245 称号の効果とクラン結成の話
シェルバサルバは別件の用があるというので、その後すぐ別れた。
満足そうな笑顔が印象的だったが、俺を四天王に組み込めたのがそんなに嬉しかったのかねえ。
【魔王軍四天王】の称号の効果は今のところ魔族領内での行動にプラス補正と、人族領内での侵略行為が可能になるということである。
いや1人でどうやって侵略しろと?
と思ったが、相手領土の土地の魔力を軍団召喚に充てられるようだ。
俺の場合だと【死霊術】でアンデッドを大量に呼び出すことが可能になる。
死霊軍団ということになるなこりゃ。
だからといって住人の知り合いが多い街を侵略しようとは思わないが……。
ああ、前に揉めたリーディアの街ならやっちゃっても?
そういえば砂漠にできた温泉施設中心の街は、プレイヤー主導で作られているらしいから侵略実験にしても構わないかもしれないな。
ただ侵略行為で土地の魔力を大量に使うと、暫くその周辺は草木も生えぬ荒野になってしまうらしい。大地と獣の神マルクトに天罰でも落とされないか心配になるな。
侵略行為のデメリットはプレイヤーとあからさまに敵対すること。悪名がついたりする可能性もあるらしい。
メリットは侵略行為で10人のプレイヤーか住人を倒すとSPを1を取得できるようだ。ビギナー職的には美味しい話だなあ。
でも勝手に侵略行為をやってしまうと魔王のおじさんに迷惑がかかるかもしれん。
事前にきちんと了承を得ないといけないな。ほうれんそうは大事だ。
まあ、そういったことは後日いつか何処かで検証するとして。
シルキーの名前はルレイとした。
例によってピンとくる名前が出てこなかったので、シルキーの「ル」と亡霊の「レイ」をくっ付けての命名である。
名付けしたら当人が感極まって泣き出してしまい、アレキサンダーたちが慰めるという一幕も。微笑ましいのう。
ペットたちで話し合った結果、ルレイはアレキサンダーとグリースとツイナを「お兄様」と呼び、シラヒメとアスミを「お姉様」と呼ぶことになったようだ。
最初は俺と同じくご主人様と呼ぼうとしていたのだが、短時間で納得させた(圧でごり押ししたともいう)アレキサンダーたちの快挙である。
ただ、俺がご主人様なのは天変地異があっても揺るがないそうだ。なんで?
この屋敷の住人となるのは俺たちで4組目なのだそうだ。
前の住人たちは自前でメイドや執事を揃えて、ルレイは邪険に扱われていたらしい。
消えかかっていたところで王妃様がルレイの存在に気付き、前の住人たちは追い出されたとのこと。
それから80年くらいは屋敷に誰も住んでいなかったというから、年齢の観点からいうとルレイが1番上になってもおかしくないんだよな。
兄姉ができてとても幸せそうなので、そこは追求するのはやめておこう。
ルレイのレベルは5で、所持スキルは【管理】【掃除】【料理】だけのようだ。
レベルアップするには屋敷にお世話する人がいればいいらしい。「戦闘では役に立ちませんから」と断言していた。
ルレイの屋敷は奥行きも幅と同じくらいあった。部屋は大小合わせて20室あるそうな。
主人の部屋の他、執務室と寝室。婦人用の部屋や子供部屋などがあった。
他にも使用人の部屋や調理場、浴場、パーティなどができる大広間に氷室の付いた食糧庫(むろん空である)、牢屋の備わった地下室。
多すぎて全部は使いきれんわ!
