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188 ラーメンの後

小山朱里です。


美味しいラーメンを食べたあと、大満足して、店の外に出て、ちょっと歩いたら、

とんでもない展開が待ち受けてました。


お店を出たあと、信じられないことに、私のブログ上のニックネーム「麺汁好き蔵」の名前を挙げられ、私がそのブログの管理人ではないかと知らない男性に問われたのです。

本当に驚きました。


だって、私は確かにそのニックネームでブログを書いていますけど、プロフィールには中年独身男性って書いてあるんです。

どうして、若い女性である私と結びつけることができるの?と思ってしまいました。

でも、声をかけてきた人物は私のネット上の弟子「叉焼チャーシュー好き兵衛」さんだったんです。よく考えてみれば、彼なら、色んな状況分析から結びつけることは可能なんです。

それなりの交流してましたからね。


そして、さらに驚いたことがありました。

そこには私の教え子が二人もいたんです。

一人はテニス部のイケメン朝倉良太君、そして、もう一人は男子校の姫になるために男子校に進学した太田和音君でした。

朝倉君はすぐにわかりましたが、太田君は最初、わかりませんでした。

だって、見た目が女の子になってるんですもの。


よく見れば、同一人物ってわかるけど、服装や髪型、身のこなしや表情、雰囲気が完全に女子になっているからわかりません。


24時間、女性として過ごす「男子校の姫」のすごさがわかりました。

福島先輩、山野先輩から話を聴いてましたが、「姫」って、女性そのものになっちゃうんだ。


さらにです。

叉焼ちゃーしゅー好き兵衛」さんが、良太君の実の兄の朝倉蒼汰さんであることがわかったんです。恐るべき偶然!


何と、彼は、私と同い年でした。

私、オタクっぽい文章から、好き兵衛さんは、ずっと、おじさんだと思ってた。

だって、ラーメンオタクっておじさんが多いんだもん。

実際の好き兵衛さんは、良太君より長身で、すごいイケメン!

嬉しい誤算!

でもどうしよう!


私の今日のかっこはラーメンを味わうための戦闘態勢でした。

ノーメイクだし、髪はまとめちゃってるし、Tシャツに汚れてもいいようなパンツファッション。足元はスニーカー。

若い男性に会うかっこじゃありあません。すごく、恥ずかしい。

初対面で素をさらしちゃっています。

もう、隠すことはできません。

猫を被ることなんてできないや。

まあ、ブログで、どんな人間かってこともバレバレだしね。

もう、開き直ろう。




それで・・・

今、良太君おススメのカフェで、絶品のパフェを食べながらおしゃべりしている私です。

甘いものを食べに行こうって誘われちゃったんです。

私、甘いものも大好物だから、拒否することはできませんでした。

もう、今日はカロリーのことを考えるのはやめよう。


「蒼汰さんは、東京で一人暮らしなんですか?

その住所だと、便利ですよね。

どこの店に行くにも、そんなに時間かからない気がする。

いいなー。東京はラーメン屋さん、いっぱいあるから、いろんなお店に行けますよね?

私は、東京に出るまで時間かかるから、無駄に時間がかかっちゃう。

いいな、いいなー。」


「いや、今は、まだ、師匠・・・朱里さんが行かれたお店を一つ一つ追っかけている状態ですから、

まだまだですよ。それに、ラーメンを毎日食べてたら太っちゃいますから、一週間に二日だけって決めてます。」


「そうなんですか?私と同じ。やっぱり週末を使うことになりますよね?」


「そうです。週末ですねー。でも、週末はイベントとか行事も入るので、行けないこともあるんです。その時はストレスたまります。」


「わかります。ラーメン食べに行けない週末は、超落ち込みます。

その時は、有名ラーメン店のカップラーメンをコンビニで買って食べちゃいます。」


「おっ、俺も時々それやってます。カップラーメンもバカにしたもんじゃないですよね?」


私はラーメンの話になると止まりません。

蒼汰さんも、ノリがいいです。

ラーメン好きの会話がすごく楽しい。

子供たち二人を無視して話に夢中になってるの恥ずかしいけど、止まらない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


良太です。

うわーっ、兄貴と、小山先生、ラーメンの話で盛り上がっちゃってる。

止まらないな。

この二人、けっこうお似合いだな。

兄貴は小山先生の美貌には全然気づいてなくて、ラーメンの会話に夢中になってるけど、冷静になれば交際相手として考えるかも。

そうだ。気を利かすか?


俺は、小さな声で、和音にささやく。


「この二人は二人きりにしてあげよう。俺たち子供は邪魔だと思う。」


「そうだね。私もそう思った。

そうだ。私たちは高校生らしく、原宿に二人で行くっていわない?お兄さんたちと別れて行動するって言おうよ。」


「おお、原宿か?そういえば俺、行ったことないや。行ってみるか。」


「私も行ったことない。楽しみ。」


俺は、二人きりになると高校生カップルのデートみたいだな?と一瞬思ったが、大人二人に気を利かせるためだからいいんだと割り切る。

そして、勇気を出して、会話に夢中の兄に声をかける。


「お話し中、ごめん!

兄貴、俺と和音、これから原宿行くよ。兄貴と別行動とる。

せっかく東京きたんだから、高校生の憧れの場所に行ってみるよ。

兄貴は小山先生とラーメンの話盛り上がってるから、二人で行動してくれ。

いいよね。」


「おお・・・そうだな。

小山先生・・・朱里さんとの会話はまだまだ続きそうだよ。

うん、二人で原宿行ってこい。

よし、軍資金は出してやる。」


兄は財布から1万円を取り出して、渡してくれた。

「二人で楽しんで来い!ただし、高校生だからな、遅くなりそうになったら、家に電話しろよ。

俺は、東京のアパートに帰る。」


「あ、ありがとう。きょうは美味しいラーメンとパフェをごちそうになって、よかったよ。な、和音。」


「蒼汰さん、ありがとうございました。こんなおいしいラーメンと美味しいパフェで、幸せいっぱいです。先生にも会えたし、楽しい時間でした。」


「おうっ、二人仲良くやれよ。

また、ラーメン連れて行ってやるぞ。

その時は朱里さんも誘おう!

いいですよね。朱里さん!」


「えっ?はいっ。お供します。」


おお、兄貴と小山先生、いい感じだ。





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