1 名門男子校に入学
普通の男子高校生が女の子になっていく様子を描いていきたいと思っています。
そして、ちょっとした恋愛模様もありって感じです。どうなるか作者自身もわかっていません。
書いていくうちに、登場人物が動きだすと思ってます。
俺は、小出葵。
高校に入学したばかりの男子だ。
葵という名前はちょっと女の子っぽいけど、男でも通用する名前だと自分で思ってる。
徳川の家紋も葵だ。
漢字だと男らしさもあるように感じる。
実際、ネットで調べたら、
葵君という男子はけっこう存在した。
うーん、現代の名前はやっぱり自由だ。
入学した学校は私立桃花高校。男子校だ。
実は、父親の母校でもある。
桃花高校はユニークな教育を
実施していると言うことで父親の
オススメの学校だった。
芸能人、作家、政治家、芸術家等有名人をたくさん輩出しているらしい。
勉強以外のスポーツや芸術等さまざまな分野に力を入れており、中学時代、何も部活に入らなかった俺にも合うものがあるはずということだった。
正直言って、俺の学力では厳しいと思ったんだが、面接試験が良かったようだ。
この高校は面接試験も重視していてラッキーだった。
型にとらわれない個性的な生徒を
求めるとは入学案内に書いてあったけど。
俺の個性って言ったら、
背がちっちゃくて、華奢で
目が大きくて女の子とよく間違われる
容姿ってことくらいか?
他人に指摘されるとちょっと恥ずかしくなって嫌がる俺だけど、実はちょっと嬉しい。
俺は可愛いものが好きだし、可愛い女の子が好きだ。女の子に生まれてきたかったって思うほどだ。
でも、そんなの役に立ちそうもないな。
何が評価されたんだろう?
ちなみに、俺の母と大学生の姉は同じ学校法人の女子高である桃花女子高校出身だ。
校舎は男子校から歩いて15分くらいで着くところにあり、近い。
我が家は全員、同じ学校法人にお世話になっているという事になる。
さて、入学したのはいいけど、
部活どうしよう?
家族には何か部活やれって言われたけど。
両親はスポーツ系の部活だった。
姉は、ファッションデザイン系の部活だった
さて俺はどうするかだ。
入学式の翌日、登校して最初の時間は担任教師によるガイダンスとなった。
まあ、学校案内だ。
そこで、驚かされたのは、担任が20代後半のすごく色っぽい女性だったことだ。
レディススーツに身をつつみ、ロングヘアが決まっているその人は仕事のできる
キャリアウーマンといった印象。
細身でスタイルがいい。
かつ高身長だ。
ヒールを履いているから、175センチほどありそう!
胸は小さそうだけど。まあ、とてつもなくいい女って感じ。
まさか、男子校にこんな女性教諭がいるとは。
そんでもって、俺の担任になるとは。
名前は山野秋葉。
ああっ、この人、面接の時の5人の面接官の一番端っこに座ってた人だ。
一人だけきれいな女性がいるから、女子事務員だと思ってた。
「みんないいっ?
