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104 バイト仲間

翔です。


どうも、お店の女子バイト連中には完全に葵の彼氏と認識されちゃったみたいだ。


葵が俺のことをそういう風に言うわけないから、最初にオーダーをとった倉崎さんの早とちりが原因だと思う。

まあ、彼氏と思われても特に実害はない。

あの女の子たちは違う学校で、知り合いじゃないんだから。

むしろ、目の前でニヤニヤしている三島と庄司が妙に盛り上がってるのが気になる。


「そっか、友達の関係でずるずる来てるんだな?

早く、彼女にしちゃえよ。あんな可愛い子、そんなにいないぞ。」


「うん、感じいいじゃない。

何で、付き合わないの?友達関係が居心地よかったりして?」


「えっ?うーん、ちょっといろんな事情があるんだ。

それ以上追及しないでくれ。

そのうちわかるだろう。」


俺は、そのうち、葵の正体をばらすときが来ると考えた。

でも、今はばらしたくない。


「ふーん、そうなんだ。」

「じゃあ、仕方ないわね。でも、私、葵ちゃんと仲良くなるけど、いい?」


「それは、かまわないよ。」

「よーし、仲良くなって、二人の関係を探っちゃおう!」


うーん、二人が仲良くなれば、葵は嘘つけないから正体ばらすな。

それはやむを得ない。

男だってわかれば、俺との関係について変なお節介は焼かないだろうな。


う、そうでもないか?葵、性転換するんだった。

女性の体になるんだからいいんじゃない?って言ったりして・・・

まあ、なるようになるさ。ほおっておこう。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


葵です。

板谷君たちが帰った後、私は、女子大生バイトの島村さん、女子高生バイトの斎藤さんと倉崎さんから、からかわれっぱなしです。

彼氏がいていいなー!みたいな感じです。


「ずるーい!私たち本物の女性を差し置いて、なんであんないい男と付き合ってるの?私なんか、大学になっても全然いい男と出会えないのに。」

島村さんに至っては、ちょっと嫉妬がはいった言い方です。


「あの、彼氏なんかじゃないですから、誤解しないでください。

単なる友達です。向こうも私のことを男だと思ってます。」


「本当?でも、怪しいなア~。葵ちゃん、可愛いから、絶対惚れられてると思うけどなあ!

その気になれば、恋人関係でしょ?いいなー。」


「ふふふ、島村さん、そんなこと言ってると、あの人来ますよ!」

「そうそう、そろそろ来る時間かな?」

斎藤さん、倉崎さんから、変なコメントが出ます。

私が???と思ってると、女子高生バイト二人の予言があたりました。。


お店に、大学生っぽい男性がはいってきます。

背が高いけど、まじめっぽくて、地味な印象。黒縁のメガネをかけています。


「やっぱり来た!成沢なりさわさんだ!

あの人、絶対島村さんの事好きですよ。

たぶん島村さんのおっぱいに惚れてるんですよ!!」

「うん、間違いないと思う。島村さんがバイト入っている時は必ず来るもんね。

一途って感じがする。

でも、気が弱そうだけど。」


「変な事言わないで!

あ、あいつはただの幼馴染み!

壮太そうたは家が近所で、小学校から高校まで一緒の学校だっただけ!

何で私のバイト先に来るのかな?相当ひまなんだろうな?

もー、恥ずかしいなあ。

よし、私、オーダーとってくるね!」


島村さんはいそいそとオーダーを取りに行きます。

そして、ぞんざいな態度で、成沢壮太さんという大学生に話しかけます。


「また来たの?ひまだなー。

土曜の午後なんだから、女の子とデートとかすればいいのに!

大学に行って、彼女できてないの?

情けないなー。

私も彼氏できてないけど、選んでるだけだからね。

けっこうモテるんだから。

あ、そうそう、

新しいメニューができたから、これがおススメだよ。」


島村さんは徹底的にツンデレです。何気なく、彼氏がいない言い訳をしています。

目が泳いでいるのが可愛い。


「じゃ、それにするよ。

あのさ、華が観に行きたがってたライブのチケット、手にはいったんだ。

一緒に行かない?」

成沢さん、ご機嫌をうかがう感じで、恐る恐る尋ねます。


「えーっ!うそー!手に入ったの?嬉しい!

でも、壮太と一緒にいくのー?うーん、ちょっとなー。

まあ、いいか。このライブを見逃す手はないよね。

一緒に行ってやるよ。」


島村さん、なんだかんだ言って承諾しているし、嬉しそうです。


成沢さんもホッとした顔になります。


オーダーを取り終えて戻ってきた島村さん、


「20才を超えても、幼馴染みの面倒を見るとは思わなかった。

みんなも、腐れ縁には気を付けてね。」


「ぷぷっ、島村さん、照れ隠しでしょ。

成沢さん、別に変な人じゃないし、彼氏としては悪くないと思いますよ。」

「うん、背が高いのはポイント高い。ちょっと地味だけど、優しそうだし。」


「私も、いい人だと思います。眼鏡かけてるからわかりにくいけど、端正な顔立ちだし、

素敵だと思いますよ。」私もついでにコメントしてしまいました。

成沢さんを応援したくなってしまったんです。


「もー。葵ちゃんまでそんなこと言うの?

そりゃ、あいつ、背が高いし、顔も悪くないけど、意気地なしだからなー。

彼氏としては物足りないよ。

男は強そうな感じがいいんじゃない?」


「でも、成沢さんなら、浮気しそうもないですよ。」

「うん、誠実なのは間違いなし。」

「強そうに見えても、不誠実な男性なら、あとでとんでもなく傷つきますよ。

男性は優しいタイプが一番いいと思います。」


「またまた、葵ちゃんまで・・・

本来は男性の葵ちゃんが言うと説得力あるね。

まあ、彼氏にするかは別にして、3人の誉め言葉を参考にして、仲良くしてやるかな。

うん、あいつには高校生バイト3人に感謝するように言っておくよ。」


島村さん、何とか話をまとめようとしてます。

斎藤さん、倉崎さん、そして、私はわかってました。

島村さん、成沢さんの事を好きです。でも、素直になれないみたい。

ツンデレキャラを変えられない感じかな。

でも、成沢さんの努力は少しづつ実っている。よし、応援しよう。



あとで、島村さんのいない時に、斎藤さん、倉崎さんが教えてくれました。

「実は、私たち、成沢さんに島村さんの出勤日と出勤時間を教えてるんだ。

だって、気の毒じゃない。あんなに一生懸命なんだもん。

二人をくっつけないと。」


「なるほど。でも、個人情報は本当は教えちゃだめなんだよ。」


「へへへ、でも、二人の幸せのためならいいんじゃない?」

「素直じゃない先輩を素直にさせるのは苦労するんだから。」


二人は、ニコニコ笑って、正当化します。まあ、いいかな?そう思ってたら・・・


「葵ちゃんと板谷君?も素直じゃない気がする。

素直にさせるために何かしようかな?」

「うん、そうだね。」


「えっ、ちょっと待って、私たちは違うから・・・ちょっと、変な事しないで!」


思わず焦ってしまう私をおもしろそうな顔で見る二人でした。



何とか100話を超えて連載してますが、だんだん苦しくなってきます。

やっぱり物語を書き続けるって、大変ですね。

高校生の気分になって話を考えるのも苦労してます。

何とか葵が性転換して、卒業して、恋を成就させるまで頑張ろうとは思っています。

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