表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/200

100 琴美さんの人生設計

目標の100話達成です!

ここから先はちょっと大変かも。

ネタも尽きてきているので、更新が遅くなる時が来るかもしれませんが、ちゃんと終わらせたいとは思っていますので、よろしくね。

葵です。

アイドルの白石琴美さんが、我が家に来ています。

でも、しゃべってみると普通のお姉さん。

最初はすごくキレイな人だなって、緊張してたけど、だんだん身近に感じてきました。

ファッションの知識もすごくて、洋服とかメイクとか髪型の話についていろいろ教わっちゃいました。

さすが、芸能人!

きれいになるための技がすごい!

私もキレイになれるかも!


「琴美さん、元気そうですけど、復帰はいつなんですか?」

私は、姉と冗談を言い合いながら、笑い転げている琴美さんに、何も考えずに復帰が近そうだと考えて質問してしまいます。


「ははは、やっぱ興味あるよね?

実はね・・・

秘密だよ。誰にも言わないでね。

週刊誌とかに嗅ぎつかれたら、面倒だから・・・

柚には話してあるけど・・・

もう、引退しちゃうんだ。


「は?うそ!あんなに人気あるのに?」


「驚かせてごめん。

実はモデルとアイドルに飽きちゃって、辞めるの。

昨年の初めから決めてて、事務所とはいろいろあったんだけど、わがままを通してもらって昨年の夏ごろには事務所も認めてくれた。

体調が悪くて、倒れたのは事実だよ。でも、昨年の暮れまでには休業して、フェイドアウトするよう引退するという段取りは決まってたから、そのまま休業に入っちゃったんだ。

引退は、そのうち発表するつもり。


「ええっ?引退しちゃってどうするんですか?」


「受験するの。お姉さんと同じ大学を受けるんだ。ガチで試験を受ける。

2月だから、もう直前!今日は息抜きなの。ちょっとした気分転換で家を抜けてきたんだ。

まあ、猛勉強してきたから、自信はあるよ。

20才だから、二浪みたいでちょっと恥ずかしいんだけどね。

女の子としてはちょっと勇気あるでしょ?

ここ2年間、こっそり勉強してたんだよ。2年前から大学を受けようと決心してたんだ。」


「あの、そのー、AO入試じゃないんですか?

よく、芸能人枠みたいな感じで、有名大学に推薦で入学するってパターンあるけど・・・」


「それじゃないんだ。

普通に、一般の学生のように受験する。

ちゃんとペーパー試験受けるよ。

苦労したかったんだ!ちょっとMかもしれないけど。

だから落ちる可能性もある。

落ちたら三浪しよっかな?

まあ、大丈夫だとは思うけど。」


「何で、そこまでして、大学に入るんですか?」


「私、地に足がついた仕事したいの。

アイドル、モデルも立派な仕事だけど、どうも浮き沈みのある仕事は性に合わないんだ。

実は報道の仕事に興味があって、テレビ局とか新聞社とかの社員になるってこと考えてるんだ。」


「もしかして、女子アナになろうとしてるんですか?」


「ははは、鋭いね。

それも、考えている・・・かな?まあ、なれるかどうかわからないけどね。

大学の研究室みたいなところも興味あるよ。

現代の社会問題とかを分析して、社会に提言できるような仕事したいんだ。」


「す、すごい!」


そこで姉の柚が会話に入ってきます。


「驚いたでしょ?

琴美、私の大学に入ってくるつもりだから、私の後輩になるつもりなの。

私も、女子アナを狙ってるから、比較されそう!

琴美が入学してきたら、私、自信喪失しちゃうかも。」


「あら、迷惑?

私が、報道か、社会問題に取り組む研究者になりたいって話は前からしてるじゃない。」


「迷惑じゃないけど、琴美みたいな美人がそばにいると、私が霞んじゃうよ。

ちょっと心配なんだ。」


「大丈夫大丈夫。おっぱいは柚の方が全然大きいもん!

おっぱいの存在感は絶大。

柚には別のファンがつくよ。」


「もうーっ!私を褒めるときはいつも胸のことばっかり!

まるで、私の取り柄は胸だけみたい!」


「でも、胸が大きいのは事実でしょ?私に対して、優越感あるでしょ?私、貧乳だもん!」


「そりゃ、そうだけどさ・・・」


ちょっと不満そうな姉。喧嘩になってほしくないな。

私が姉に助け船を出します。


「お姉ちゃんも美人だよ!

私、憧れてるもん。

琴美さんは芸能人だから、ちょっと雰囲気が違って、別次元。

一般レベルだと、お姉ちゃんのほうがモテるかも。」


「葵、ありがとう。

そう言ってくれると、安心できるかも。

確かに、琴美はきれいすぎちゃって、男が近寄りがたい感じだもんね。

私とはキャラが違うから、別に問題ないかな?

うん、琴美。同じ大学に入るの許すよ。」


「うっ、姉妹愛に負けた気がする。

芸能人って容姿が売り物だけど、だからと言って幸せとは言えないからねー。

芸能人の恋愛って実は難しいし、週刊誌がうるさいし。」


琴美さんは、恋愛する気になれないって感じでした。

まあ、アイドルやってたから、恋愛禁止を事務所に言われてたのでしょうけど。


いつのまにか姉と琴美さんは、いつも通り普通の会話に戻ります。

よかった。二人は仲良しでいてほしいもん。



「で、葵ちゃん、あなたの人生設計はどうなの?」

油断してたら、琴美さんから、突然質問がやってきました。


「えっ?突然ですね!」


「もしかしたら、女性に性転換することが目的になってやしないかと心配になったの。

以前、お仕事で一緒になったニューハーフさんが、よく言ってたんだ。

女性になることが目的になっていて、その後の人生設計がしっかりできていないニューハーフは苦労するって。

身体の改造と男性との恋愛やセックスだけを考えている人もいるみたい。」


「確かにそういう人もいるでしょうね。

女性の体を手に入れたらバラ色みたいに考えている人、いそうです。

でも、私、ちゃんと考えています。

私、高校の教師になろうと思っています。

これから増えていくLGBT、特に私のように性別を乗り越えて行こうと考えている若者の支援が出来ればいいな?って思っています。

大学でも、演劇はするつもりですけど、ちゃんと教員免許を取るつもりです。」


「そうなんだ!しっかりしてるのね。

感心、感心。

心配する必要、なかったわね。

明確な目標あれば、まっすぐ歩いていけるもんね。

葵ちゃんならいい先生になれるよ!

性転換した元男性の女性教師なんて、素敵!

自分が体験してるのって絶対強みになるよね。

LGBTの子、殺到するんじゃない?相談に乗ってほしくて。

そんな先生ほかにいないもんね!」


いや、私の担任、そうなんですけど・・・

ずばり元男性なんですけど・・・

と心の中でつぶやく私でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