部活にはみんな入ってね。
この学校にはいろんなタイプの部活があるの。
デフォルトの運動部だけでなく、文化部もあらゆる種類があるよ。
それこそ、アイドル研究部から、ラーメン研究部、ハッカー研究部みたいなものまである。ドローン操縦部、投資研究部もあるしね。
それから、ウチの姉妹校の桃花女子と共通する部活だと、女子校との共同活動だってあるよ。
とにかく、どこかに入って。
合わなければ、変えればいいんだから。
自分の個性を伸ばす。それがあなたたちの高校時代のテーマなの。
好きなことに青春をぶつけてほしい。
よろしくね。」
そこで、何を思ったか、おチャラけた生徒が先生に突然質問した。
「先生、わかりました。何かの部活に入ります。
ところで、先生は彼氏いるんですか?」
「おおっ!」と教室が盛り上がる。みんなが気になっていたことだ。
「ふふふ。私のこと気になる?私は結婚してるよ。
人のものだからね。ごめんなさい。」
「ええーっ!奥さんなの?」悲鳴のような声があがった。
「女性に興味を持つのは当然だと思うよ。
だったら、女子高が近くにあるんだから、
積極的にアタックしようよ。
可愛い子いっぱいいるよー。
何て言ったって制服可愛いからね。」
「おお、そうだ。ウチの女子高って、制服がミニスカでえらく可愛いんだった。
よし、ガンバルか?」
「そのためには共通するテーマの部活がいいよな?」
おおっ、結局、みんな先生の口車に乗せられている。
そうだな、男子校で、女の子との出会いなんてみんなあきらめているところに
こんなこと言われたら、ちょっとその気になる。
俺も、その線で部活選ぶかな。
そして、昼休みになり、俺は席が近かった同級生数人とどこの部活に入るか、相談してたが、
なかなか、いい案がうかばない。
「俺、トイレ行ってくる。」急に小便がしたくなった俺は、トイレに行くために、相談の輪から抜け出す。
トイレから出てくると、廊下で、担任の山野先生と出会った。
157センチの小さい俺は見上げてしまった。やっぱ背が高い。
「あら、小出君。ちょうどよかった。あのさ、あなたに用事があったの。今日、放課後、私のトコロに来てくれる?職員室に入って、私の名前呼んでね。明日でいいかなと思ったけど、今日話をするよ。
じゃ、よろしくね。」
「は、はいっ。」
もう、俺の顔と名前覚えているのか?
すげえ教師だな。
さて、何かしでかしたかな?と不安になった。
でも、記憶にない。
山野先生と話をするネタなんてあるか?
今日、初めて会ったんだぜ。
中学のときのことか?
でも、中学の時って目立つようなことしてないし。
うーん、わからん。
放課後、仲良くなったやつらは、いろいろ部活を覗いて帰ると言ってったので、
「俺は用事ができた。一緒に行けないから、後で情報を教えてくれ。
と頼み、俺は職員室に向かう。
職員室に行き、山野先生の名前を呼ぶと、先生がでてきて、生徒相談室に連れていかれた。
「先生、何ですか?なんか問題でもありましたか?」
「問題はないよ。
実は君をスカウトするために、呼んだんだ。私が顧問を務めている演劇部に入ってもらおうと思ってね。」
「え、演劇部?
先生、演劇部の顧問だったんですか?
えーっと、お芝居やる部活ですよね。
えーっ、けっこう大変そう。
中学の時に演劇部見たけど、発声練習とかマメにやってたなあ。
道具をつくったり、衣装作ったりも手間がかかりそうだなあ。
俺には無理そうだなあ。
っていうか、なんで俺がスカウトされるんですか?」
「きみは、うちの演劇部に必要な人材なんだ。入学前から目を付けていた。
それに、うちの演劇部は女子高の演劇部と仲いいぞ。女子高の女の子と仲良くなるには
もっともいい部活だ。
これは、他の生徒には内緒だけどね。」
色気はあるが、男勝りの迫力の山野先生。
脅されるのかと思ったら、甘い誘惑をしてきた。
(女の子と仲良くなれそう?なら、ありかも。
外のやつには黙っていよう。
ライバルは少ない方がいい。)
「女の子と本当に仲良くなれるんですか?」
「保証はしないが、機会はある。
何て言ったって、女子高の演劇部の顧問の女子教諭は私の友人だ。同い年なんだ。
あと、女の子と仲良くなれそうな部活なら、生徒が殺到しそうだと思ったろ?
でも、それはない。
うちの演劇部は基本的に、スカウトだけで、部員を集めている。広く募集してないんだ。
スカウトは私と上級生がやっている。
ええっ?そんなのあり?
だって、芝居がやりたい生徒もいるでしょ?
「まあ、どうしてもやりたいという骨のあるヤツは入部させてやってる。
根性ありそうな奴だけね。」
「うわぁ、厳しそう!
それで、何で、俺がお眼鏡にかなったんですか?」
「ふふふ、明日、演劇部の部室に来なさい。教えてあげるから。
それから、君を演劇部にスカウトする話は、君のご両親もお姉さんも知ってる。
協力してもらうことなっている。」
「ええっ、どうしてですか?」
山野先生はその質問には答えてくれなかった。
後でわかると言うのみだった。
基本的に毎週末に1話更新したいと思います。
あわてて、更新すると、手直しが大変なので・・・
成り行きで変わるかもしれません。
読んでいただければ幸いです。