庭は正面より裏側の方が広く、綺麗な花の咲いている花壇が広がっていた。こっちもルレイが管理するというが、補助ができそうなぬいぐるみを作るべきだろう。
ざっと調べたら観賞用の花の他、薬草なども繁殖していた。
ルレイにそのことを伝えると、次の時までに薬草畑を別に作っておいてくれるそうな。
アレキサンダーたちもそれを手伝うと息巻いていた。
ルレイは俺に主寝室を使うよう勧めて来たが、ツイナやグリースが離れて寝ることを嫌がったため大広間で雑魚寝となった。
ルレイは最初は遠慮していたものの、アレキサンダーとシラヒメに諭されて一緒に就寝することに。ツイナのたてがみに顔を埋めてうっとりしていた。
「とりあえずこれからよろしく頼むなルレイ」
「はい! 末長くよろしくお願いいたします、ご主人様」
ぽよんぽよん。
「ルレイ、よロシクネ」
「コケッケ!」
「がおー!」「メエェ!」
「ちー!」
「一斉に叫ぶなお前ら」
ログアウトする前にクランだけでも登録しておこう。
保留にしてあったところから再開する。
現在地の屋敷をクランハウスに設定し、クラン名を「我が家」とすれば登録完了だ。
魔族領の関係上、人族のギルドとの扉の接続は可能だが、クランメンバー以外の入館は不可。外から街に入らないと、屋敷から外に出ることが出来ない。その代わりここをホームポイントとして設定することが可能となる。
転移先にもなるし、死んでもここで復活できるという訳だな。
クランハウス内(庭も含む)であれば、俺がログアウトしていてもペットたちは自由に行動できるようだ。
これならルレイも寂しくはなかろう。
魔獣屋敷と呼ばれる未来が想像できるようである。
俺がいない間の食糧として、肉類をアレキサンダーにどばっと渡しておく。調味料も一緒に。
料理はルレイにやってもらえな。
俺は就寝と同時にログアウトする。
明日はぬいぐるみ作りをするべきかねえ。デザインはプチ姉にでも頼ろうか。
これまでの主人公のステータス
名前:ナナシ
種族:稀人
職業:ビギナーLv.47
SP:1
所有スキル:
【拳豪Lv.26】【投擲Lv.47】
【蹴撃Lv.45】【片手棍Lv.18】
【致命攻撃】【反射】【闘気】
【体術】【見切り】【威圧】
【腕力強化】【知力強化】【脚力強化Ⅱ】
【魔力強化】【MP増加】【魔法強化】
【死霊術Lv.40】【暗黒術Lv.7】【幻魔法Lv.12】
【水魔法Lv.12】【土魔法Lv.20】
【無属性魔法Lv.15】【空間魔法Lv.1】
【生活魔法】【大地魔術】
【看破Lv.43】【気配察知Lv.61】
【忍び足Lv.16】【軽業Lv.79】【隠れるLv.28】
【水泳】【潜水】【登攀】
【追跡】【鷹目】【牧畜】
【魔力視】【魔力感知】【魔力付与】
【魔力操作】【魔力制御】
【裁縫術】【厨師Lv.2】
【調合Lv.46】【大工Lv.32】
【植物知識】【鉱物知識】【アイテム知識】
【スライム会話】
【劇毒耐性】【苦痛耐性】【睡眠耐性】
【環境耐性】【麻痺耐性】【忍耐】
【闇耐性】【魔耐性】【精神耐性】
【暗視】
【解体】
ユニークスキル:【城落としLv.10】【幸運Ⅱ】
称号:
【後先考えぬ者】【死を垣間見た者】
【草を食む者】【闇を統べる者】
【強奪者】【殲滅者】
【スライムの友】【アラクネの友】
【料理人☆】【半魚人】
【ネッツアーの加護】【マルクトの祝福】【イェソドの加護】
【ゲヴラーの祝福+】【ティーフェレースの加護】
【魔女見習い☆3】【魔王軍四天王】←new
【スフィンクスに認められし者】【魔王の話し相手】
【ミノタウロススレイヤー】【甲殻スレイヤー】
【プラントスレイヤー】【マリンスレイヤー】
ペット
名前:アレキサンダー
種族:エルダーレッドスライムLv.31
【物理攻撃無効】【炎無効】【炎魔法】【形態変化】
【インベントリ】【溶解】【罠発見】
名前:シラヒメ
種族:アラクネLv.31
【糸精製】【糸射出】【かみつき】
【空間機動】【裁縫師】【劇毒】
名前:グリース
種族:コカトリスLv.24
【腐蝕の視線】【腐蝕毒】【腐蝕無効】
【貫通攻撃】【格闘】
名前:ツイナ
種族:キマイラLv.31
【雷魔法】【風魔法】【火魔法】【水魔法】【土魔法】【死霊術】
【かみつき】【飛行】
名前:アスミ
種族:ケツァルコアトルLv.5
【飛行】【水魔法】【風魔法】
名前:ルレイ
種族:シルキーLv.5
【管理】【料理】【掃除】
使い魔
名前:ベウン
種族:クマのぬいぐるみ
【大工】【軽業】【料理】
名前:ボウ
種族:牛のぬいぐるみ
【登攀】【調合】【植物知識】
誤字報告してくださる皆さま、いつもありがとうございます。
ステータスはほぼ変更なしです(称号加わっただけ)。
アニメのブルーレイが届けられたんだけれども、再生する機器が家に無かったというね(苦笑
先の展開の都合上、ギルドハウスの設定を一部変更しました。




