117 彩花にカミングアウト
女の子だと思ってたら、男子だったって知ったらびっくりしますよね。
でも、葵の場合は、ホルモン治療が進んでいて、体型も顔も、ほぼ女性という設定ですから、受け入れられると思うんです。
葵です。
私のこと、普通の女の子だと信じている彩花にカミングアウトすることにしました。
「あのさ、私、普通の女の子じゃないんだ。」
「ええっ?どういうこと?」
「とても言いづらいんだけど…
どうしようかな?
かなり驚かせちゃうかも・・
もしかしたら嫌われちゃうかも。」
「え?何?
気になる!
うーん、何だろう?
うーん、わかんない!
教えて!
どんな事実があっても嫌いにならない…
と思う。
ね、教えて!」
「う・・・私、実は・・・
ニューハーフ・・・なの。
生まれた時の性別は男子。
・・・ごめん!今までだましていて。」
「うそ?!
・・・
うそでしょ!
どうみても、女の子だよ。
男の子のかけらもないよ。
まさか!
冗談でしょ?」
「そう思われても仕方ないんだ。
私・・・ホルモン治療で、かなり女性化しちゃったから。
顔も変わったし、おっぱいもちゃんとあるし、お尻大きくなったし、一部を除いて、ほぼ女の子の体なんだ。
でも性転換手術前だから、あそこ、付いてる。
ごめん、気持ち悪いよね。
許して。」
私は頭を下げます。
「まじ?信じられない!
そうだ!
板谷君も知ってるんだよね!」
「もちろん、知ってる。
だって、私男子校の生徒だもん。
板谷君は同じクラスで、同じ演劇部。
ただ、私は女形で、24時間女の子の姿でいるんだ。
おまけにそうやってホルモン治療で女性化しているから、女性扱いされてる。」
「そ、そうなの?
桃花高校って、そんなこと認めてるんだ。
知らなかった。
それから・・・一部って、股間のあそこ?」
「うん、言いたくないけど、あそこ。ただし、ホルモン治療で、もう役にたたなくなってる。
ただ、付いてるって感じ。
3年生の夏休みに手術して、完全に女性の体になるんだ。
戸籍は20才になってから、家庭裁判所に申請して、変える予定。」
「うわ、漫画かドラマの話みたい!
そ、そうなんだ!
どうしよう?理解が追い付かない。
でも、心は女の子なんだよね。」
「うん、治療始めた当初は中途半端だったかもしれないけど、今は完全に女の子の心だよ。
身体も、ほぼ女の子だし。
ただ、温泉とかで、女風呂には入れないけど。
手術してからじゃないと入れない。」
「そ、そうだね!
そりゃ、そうだ。
そっか・・・」
「ごめんね。
私のこと嫌いになっても仕方ないと思う。」
「・・・・・・ちょっと待って・・・
・・・考えさせて・・・」
彩花は目を瞑って、数十秒考え出しました。
うわー、申し訳ない!困ったなー。
やっと目を開けた彩花は言葉を発します。
「・・・うん。
・・・葵はやっぱり素敵な・・・女の子だと思う。
板谷君もきっと、女の子として好きになろうとしているんじゃないかな?
無意識に。
だって、葵、可愛いもん。
BLとかホモとかじゃない。女の子として好きになろうとしていると思う。」
そう言いながら、彩花はいきなり私に近づき、私を抱き寄せて強く抱きしめます。
「うん、いい匂いするし、身体柔らかいし、おっぱいもある。」
なんと、彩花は私の胸をモミモミと揉んじゃいました。
私は呆気に取られます。
「葵は女の子だよ。それもとびっきり可愛い女の子。
お願い、私の親友になって!」
「こんな私でも、女の子って認めてくれるの?
いいの?」
「もちろん!
それから、板谷君との恋は応援するよ。
絶対、二人はお似合い。
断言する。」
「うーん、私は恋愛感情は今封印してるんだ。
だって、手術が終わるまで、中途半端な体なんだもん。
手術を終えて、大学受験終わったら、恋愛に向き合うかもしれない・・・
相手は板谷君かどうかわからないけど・・・
その時は相談に乗ってほしい。」
「うん、任せて。
やったー。私に可愛い親友ができた。
うれしいっ。
手術終わったら、一緒にお風呂入ろうね。
身体を全部チェックさせてほしい。
親友なんだもん。」
「ええっ?それって恥ずかしいかも。」
「いいでしょ?けちけちしない!」
彩花は私を再びきつく抱きしめます。
何か嬉しくなった私も、彩花を抱きしめます。
由奈や祐希も親友かもしれないけど、彩花との関係は何か特別な感じがする。
私のことを本当に同性として好きになってくれてる感じが嬉しい。
これから長い付き合いになりそう。
よかった、カミングアウトして。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彩花です。
家に遊びに来てくれた葵は帰りました。
駅まで送っていって、改札口に入る前に、またハグしちゃった。
ふふふ、私って、レズじゃないけど、葵を抱きしめる癖がついちゃったみたい。
葵も照れてたけど、そんなに嫌がってなかった。
これからもいっぱい抱きしめよう。
それにしても、衝撃のカミングアウトだったなー。
私の知っている女の子の中で、一番可愛くて、女の子っぽい葵が、まさかニューハーフなんて!
冗談だと思ったけど、説明を聴いて、なるほどと思った。
あの板谷君との関係が進展しないのも納得できたよ。
もし、両想いだとしても、そう簡単には進展しないよねー。
そういう事情なら。
二人とも、恋愛感情を封印してるんだろうなー。
でも、素敵な組み合わせだと思う。
葵が性転換手術を終えたら、気持ちに素直になってほしい。
戸籍も変えたら、完璧に素直になれると思うけど。
後は家族の関係かな?
これだけはデリケートな問題だけど・・・。
それにしても、葵と親友になれてよかった。
やっぱり二人っきりになって、近くでお話したけど、性格も顔も体型もみんな可愛いんだもん。
すごく癒された。
おっぱいやお尻触っちゃったけど、完全に女の子だよ。
ふふふ、これからも触っちゃおう。
反応も可愛いし。
うん、本当に可愛いくて一緒にいると楽しい。
まだ治療の途中みたいだから、もっと可愛くなるんだろうな。
私が一番の親友になれるようがんばろう。
板谷君とうまくカップルになれるように応援もするぞー。
そういえば、今日は庄司君との付き合いでの愚痴もいっぱい聴いてもらった。
やっぱり、愚痴を聴いてくれる女の子がいるとすごく助かる。
葵って、愚痴を聴くのも上手いよ。
思った通り。
いろいろと相談も乗ってくれたし嬉しかった。
これで、庄司君に不満をぶちまけなくてすむ。
庄司君も私にいっぱい不満を持ってるだろうし、下手にぶちまけたら、大喧嘩だよ。
口に出さないほうがいいこともあるかな。
男子の気持ちもわかる葵は貴重な存在。
うーん、素敵な親友ができて本当に良かった。
これからもいっぱい相談に乗ってもらおう。
やっぱり、おっぱいがあれば、女の子同士って感じになれるのかな?
後は、下半身の方を作り変えて、お風呂に一緒に入れれば、オッケーということで・・・




