50 強襲イベント継続中の話
祝 50話!
えー、ビギナーレベルが11にアップしました。これでSPが8、スキル取得は後回しで。
今回は幅のありそうな城ということで城砦系をチョイスした。幅が150mというホーンなんとか城を選択したんだけど、城と城を囲む外壁が土地ごと落下してきた。
酷いなあれ。
兵士たちどころかプレイヤーも目を丸くして固まっちゃったんだけど。
壁の上にいたこっちにも爆風と一緒に砂やら小石とか飛んで来たぞ。
街壁の外にひしめきあっている猛獣らも、さすがに危機を感じて逃げるかもしれないと思ったんだがそんなことは無かったな。
全体の4割ぐらいは巻き込んだようで、もの凄い数のドロップ品がインベントリの中にドザーっと流れ込んで来た。バレたらこえーよ。小出しにして売ろうと思う。
前回は5分と経たずに消えたんだけど、今回は10分くらい顕現しとったわ。
【城落とし】もレベル3に上がって、次回使用までが21時間に。
これはあれか、レベルアップごとに使用間隔が短くなって、顕現時間が長くなるという。
レベルを上げていけばサバイバルの拠点として使えるかもな。
出現した時と同じように綺麗さっぱり消えた城に、隣にいたデネボラさんが目をキラキラさせている。
「あれ、入れる?」
「それはやってみたことがないから分からないな」
だって使用したのまだ2回目だし……。
今回、彼女は俺が【城落とし】を使う際にカモフラージュをしてくれた。
申し訳ないと思うがアルヘナからの頼みでもあるらしい。後で何を請求されるかと思うと恐ろしいな。
城が消えたと同時に兵士たちの方で「放てええっ!」という号令とともに大量の矢とか魔法とかが外の獣に飛んでいった。おーおー、壮観だのう。
俺たちの横ではアレキサンダーが柿を投げている。
恐ろしいのは柿にシラヒメが糸をくっ付けて、アレキサンダーが投げたやつを回収しているところだろう。お前らなんで熟年夫婦みたいなことやってんの? 横にいたハイローがびっくりしてんじゃん。
「これ、お前がやらせてんじゃねーの?」
「俺はこんなことを提案した覚えも、やらせようとした記憶もねえよ」
「2匹とも、凄い。私も何か、テイムしようかな」
「デネボラが開祖教に入信しようとしているぞ」
「だからその開祖って言うのやめろ!」
ハイローの軽口を止めようと俺は掴み掛かったが、戦闘職のレベルとしてはあちらが上らしい。
軽々と回避したハイローである。
「「あ」」
まあ狭い街壁の上、鬼ごっこには向いてない。
壁の突起か何かに足を引っ掻けたハイローは真っ逆さまに下へ落ちていった。
「あ、やべー死んだか?」
「彼は攻略組の前衛。しぶといはず」
下を覗きこむと、リンルフか何かを下敷きにしてダメージは軽微で済んだようだ。
ただこっちに腕を振り上げ「テメーナナシ! 後で覚えてろよコノヤロー!」と激おこな様子だ。
そのまま剣を抜くと周囲の猛獣たちを駆逐し始めた。
それに触発されたのか、前衛職と思われる何人かがロープを垂らして外へ降りていく。
「あの強さはさすがと言うべきかねえ」
「遠距離攻撃の、巻添え喰らってるのも、いるけど」
他のプレイヤーに比べればハイローの殲滅能力は段違いだろう。
戦況の優劣を悟ったのか、プレイヤーたちが続々と外へ飛び出ていく。
猛獣たちの数が残り1割くらいに減ったころだろうか。
それが姿を現したのは。
ちょっと短いです。土日だと筆が進まない。
普通は逆なんでしょうが、長年の習慣でこのような(執筆は携帯、編集はPC)ことになっています。
お城については次回。いつも通り詳細は適当です。
だって詳細なデータがネットにないんだもん。
 




