子校の文化祭の時に、男子校内を案内するという話に切り替えて、その場を収めました。

女の子の追及は厳しいなあ。

とにかく、他の人には私の女性化の話は黙ってほしいとお願いして、承諾はもらいました。

まだ、幼馴染みの由奈にも話していないから・・・ね



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