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53 髪の毛伸びた・・・でもエクステでさらに伸ばします。

8月中旬。


私は、美容室「アクア・メロディ」に来てます。

ここは子供のところから来ている美容室。

そして、いつも髪の毛をカットしてくれる担当は環奈かんなさんです。


来た理由は、少し伸びた髪の毛を整えるためとエクステ(エクステンション)と言われる、付け毛を装着するためです。


今の私の髪の毛はショートボブがちょっと長めになったくらいの長さで、なんとなく気に入りません。まだまだ短いんだ。

もちろん男子のヘアスタイルと比べると長いから女子の髪型に見えますが、セミロング以上を理想とする私には不満足の長さなのです。セミロングまで半年はかかりそう。


そこで、姉から、

「エクステつけちゃば?簡単に髪の毛伸びるよ。女の子っぽくなるし、やっちゃおうよ。」

と言われたんです。


「そういえば、山野先生にも勧められたけど・・・

うーん、エクステって不自然な感じしないかな?

自分の髪にウイッグをくっつけるんでしょ?

確か、結ぶんだよね?洗うの大変だし、結び目のところがゴロゴロしないかな?

それからお金かかるでしょ?

お父さん、許してくれるかな?」


「 今はいい方法があるみたいよ。

ごろごろしないやり方あるみたい。

それから・・・お父さんは大丈夫だよ。

少しでも女の子っぽくなるの楽しみにしてるから。」


「じゃ、やろっかな?お姉ちゃん、お父さんとお母さんに頼むから、付き合って。」


「いいよ。」


結局、両親は認めてくれて、今、美容室に来ていると言う次第です。

予約を入れて、朝一で来ました。




「葵ちゃん、すっかり女の子っぽくなったね。さすが、『男子校の姫』。

もう雰囲気が女の子そのものだよ。」


「でも、まだまだです。

身体は男子ですもん。

実は、環奈さんには教えちゃいますね。

美容室のスタッフには話してもいいですけど、他には秘密です。

私、性転換することにしました。

これから、ホルモン治療開始するんです。」


「えっ?うそっ・・・

そうなのー?

ご両親とか、学校とか大丈夫なの?

まだ高校1年生じゃない!」


「ちゃんとお医者さんの診断書ゲットしました。

親も学校も大丈夫です。

なるべく若いうちに治療を始めないと、男っぽくなっちゃうから、

早くはないんです。

で、もっと女の子っぽくなりたくて、エクステ付けることにしたんです。」


「そ、そうなんだ。

はあ~~っ、よく決心したね。

子供のころから、女の子っぽい男の子だったとは思ったし、

姫に選ばれたって聞いたときは、似合いそうって思ったけど、

本格的に女子になるなんて、思わなかったよ。

そっか?

もう決めたのなら、がんばって女の子になってね。

うーん、今でも可愛いんだから、治療したら、完璧美少女になるよ。

髪の毛ももっと可愛くしなきゃね。」


「はい、お願いします。髪の毛早く伸ばしたいんです。」


「じゃあ、今日はエクステンション付けますからね。

今回使うのはシールエクステっていうタイプ。

エクステには、シールエクステ、編み込み、・超音波接着ってあるけど、1番良いのは

シールエクステだと思います。

メリットとしては、付けるのにかかる時間が最も短いこと、接着面が少なく地毛に一番馴染むこと、

編み込みや超音波のように不自然なでこぼこができないこと、外したいときに外しやすいことかな?

とにかく着脱の早さと、地毛との馴染みの良さは優れてるの。


ただ注意しなきゃいけないのは、安いものを買って付けると根元にトリートメントやべたつきが残って外れやすいんだ。それから、シールの部分が表面に見える場合があることもある。

だから、いいものをちゃんとした美容師というか技術者につけてもらうのが一番。

このヘアサロンではいい商品を使ってるし、私もプロだから安心してね。」


「すごい、そんなものができたんですね。

私、編み込みのタイプしか知らなかった。

編み込みタイプだと、結び目があって、重そうだから、ドレッドヘアみたいに髪や頭に負担ができて、

禿の原因になるかと思っちゃいました。」


「ふふふ、美容技術も毎年進歩してるのよ。

ただし、持つのは1.5カ月くらいかな?

そのあとは、またつけないといけないから、気を付けてね。

あと、1~2回つければ、地毛がかなり伸びてるから、もういいと思う。」



そして、髪の毛を整えるために、一部カットして、ついにエクステ装着が始まります。


うわーっ、髪の毛が長くなる。感動だ!一挙に女の子っぽくなる。

あこがれのロングヘアだ。

すごく可愛くなる。

これで、女子度あがるぞーっ。

もしかしたら、ちょっとはアップとかできるかな。

でも、頭重くなって、毎日の生活は大変そう?

それも女子力アップのためだ。

我慢しよう。


そして、いつの間にかうとうと寝てしまった私。


「葵ちゃん、完成したよ!

アイドルみたいだから、見て!」


「!!・・・うわっ、ロングヘアの女の子になってる!可愛いっ!!」


私は感動で、涙が出そうでした。


「でも・・・ロングヘアは大変だよ。

髪の毛洗うの時間かかるし、乾かすのも大変。

まっすぐ、きれいに見せるためのブラッシングやトリートメントみたいな手入れも大変。

たぶん、今の倍くらい髪の毛の手入れ時間かかるようになると思う。」


「うっ、そうですね。

覚悟します。

寝る時も気をつけないと。」


「まあ、それが、女子の楽しみっていう考え方もあるから。

苦労すれば、ロングヘアをうんと楽しめるからがんばってね。

そして、自毛がロングになったときに役立つから。」


「はい、がんばります。」


「そういえば、ホルモン治療するってことは、次にきたときは

おっぱい膨らんでるんだよね。」


「そ、そうですね・・・

少しは大きくなってるといいんですけど。」


「お母さんも、お姉さんも大きいから、遺伝子で大きくなるかもね。」


「えっ?それはわからないです・・・」


「次に来たときは触らせてね。うふっ。」


「ええっ?それは・・・恥ずかしいですっ。」


「いいじゃない?私、ホルモン治療で膨らんだおっぱいってすごく興味ある!

私の胸とどう違うか確かめてみたい!」


「もーう!環奈さんはエッチですね。

女同士になるつもりですから、別に触ってもらってもいいけど・・・」


「じゃあ、決まりね。楽しみにしてる。」


「うまく膨れたら・・・ですよ。1.5か月後だと、まだどうかわかりません。」



「ふふふ、なら、さらにその1.5か月後を楽しみにしようかな。

大きくなるように神様にお祈りしとこ。」


「はは、大げさです。

まあ、膨れてもらわないと困るんですけどね。

ああ、早くパッドに頼るの、止めたい。

ブラが動くのは嫌。」


「あらあら、現実的な悩みね。

確かに胸ぺったんこだと、ブラがずれるもんね。

まずはずれなくなることをお祈りしましょ。」


「うっ、そうですね。お祈りします。」


最後にバカな会話をして、私は美容室を後にします。


風にロングヘアがたなびきます。ああ、気持ちいいっ。


私の髪の毛、ロングなんだー!やったー!

暑い日が続きますね。

申し訳ありませんが私の小説も夏休みをいただきたいと思います。来週と再来週はお休みいたします。

8月24日から再開いたします。

よろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[一言] 髪の毛長いと、維持が大変なんですよねえ。 私の姉が父親の命令で伸ばしてました。小学生で膝まで伸びていて、乾かすのに30分以上の時間を要していました。 母が資格を持つ理容師だったのでお手入…
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