41 7月中旬 ジェンダークリニックに行く。女性化決定
葵です。
7月10日、祐希のお母さん、藤原梓医師のジェンダークリニックに行きました。
あと2回のカウンセリングを実施して、ホルモン治療を開始するか否かを決めるという話だったんですが、
結局、私は自分の意思を強く示し、女性になることを梓先生に申告しました。
2回目のカウンセリングは不要と言い切ったのです。
「いろいろ考えました。
家族ともいっぱい話をしました。
最後は私の判断で決めるということになって・・・・・・
そして決心したんです。
一刻も早く、ホルモン治療を開始したいんです。
15才からホルモン治療できるんですよね。
私はとっくに15才になってるから、もうできますよね?
第二次性徴が本格化する前に、始めたいんです。一刻も猶予できないんです。
もう、男子の体で、女性の服を着続けるなんて耐えられません。
今のままで女の子に見えるって言われると、嘘をついているようで嫌です。
お願いします、女性の体にしてください。
本物の女子高生に近づきたいんです。」
「あらっ、あらあらあら・・・
どうしちゃったのかしら?
前回までとちょっと違う感じね。
好きな男の子でもできちゃったかな?
なんか、気持ちがまっすぐだし、力強い意思表示ね。
うーん、私も、治療は早い方がいいとは思ってたけど・・・
もう決めちゃうかな?
そうね。
家族の方としっかりお話したみたいだし、これで、私の診断書を書き上げましょう。
ただし、お父様ともお話させてね。
電話で連絡とらせていただきます。
お母様は前にお話ししたから、今度はお父様。
未成年だし、15才だから、念には念をいれますよ。
後戻りはできないんだから。
本当は2年以上のカウンセリングが必要だけどそこは何とかします。
診断書が書きあがったら、別の精神科医を紹介するから、そこに行ってね。
そこで2人目の診断が得られれば、性別違和の診断はほぼ決定。
その後、審査があるけど問題ないと思う。
晴れて、堂々とホルモン治療が開始できるようになると思います。
がんばりましょう。」
「ありがとうございます。
特別な措置なんですね。
そうですよね。普通は2年間検討するんですものね。
こうなったら、絶対素敵な女性になります。」
後日、梓先生は父親と電話で会話をして、間違いなく家族が私の性別移行を認めているという裏付けをとりました。
父親も大賛成であったので、何も問題はありません。
そして、ついに先生から性別違和の診断書を受領したあと、別の精神科医を紹介されます。
予約をとり7月の下旬に行くことになりました。
その先生も女医さんということでした。
梓先生曰く、若くてきれいなMtFが好きなようで、
私みたいなタイプはスムーズに診断してくれるでしょうと言ってくれました。
患者のタイプで、判断変わるなんてあったらまずいんじゃないのかな?と思いつつ
すごく自信になりました。
うーん、うれしいっ。
その後、祐希から連絡がスマホにはいります。
梓先生には祐希に話しておいてくださいと言っておいたのです。
個人情報の漏洩ではありません。
「ついに、女の子になることが決定したのね!
いっぱい考えたんだね。
もう少し時間かかると思ってた。」
「まだ正式決定じゃないよ。前進したことは事実だけど・・・
別の精神科医の判断もあるし、そのあと、審査会みたいなものがあるって
聴いている。」
「お母さんの話だと大丈夫みたいだだよ。
もう一人の精神科医は若い女医さんで、葵みたいなタイプ大好きなんだって。
すぐ、決まっちゃうと思う。
それでね、
正式決定したら、その女医さんのところでホルモン注射してくれるって。」
「そうなんだ?
段取りまで教えてくれてありがとう。」」
「とにかく、おめでとう。葵が女の子になるの楽しみ。
性転換手術が終わったら、いっしょにお風呂に入れるようになるよ!
楽しみ。
ふふふ、いつになるかな?
おっぱい、どのくらい大きくなるかな?」
「気が早いよ。
まだ、ホルモン治療も始まってないのに。
手術なんていつになることやら。
でも、高校在学中に、手術したいなあ。
もう、アソコをすっきりさせたいし。
受験勉強早めに開始しよう!
高校の夏休みには手術したいな。」
「え?すると演劇部は早く引退しちゃうの?」
「まだ、わからないけど、夏に手術受けるなら夏に練習できないから、たぶん新歓公演が最後かな?」
「となると、引退すると女形やめるんでしょ?
女の子のカッコで過ごすことできなくなるよね?
学校のルールだと、女形引退したら、普通の男子の姿で通学しなきゃいけないんじゃない?
男装するってことにならない?」
「あ、そういうえばそうだね!
忘れてた!
どうしよう?
学校側と相談しなきゃ!」
「学校側に女形引退後も女装登校を認め欲しいと申請するのもいいけど、部活の引退とともに女子校に転校するっていう手もあるよ。
そしたら、一緒にいる時間長くなるね。
たぶん、3年生になる頃にはかなり身体が女性化しているはずだから、その方が自然かも。」
「とは言っても、男性なのに女子校に転校できるかというと、それもハードル高いよ。
学校側が特例扱いで認めてくれるかどうかかな?」
「そうだね。早いうちに、先生を通して学校側にLGBTであること、ホルモン治療すること、性転換手術する予定であること説明した方がいいね。
なんかいい方法考えてくれるよ。
女形は学校の看板だもん。」
「うん、アドバイスありがとう!
先が見えてきた。
部活も勉強も治療も頑張れそう!」
「それから、先生や学校側へ報告した後でいいから、演劇部の人たちにも報告した方がいいと思う。
クラスメイトにはその後かな?」
「そうだね。一緒に劇やる人には秘密にできないかな?
クラスメイトには恥ずかしいから、時間が経ってからにする。」
「あ、板谷君、尾崎君には早めに説明しといたら?
親友でしょ?」
「そう・・・だね。
ううっ、なんか恥ずかしいなあ。でも、演劇部の仲間でもあるしなあ。」
「ちゃんと手術して、戸籍も変えるつもりだって、説明するんだよ。」
「うわっ、引かれないかな?でも、親友には話すべきだね。
うん、正式診断が決まったら、話をするよ。」
「ふふふ。そうしようよ。何かおもしろそう。」
「もう!祐希は楽しんでるでしょ?」
「わかる?
でも、私も親友だよ。いろいろ心配もしてるんだよ。
人間関係は微妙だからね。」
「そう言われると、弱いなあ。
うん、これからもいろいろ相談に乗ってね。」
「了解!」




