表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/200

108 男の一部がなくなる

「睾丸摘出手術」について書いてみました。男性として生まれた人間にとっては、いろいろと考えてしまう機会になります。


普通に考えると、玉と竿では竿の方が、存在感があるような気がしますけど、意外に玉も大きく場所を取っているようです。


葵です。


女子校での研修が終わったあと、演劇部では、3年生の卒業に伴う送別会、新入生歓迎会における劇の打ち合わせなどが行われ、ばたばたしているうちに、あっという間に月末がやってきました。


月末には睾丸摘出手術の予約がはいっています。

ついに、男性特有の器官を取ってしまう時が来たのです。


さて、睾丸摘出手術について説明しましょう。


女性をめざす人がする手術ですが、何でするのでしょうか?


それは、睾丸では、男性ホルモンが作られているからです。要は男性らしさを作る源を断つということになるんですね。

ただし、性転換手術の前に行う人と性転換手術の時に一緒に行う人に別れます。


性転換手術の前に行う人は、一刻も早く股間をすっきりさせたいと思う人です。

そして、性転換手術がすぐにできそうもない人が行うケースが多いと推測されます。

性転換手術は大手術ですし、海外でやることが多いし、半年前とか1年前とかの予約が多いですが、

睾丸摘出は日帰り手術もできるんです。お手軽なんです。

そして、ホルモン治療で使用する女性ホルモンの量を減らすことができるんです。敵対するものを減らすんですから当然ですよね。


デメリットとしては、残った性器が縮んでしまって、性転換手術の時に使える皮膚が少なくなる可能性があるってことですね。また、ホルモン治療をしてれば、睾丸の男性ホルモン分泌能力が下がり、取るまでもないという話もあります。


皮膚が不足するデメリットについては、他の部分からもってくるという方法もあるので対策はあります。


私は、いろいろ考えて、先に睾丸摘出をすることを選択しました。


男の一部を一刻も早くなくしたい・・・そんな気持ちが強かったのかな?


そして、当日、家族の付き添いで、ある病院で、私は手術を決行しました。

決行なんて、大げさかもしれないけど、気分的にはそうだったんです。


手術自体は1時間くらい?麻酔をしているので、あっという間に終わってしまいました。

家族も、呆気にとられて、コメントしました。


父は「あっという間だったな。女になるというより、男でなくなる手術だけど、それだけなら、かなり簡単なんだ。」


母は「まあ!だめよ。そんなこと言っちゃ。

前立腺がんの治療ですることもあるって聞いたから、普通の男性にもある話だよ。

男でなくなる手術なんて言っちゃだめじゃない。

もしかしたら、あなたも取る時が来るかもしれないよ。」


「そ、そうか!うん、気をつける。」と父は素直に謝ります。


姉の柚は

「これで、男らしさの元とはおさらばね。

うん、下着がしっくりしそう。」とかニヤニヤしています。

確かに、そうなんだけど、姉に言われるとちょっと恥ずかしい。


その日は帰って、安静にします。

翌日もほぼ寝たきり。ちょっと痛みがあって、何もする気がしません。

でも、その次の日は痛みが消えました。

うーん、気分爽快。

包帯のテーピングを外します。テーピングをしたところがちょっと痒かったけど、大丈夫。

うん、うまくいったみたい。


結局、学校と部活、バイトは3日間休んだだけ。


その後は通常営業です。


それにしても、股間が軽くなった感じで実に不思議。


その、玉はなくなっても棒が残ってるから、どうかな?って思ってたんだけど、

全然違う。


棒は大きくなることがないから、存在感はほとんどないんです。


やっぱり玉の存在感の喪失はすごい。ほんと、股間すっきりって感じ?

パンツを履いたときに邪魔になっていたものが見事になくなりました。

それだけ股間のところで面積というか容積を取っていたんだなって改めて実感します。


それで・・・

何故か、この不思議な感覚を誰かに聴いてもらいたくなります。


家族には話しちゃったから、友達に・・・


最初は由奈と祐希に電話して説明しようと思ったけど、やめました。


だって、女の子には、玉がある感覚ってわからないから、話しても面白くなさそう。


それで、電話したのは、やっぱり板谷君。

尾崎君だとからかわれそうだしね。

電話にしたのは他の人に聞かれてたくないから。

睾丸摘出については演劇部のカミングアウトの時に説明をした記憶があるけど、みんな性転換手術と一緒になっちゃってるんじゃないかな?

だから、睾丸摘出手術については、特に発表しないって決めました。

どうせ、表面上はわからないしね。


電話をすると、数コールで板谷君が出ます。


「ごめんなさい。夜くつろいでるところに。」


「別にいいよ。何かあったか?」


「あのさ・・・実はちょっと前に、玉ぬき手術やっちゃった。」


「えっ、・・・あの睾丸摘出手術ってやつ?

うわっ、すげえな。

そういえば、性転換手術の前にやるって言ってたっけ?

簡単にできるんだな。」


「誰かに言いたくってさ。

女友達に話しても、あんまり衝撃度は薄そうで。」


「そうだな。男が聴くとちょっとショッキングだ。

玉の重要性と存在感は男しかわからないからなー。

俺たちに女のおっぱいの存在感がわからないのと同じだな。

まあ、小出はわかるようになっちゃったけど。」


「でね。やっぱり、タマタマって、あらためてすごいなって思ったの。」


「ふーん、例えばどういう風に。」


「なくなってわかったんだけど、座った時、股間がすごくスースーするっていうか、軽くなっちゃた。

まあ、性転換手術のために袋は残してあるんだけど、おもしみたいなものがなくなって、変な感じ。」


「うわっ、リアルだな。そりゃ、女の子に話してもわかんないな。

たぶん、ふーんってい言われるだけだ。」


「でね、板谷君たち普通の男性にはタマタマを大事にしてほしいなって言いたくなって。」


「ははは、そりゃどーも!

まさに、なくなってわかる別れた友達みたいなもんだな。

そっか、俺たち男にとっては当たり前にあるものだけど、けっこう体の重しみたいな感じで下半身を支えているものかもな。」


「そうそう、そんな話がしたかった。」


「となると、小出としては今中途半端な感じだから、一刻も性転換手術したいだろ?」


「そうだけど、我慢する。とにかく、3年春までの部活と受験勉強完璧にしなきゃ。

今、バイトやってるけど、終わったら大学合格までバイトなんてしないよ。」


「俺も受験勉強がんばらなきゃな。俺も3年の春で引退するつもりだから、時間はあると思うけど、

俺、小出ほど成績よくないから。

推薦は無理だと思ってる。春の受験で勝負だ。」


「そう?できれば一緒の大学行って、一緒に演劇やろうよ。」


「ははは、先の話だな。まあ、俺が小出の入る大学に入れたらいいけど。先に推薦で受かったら勉強教えてくれ。」


「うん、わかった。」


私は、はるか先のことを考えて、ちょっとほっこりしました。



睾丸摘出って、前立腺の病気でも実施するケースがあるようですね。色々調べてたらわかりました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