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25 男子校に復帰する前夜

小出葵です。


5月ももう半ばです。

明日の月曜日から、男子校に復帰します。


実は6月の下旬の定期公演に1年生も出演することが決まっていて、

女子校にいる間に、台本を渡されています。

とりあえず、1年生は全員お芝居に強制参加です。

照明とか小道具、大道具、台本作り、舞台監督等のいろいろな仕事があって、

そのうち専門的にする生徒も出てくるのでしょうけど、この公演だけは、1年生は全員出演って決まってます。

私も初めての女形を演じなければいけません。

今回は、簡単な役なんですけど、緊張します。

明日から、部活でがんばらなきゃ。


それにしても、3週間前までは男子の制服で通っていた学校に、女子の制服で通学するのは

けっこう恥ずかしいです。

女子校に行くときにアウェイ感があったけど、今度もすごく感じます。

登校の時にすごく注目浴びるだろうなあ。

全校生徒にチェックされそう。


とりあえず、学校のある駅までは由奈が一緒だから、いいとして、

男子校までの約15分の道のりはちょっと恥ずかしい。

そうだ、祐希みたいに、板谷君と尾崎君につきあってもらおうかな。

特に板谷君は私の女子姿見てるし、違和感ないだろうし。


スマホで連絡しなきゃ!


お、すぐ返事が来た。

うん、二人ともオッケーしてくれた。


これで一安心。

駅の近くで待ち合わせして、三人で教室に向かう段どりです。


あの二人がいれば、心配ありません。



そういえば、3週間で、もう話し方とか、座り方、歩き方とか、すべてが

女っぽくなっちゃった。


トイレは座ってしないと落ち着かないし、

ブラとか付けてないと落ち着かない。

もう、乳首とか人に見せられいない。


階段上る時は常に、後ろが気になるし、

電車で座れた時は、必ず、ひざをそろえるしなー。


こんな事2年以上やったら、男に戻れないような気がします。

うーん、歴代の女形さんたちはどうだったんだろう?


ああ、でも、女装時間が長ければ長いほど、本物の女の子との違いが気になる。


やっぱり、おっぱいがあるといいなあ。


小さくていいから、欲しくなってきた。

子供を作る能力なくなっちゃうけど、ホルモン治療しようかな?


こう考えると、ジェンダークリニックで相談する必要性ってすごくあるね。


何か、体を女性に変えたくなってくるもん。

これだけ、女性的な顔と骨格してるんだから、女性になったほうがいいかもしれないって

思っちゃいます。


そうだ、今度の土曜日に祐希のお母さんのクリニックの予約入れてたんだ。

どんな話するんだろ?


それから、福島先生が相談に乗ってくれる人を紹介してくれるって言ってたなあ。

いつ会えるんだろう?

福島先生から連絡くるのかなあ?


ぼーっとしてると、部屋の入口がノックされました。


「葵、入っていい?」


「うん、いいよ。」


お姉ちゃんです。

私の不安を知ってかのように、励ましに来てくれたようです。


「明日から、男子校に戻るね。不安でしょ?」


「うん、クラスメイトも、そうだけど、全校中から注目浴びるからね。

女の子に見てもらえるか不安だよ。」


「心配しなくても、十分女の子に見えるよ。

自信を持ちなさい。

気を付けなければいけないのは、

男子言葉に戻ったり、男子の声に戻ったりしちゃだめ。

そしたら、全部が中途半端になる。

同級生も、女装した男子生徒って目でみることになっちゃうよ。

姫としては、女にしか見えないって線でがんばらないと。」


「うーん、おっぱいはないし、股間には女の子にないものついてるけど。

あと、髪の毛も長い方がいいなあ。」


「おっぱいはあるつもりになるの。

股間には何もついてないつもりになるの。

髪の毛はもうちょっと伸びたら・・・そうね夏休みになったら、エクステでロングに

しちゃいましょ?


そうだ、そんなにおっぱい欲しいなら、早めにジェンダークリニックの診断得て、

ホルモン治療開始しちゃったら?」


「ええっ?!そんな簡単に決められないし、お医者さんも軽はずみなことはできないでしょ?」


「でも、若い時間は大切だよ。

きれいなうちにおっぱいを作っておくことも大事かも。」


「お姉ちゃんは私をニューハーフにしたいんだね。」


「ニューハーフっていう言い方だと、芸能人とか、飲み屋関係の人みたいだから、

MtFとかトランスジェンダーって呼び方の方がいいと思う。

うん、呼び方はともかく、女の子になった方がいいと思うよ。

最終判断は本人だけどね。」


「うーん、そんなこと言われると揺れるなあ。

高校入るまで、女の子なるなんて全然考えてなかったんだよ。それが1カ月半で、いろいろ

考え方が変わるなんて・・・

困ったなア。

でも、決断しないとなあ。」


「ふふふ。とにかく、ブラがずれるのは嫌なんでしょ。ちゃんとカップがひっかかるように

したいんでしょ?」


「うん、なんかそれって、小さなことだけど、毎日気になるからねー。

でも、おっぱいつくるなんて・・・」


「まあ、考えて考えて、そして、いろいろ相談してね。

一度しかない人生だから。

じゃあね。おやすみ。」


「おやすみなさい。」


うーん、色々考えると眠れなくなりそう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


板谷翔です。


ついに、明日から、小出が戻ってくる。


藤原がいた時も、クラスが明るい感じになったけど、小出も同じ雰囲気作ってくれるかなあ。


ショッピングセンターで、小出の女装姿見たけど、制服姿は初めて見るんだよなあ。


考えてみれば、男子校も女子校も、同じ駅で降りるんだから、じっと改札口とか見てれば、

小出を発見できたんだよな。

まあ、そんなめんどくさい事はしなかったけど。


あいつ、女の子っぽくなれたかなあ。


中途半端だと嫌だなあ。


藤原の場合、あくまで男装した女子生徒って感じで突っ走ったけど、

小出には完璧に女の子に変身してほしい気がする。

なんせ、演劇部の主演女優になる人材だからな。

俺はその相手役になれるように頑張りたい。

あいつが輝く存在になるなら、俺も輝きたい。


俺は、小出に対してすごく期待する気持ちが大きかった。

できるだけ、きれいに、可愛くなってほしかった。

これは、友人としての期待感だった。


そして、俺自身も一緒に成長したいという決意があった。


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