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57  偶然  母親同士が友達?

私は板谷佳織いたやかおり

中学3年生です。

今日は母である板谷公佳いたやきみかと一緒に郊外の大規模ショッピングセンターに

来ています。

今日はひまだったし、エアコンの効いたショッピングセンターに涼みにきつつ、服やバッグ、靴などを

いっしょに見ようと思ったんです。


ちなみに父は本日は仕事、兄は中学の時の友人とプールに遊びに行ってます。

兄は板谷翔いたやしょうという名前です。

男子校にはいって、演劇部に入って部活三昧なんですけど、今日は久しぶりに中学の

友達に会えるって言って、張り切って出かけました。

5人くらい集まるって言ってました。

ウチ一人は女の子で兄以外の3人のうちの一人の彼女らしいです。

兄には彼女がいないので、羨ましがってました。

兄も結構かっこいいとは思うのですが、女性に積極的に話しかけるタイプじゃないから、

心配です。しかも男子校にはいっちゃったから、彼女なんてできるのかな?


さて、母と一緒にウインドウショッピングを楽しんでいると、

突然母が叫びました。


「あれっ、智花じゃない?そうだよね?

20代のときのクラス会以来じゃない!

久しぶり!」


母は私と母のように母娘で歩いている二人の女性に声をかけたんです。

どうも、友達を見つけたみたい。

一緒にいる娘さんは私よりちょっと年上の感じかな?

兄と同じくらいかな?

うわっ、すごく可愛い!

華奢で、キレイな顔立ちだけど、ちょっと愛嬌があって

アイドルみたいな雰囲気があります。


「もしかして、公佳?変わんないわねー。

一緒にいるのお嬢さん?

公佳に似ている。可愛いっ!」


「智花のお嬢さんも可愛いじゃない。

アイドルみたいよ。

へーっ、モテまくってた智花の面影がある。」


二人はぺちゃくちゃおしゃべりを始めました。


結局、立ち話せずに、ゆっくり食事でもしながらおしゃべりしましょうって言うことになり、

4人でショッピングセンターにあるレストランで食事をとることになります。


「今、どこに住んでるの?私はA市に7年前から住んでる。」


「私はB市に住んでる。隣の市だから、近いわね。会おうと思えば会えるじゃない。」


どうも、二人は高校の時一緒のクラスだったみたい。

高校は兄が通っている私立桃花高校系列の桃花女子高校。

二人は高校時代の話やその後のクラスメイトの近況で、話が止まらない。

そして、自然に話しは子供の話に移ります。


「お嬢さんは、中学生?」


「うん、この子は長女で、今中学3年生。佳織っていうの。あと長男が高校1年生で、きょうは別行動。

もう私とは歩かないよ。思春期だからね。

その点、娘は一緒に歩いてくれるからうれしい。

そうだ、佳織、挨拶しなさい。」


「あ、佳織です。よろしくお願いします。」


「あらー、本当に可愛いわね。これから花咲く美少女っていう雰囲気があるなあ。

これから色っぽくなりそうね。

もうすぐ受験だけどがんばってね。」


「もう、男みたいな褒め方するのね。でも、褒められるのは大歓迎。

そちらのお嬢さんは高校生?」


「あ、葵はもう高校生で1年生。公佳のところの上のお子さんと一緒。

あと、大学生の長女がいるの。

葵も挨拶しなさい。」


「葵です。公佳さん、佳織さん、よろしくお願いします。」


「うわーっ、葵さん、やっぱりアイドルみたい。テレビにでているアイドルの誰かに似ている。

ねー、佳織、そう思わない?」


「うん、私もそう思った。確か、アイドルグループのメンバーでモデルもやってる白石琴海(しろいしことみ)に似てる。すごくモテそう。」


「そ、そんな褒めすぎです。私なんか、ただのやせっぽちで、出るところでてないし。」


「公佳、褒めすぎよ。でも、やっぱり娘を褒めてもらえるって嬉しいね。」


「そうだ、葵さんて彼氏いるの?うちの長男が高校1年で、けっこうかっこいいんだけど、

女の子と仲良くするのがうまくなくて・・・

うちの長男の彼女になってくれたら嬉しいかも・・・」


「そうなの?

葵には彼氏いないわよ。でも、今は部活に夢中でそれどころじゃないかな?」


「そういえば、うちの長男も部活に夢中だった。まあ、あわてて恋人作ることないかも。

まだ、高校1年だしね。」


母と、智花さんはまた、高校時代の話で盛り上がり始めます。

ひまになってしまった私は、葵さんに話しかけてみます。


「葵さんって、キレイだから、すごくモテそう。

彼氏がいないってことは、いっぱい断ってるんですか?

もし、母が言うように、兄の彼女になってくれたら素敵だって思います。」


「いや、そんなモテません。

私、そんな女の子っぽくないもの。

それから、お兄さん、好きな人いるかもしれないから、私なんか勧めない方がいいと思う。」


「ええっ、葵さん、実は気が強くて、男の子と喧嘩しちゃうタイプなんですか?

そうは見えないけど。」


「そういうわけじゃないんだけど、男の子っぽいところあるの。」


「うーん、よくわからないなあ。すごく女の子っぽいと思うけど。

性格的に男の子っぽいところがあるってことですか?」


「うーん、そんな感じかも。」


「あのー、一つ年下ですけど、友達になってもらってもいいですか?

葵さんみたいな美人さんと友達になれたらすごく自慢できます。

いろいろ高校生活のこと教えてほしいし。」


「うーん、美人じゃないけど、友達になるのはいいかな?

お母さん同士も友達だしね。」


私たちは、スマホで、お互いの写真を撮りあって、連絡先を交換します。


それに気づいた母は

「あら、若い子はすぐ仲良くなるのね。知り合ったばかりで、写真を撮りあうなんて、私たちの時代は

あり得ないよね?」


「そうね。私たちの高校時代はスマホなんてなかったものね。

あ、写真はともかく、私たちも連絡先教え合いましょ。」


それから、再会を約束して、二組の家族は別れました。


「あれっ?お母さん、うちの苗字全然教えなかったね。」


「そうだった。ずーっと名前だけで話しができたし、スマホも名前で登録したから、苗字の話にならなかったんだ。たぶん智花って私の旧姓しか知らない。」


「お母さん、うっかりだなあ。向こうの苗字はわかるの?」


「うん、高校の時付き合ってた彼と結婚したって言ってたから、たぶん小出っていう苗字だと思う。」


「じゃあ、葵さんは小出葵さんね。お兄ちゃんに写真見せたら一目惚れしちゃうかも。」


「そうね。翔がなかなか彼女できそうもなかったら、葵さんに彼女になってもらいましょ。」


「うん。」


私たち母娘は勝手なことを言ってました。



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