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73 先行ドロップの話


 レンブンたちと別れてから食料を補給する。あとで生産部屋を使うためだ。


 その前に何かないかと街中をブラブラしていたら、家を建築していた現場に出くわした。なんでも異方人の人にヒントを貰って「長屋」という集合住宅を建てるらしい。


 おい、時代劇に嵌まっている奴! なんちゅー中途半端な情報を話してんだよ! 畳の知識を誰も持ってないから床が板張りになっただろーが。

 え、なんでそんなとこまで知ってるのかって?


 建築現場の責任者に拉致られたからだよ。「よし、お前素質ありそうだな。暇なら手伝って行け」とか言われてな。【大工】スキルあって良かった。

 いや、スキルがあったから目を付けられたのか?


 高いところに柱を上げるのにシラヒメまじ便利。アレキサンダーとグリースが頭に木材を乗せて運んだりと、ペット大活躍。

 あと冒険者ギルドに手伝い募集出したけど、受けた者が少なすぎたから俺が巻き込まれたというのが判明した。手伝いの報酬は5000Gだったけど、高いんだか安いんだかわからん。


 その責任者のおっちゃんからの紹介で次に向かったのは、何かの倉庫が連なっていた場所。

 荷運びかと思ったら蔦を壁から剥がすお仕事である。


 今度はグリースとアレキサンダーが大活躍だ。グリースが睨みつければ蔦がぐしゅぐしゅと崩れていく。それをアレキサンダーがむにむにと食べていくという、ゴミ出さない活動ここに極まれり。

 現場の人にいたく感謝され、報酬にミカン箱サイズの宝箱をもらった。


「……あれ?」


 入っていたのは調味料セット。

 サラダ油にゴマ油にみりんに醤油と味噌、塩と胡椒とソース。お歳暮かい!


 だが待望の味噌が手に入ったぞ。これでぼたん鍋が作れ……、あ、土鍋がねーや。味噌焼きくらいしか駄目だ。


 商業ギルドで生産部屋借りて料理をしようと思う。

 ヘーロンのギルド自体が小さいので、部屋の使用は1人3時間までだそうな。


 生憎と使用中だったらしく、順番待ちに30分程度掛かるそうだ。

 中だと座れる程のスペースは無く、仕方ないので外で時間を潰すことにした。順番待ちの札を渡されたので、30分以上経っても俺が使えることになっている。


 リンルフ肉を生で食べるのはシラヒメとアレキサンダー。

 グリースは焼いた方を選んだので魔導コンロで炙ったのを与えてみる。結局シラヒメとアレキサンダーも炙り肉を欲しがったので、薄くスライスしたのを与えることに。


 通りの邪魔にならない所でペットと戯れていると、白髭を垂らしたお爺さんに声を掛けられた。


「そこの若いの」

「はい。何か用ですか?」


 お爺さんはずかずかと近寄って来ると、何故かシラヒメをじっと見つめた。髭を弄りながら「ふむ」と呟いてから俺の方に向き直る。


「この魔物はオヌシのペットか?」

「はい。シラヒメに何かありましたか?」

「そやつの糸を譲って貰うことは可能かの?」


 糸が欲しい人かあ。俺はアラクネさんから貰った糸束をお爺さんに見せてみた。


「一応こっちが成体の方から貰った糸ですけど、こちらでも大丈夫ですか?」


 お爺さんは糸束を受け取ると太さをみるように、指先で摘まんだりしていた。しばらくすると確認が終わったのか返却された。


「これでは少し高級過ぎるな。そっちの糸を見せてくれんか」


 お爺さんと俺を交互に見ていたシラヒメに頷く。

 彼女は俺が差し出した串に器用に糸を巻き始めた。ある程度の束になったところでお爺さんから「そのくらいで良いぞ」とストップがかかる。


 シラヒメが糸串を差し出すと、目尻を下げたお爺さんが嬉しそうにそれを受け取った。


「礼をせねばならんな。若いの、幾らだ?」


 シラヒメに「お礼をくれるってさ」と尋ねる。彼女は体を振るようにしていらないことを表す。それをお爺さんに告げた。


「今時珍しい若者だの。それならこれだけでも貰ってくれんか」

「ありがたく頂きます」


 貰ったものはコインである。

 よしこれで2枚揃ったから北の街に行けるぞ。お爺さんは何度も頭を下げて去っていった。あのお爺さんは何の偉い人だったのやら。


 待ち時間は過ぎてたようなのでギルド内へ移動する。

 食材はあるし調味料もあるんで、色々料理を作るべえ。さすがにインベントリの空きの問題があるんで数種類を大量にとなりそうだなあ。



 本日までのステータス

 名前:ナナシ

 種族:人間

 職業:ビギナーLv.13

 SP:6


 所有スキル:

 【格闘Lv.35】【投擲Lv.20】【蹴りLv.10】

 【急所攻撃Lv.22】【カウンターLv.20】

 【闘気】

 【死霊術Lv.8】【生活魔法】

 【観察Lv.25】【気配察知Lv.21】

 【忍び足Lv.5】【軽業Lv.10】

 【水泳】【潜水】【登攀】

 【料理Lv.26】【調合Lv.3】【大工Lv.5】

 【植物知識】【鉱物知識】【アイテム知識】

 【毒耐性】【暗視】

 【解体】


 ユニークスキル:

 【城落としLv.3】


 称号:

 【後先考えぬ者】【スライムの友】【アラクネの友】

 【草を食む者】【料理人】

 【闇を歩む者】【半魚人】

 【ネッツアーの加護】【マルクトの興味】【ゲヴラーの興味】


 ペット

 名前:アレキサンダー

 種族:レッドスライムLv.■


 名前:シラヒメ

 種族:アラクネ(幼体)Lv.12


 名前:グリース

 種族:コカトリス(雛)Lv.3



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