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111 2年生になりました。新入生が入部。

全国大会に出場決定なんてことになったら、人は集まるでしょうね。

やっぱり実績は大切ってことですね。

葵です。

4月になりました。ついに2年生です。


新入生歓迎会のあと、演劇部に新入生が入ってきました。

(今年の新入生歓迎会の劇は全国大会に使う劇の一部だけ紹介する感じでやりました。)


ただし、今年は女形専任役者「姫」のスカウトはありません。

来年の4月に私が引退する予定なので、その時にスカウトすることになっています。

ていうか、その前の入学試験の段階で決めちゃう感じかも。

私がそうだったから・・・


それにしても、全国大会出場決定した効果は大きかったです。

基本的にスカウト主体の新入部員募集なんですが、今年は入りたいという新入生が多くて、対応に困ってしまいました。

結局、選抜試験みたいなものをやらざるを得なかったのは心苦しい限りです。


全国大会まで3年生が残ることになったので、部長は引き続き、早坂康太先輩です。

副部長も小森智先輩で変動なし。私たち新2年生は、部の運営上の責任者にならなくてすみました。全国大会の後、新体制です。


新入部員は私に、興味津々です。


「小出先輩、キレイですね。ほんとの女の子にしか見えません。

最初『姫制度』って知らなかったから、女子校の部員が遊びにきてるのかと思いました。

その胸、気になるなあ。何をいれてるんですか?シリコンのパッドですか?」


「小出先輩、何となくいい匂いします。ほんとに男子なんですか?信じられない。

可愛くて、興奮しちゃいます。。」


「小出先輩の髪の毛って、地毛ですか?ずーっと女の子のカッコでいるんですか?

引退したら、男に戻るの大変そうなんですけど。」


という風に、私は質問攻めにあって大変です。


見かねた尾崎君が、

「こりゃしょうがないな。記者会見みたいなことしなきゃいけないな。」

なんて言って、私の正体について発表する時間を設けちゃいました。


仕方ありません。説明しなければわからないでしょうから。

私は新入生を集めて、説明をしました。

私の脇は板谷君と尾崎君が固めます。


「あの、女形専任役者の『姫』をやってる小出葵です。

まず、葵というのは本名です。

親が、徳川の葵の紋が好きだったんです。」


「お、そうなのか?」「知らなかった。」と2年生、3年生から声が飛びます。


「それでね。私、単に女役やってるんじゃなくて、LGBTでもあるんです。

あの、性同一性障害ってやつです。最近は性別違和という呼び方かな?

男に生まれてきたけど、女性の心を持ってて、女性になろうとする人間です。

もっとわかりやすく言えば、ニューハーフ?

胸とかお尻とか、本物です。女性ホルモンを注入して、身体を変えちゃってるんです。

もちろん、髪の毛も伸ばしてます。地毛です。」


「うそ、ニューハーフ?!おっぱい本物なんだ?」

「すごいなー。声も男だってわかんないよ。自然だ!」

「ただの女装じゃなかったんだ。女装だけじゃこんなにきれいになれないもんなー。」

色んな声が飛び交います。


さらに、私は説明を続けました。


「私が男性を好きかどうかって興味あるでしょうけど、女性になろうとしているんだから、当然恋愛対象は男性になると思います。でも、今はお芝居と勉強に夢中で、恋愛はしないようにしています。大学に合格したあと、恋愛を解禁するかもしれません。」


「おお、やっぱり恋愛対象は男子なんだ。

俺、惚れちゃったらどうしよう!」

「うん、これだけきれいだと恋しちゃうかも。」


そこで、尾崎君から追加説明があります。


「一応、小出は心が女なんだから、変な事したら、ペナルティを課すからな。

身体を触ったり、言葉でからかうようなセクハラ行為があれば、最悪退部勧告する。

学校もLGBTを支援する立場にあるから、変なことするなよ。

普通の女子生徒だと思って接してくれ。」


「うわ、厳しいっすね。

確かに、身体触らせてもらおうと思ってたけど、ダメなんですね。」


「ダメだ!そういう発言自体がセクハラだぞ。

言葉に気を付けろ。」

尾崎君、ちょっと怖い感じで、しかりつけます。


新入生は、ちょっと驚いて、みんな黙ってしまいまいした。


これはまずいと思った私は、再び新入生に話しかけます。


「みんな、ごめんね。私みたいな変な部員がいて。

でも、一応、本物の女子みたいに扱ってくれたら嬉しいな。

セクハラみたいなことはやらないでほしいというのは正直な気持ち。

・・・

あ、話変えるけど、私、女子校の演劇部や一般生徒にいっぱい友達いるから、女子校の女の子と友達になりたいときは協力するよ!その時は言ってね。

みんな、女の子と話す機会がないと思ってたでしょ?」


これには新入生食いつきます。とたんに元気が出ます。


「えっ、女子校の女の子と仲良くなれるんですか?俺たち。

男子校、キモイなんて言われませんか?」


「女子高の女の子も男子校の男子と仲良くなりたいと思ってるんだよ。

実際にわが演劇部の男子で、女子校の演劇部の女子と付き合ってる人いるんだから。」


「そうなんですか?

そりゃすごい!俺、男子校に入ったら、3年間女の子と縁がないって思ってました。」

「俺も、そう思ってた。なんか、嬉しくなってきた。」

「俺も俺も。」

「そうだ、女子高の生徒と付き合っている先輩の話聴きたいです。

どなたなんですか?その羨ましい人は。」


演劇部で女子高の生徒と付き合っている生徒は2、3年で複数いますが、2、3年生全員が見つめたのは私と同じ2年生の安藤司君です。

何て言ったって、クリスマスパーティの時の印象が強烈だからです。


「ええっ?俺?・・・俺ですか?」


挙動不審になる安藤君に1年生全員が注目します。


「安藤先輩なんですね。誰と付き合ってるんですか?」

「安藤先輩、どうやって、女子校の女の子をゲットしたんですか?」

「教えてください、ぜひ!」


「おお、そのだな・・・何となく、自然にな・・・仲良くなったんだ・・・」


「おい、安藤、そんなわけないだろ!武勇伝聞かせてやれ!」

3年生が、突っ込みをいれます。


安藤君は、少し、照れながら、

「あのさ、男子演劇部と女子演劇部の合同クリスマスパーティの時に、好きだって

本人に言っちゃったんだ。」


「それも、みんながいる前でな。」

「大きな声で!」

「ありゃ、痺れたな!すごい告白だった。」


「安藤先輩、すごく男らしいんですね。」

「尊敬します。」

「好きな女の子できたら、相談します!」


一年生は告白時の状況を知っているわけではないので、単純に勇気ある告白だったんだなと推測しちゃいます。うーん、確かに凄い告白だったけど、あれは「瓢箪から駒」みたいな告白だったから、誰もができる感じじゃないなあ。

ま、安藤君が後輩に尊敬されるのはいい事かな?

うん。






今週は3連休なので月曜日まで三日間連続更新です。

よろしくです。


葵の名前の由来は、私も初めて知りました・・・なんて(笑)。

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