118 佳織と葵
板谷佳織です。
5月です。
高校に入学して1カ月経ちました。
兄と違い、男女共学の県立高校に進学しました。
やっぱり、男の子がいる男女共学の方が私に合っています。
男の子いないとつまらない。
高校では彼氏作りたいな。
今日は母親の公佳と一緒に、大規模ショッピングモールでお買い物。
洋服を見てもらっています。
「こんなのいいんじゃない?」
「うーん、ちょっと派手かな?」
「かわいいのにー。」
「でも、ちょっと可愛すぎない?」
「可愛い服って、今しか着れないんだよ。20才超えたら、ちょっと無理ー!ってことになるんだから。」
「ううっ、確かに。
イタイお姉さん、オバサンっているよね。若作りの女性って痛々しい。
そうだなー。お母さんの意見に従うかな?
高校1年だからこそのこの服かな?」
私が母に従います。
可愛い服にはちょっと抵抗あったんだけど、ホントは好きなんですよね。
母に背中を押してもらった感じです。
洋服を購入して店を出た時でした。
お店の前を私たち母娘と同じような母娘が前を過ぎようとしてました。
高校生と思われる娘はすっごく可愛い女の子。
アイドルの白石琴美みたい!
え?!
私この人知ってる!
葵さんだ!!間違いない!久々だ!すぐわからなかったけど!
うーん、何か変わったよ!女の子っぽくなった?
いや昨年に会った時も可愛いくて女の子っぽかったけど、まだ第二次性徴途上って感じだった。
まだ女性らしいラインが欠けてた気がする。
今は何か、太ったわけでもないのに丸みを感じる!
私自身が体型に変化が出たからすごくわかるよ!
女性ホルモンの分泌が満開なんだ!
私は母の耳に口を近づけ、知らせます。
「お母さんの高校時代のお友だちがいるよ!」
「あら、智花じゃない!」
「あら、公佳、またまた偶然ね!」
二人は会うなり、もうおしゃべりモードに入りました。
高校時代の話から、旦那さんの愚痴とかもう止まりません。
前回同様、コーヒーショップに入り、話に夢中になります。
私と葵さんは放置されるので、二人で話すことにします。
「ねえねえ葵さん!彼氏できましたか?
葵さんみたいに可愛いかったら男子が放っておかないと思うんだけど…」
「彼氏はいないよ。
私、今、男子と付き合うような状況じゃないから…
詳しくは説明できないんだけど…
いろいろ忙しいし。」
「そうなんだ。うーん、勿体ない。
作る気全然ないんですか?
前にも話したと思うんですけど、兄を紹介しましょうか?兄はカッコいいんですよ。」
「ありがとう。
でも、遠慮しとく。
今は彼氏欲しいと思ってないの。
佳織さんはどうなの?」
「え、私ですか?
私、中学の時は、男の子の付き合うの避けてたんだけど、高校では彼氏作りたい!
兄みたいに背が高い男子と付き合いたいんです!」
「いいよね。背が高い男の子!私も背が高い男の子好き!
男の子とは見上げてお話したい!」
葵さんは、ちょっとうっとりした顔になります。さては、背が高くて好きな人いるなと私は何となく気づきます。
「葵さん、好きな人いるでしょ?
何か誰かの事を考えている顔してましたよ。」
「うそ!
うーん、確かに今ある男の子のこと考えちゃったかも。
でも好きって言うより、憧れの感覚だよ。
恋愛って感じじゃないよ。」
「ふーん、怪しい!」
「それより入学してしばらく経ったけど、
好きな男の子できたの?
彼氏候補みたいな。」
「カッコいい人はいるんですけど、まだ好きな男の子は決めてません。
性格とかまだわかんないし。
秋の文化祭あたりになればターゲット決まるかも。
ただ、夏の間に彼女ができちゃう男の子がいるから油断できないですね。
まあ、それは仕方がないかな?」
「うん、あわてることないよ。
同級生でも、性格、学力、体力把握できるまで半年かかるもん。
そうだね。文化祭で一緒に作業して、初めてこんな性格だったのかって思うかも。」
「やっぱ、そうですよね。
まだ入学したばかりで、みんな他所行きの顔してるかも。特に男の子は。」
「佳織さんは可愛いから、じっくり選んだら?」
「うーん、中学の時からある程度はモテたけから容姿について多少は自信はあるんだけど…
でも…一つだけコンプレックスがあって不安なんです。」
「え?何だろう?」
私は声を潜めて告白します。
「あの、私、胸が小さいんです。
Aカップしかないんです。
お母さんも小さいから、今後も大きくなりそうもなくて…
もし、好きになった男の子が大きいおっぱいが好きだったらどうしよう?」
「そうだね・・・。
そんなこと心配しないでいいと思うよ。
男の子って、そんなに胸の大きさなんて気にしないと思うよ。
確かに、男の子たちは、エッチな会話でおっぱいの話とかよくしてるけど、恋愛感情とは別の話だと思う。
好きになっちゃえば、胸の大きさなんてどうでもよくなるのが男の子だもん。
気にしないで。」
「うわっ、まるで葵さん、男の子の気持ちがわかるみたい!
どうして?
なんか、すごく納得できた。
そうだよね。胸の大きさぐらいで、恋愛感情は左右されないよね。
うん、気にしないことにします。
それにまだ高校1年生だから、大きくなることも期待してみます。」
「よかった。
少しは私のアドバイスがお役に立ったみたいね。
それより、素敵な男の子を見つけてね。
容姿だけの、変な男の子もいるから・・・。」
「わかりました。
私の理想は兄みたいな男子だから、大丈夫です。
兄にも、見てもらいたいし。
ちょっとブラコンかな?」
「いいんじゃない。身近な男子って参考になるよ。
そして、お兄さんなら、たぶん男同士で、直感でいろんなことわかるかもしれないし。」
「そうですよね。
うん、それより、兄にも彼女つくってほしいな。
できれば、葵さんがいいな。」
「また、その話?
高校卒業するころなら、彼氏欲しくなってるかもしれないから、その時に相談するから。」
「え?そんな後だと、彼女できてるかもしれないですよ。」
「それは、それで運命じゃない?私だって、彼氏ができてるかもしれないし。」
「そっか・・・。そうなったら残念。
うーん、こうなったら私が紹介しなくても、兄と葵さんが出会えるように祈ろうかな?」
「ええっ?偶然に会うように?会えたら不思議だよ。」
私と葵さんはその後も、他愛のない恋愛話を続けます。
でも具体的な恋愛の話ではなくて、恋愛の一般論の話ばかりです。
恋に恋する乙女って感じでの会話でした。
葵さん、ホント魅力的。大学に合格するまで恋愛しないって言ってるけど、もったいないなあ。




