240 染まる話
ボスが倒されて一連のイベントが終わったらしく、貢献度の順位の発表と報酬がプレイヤーに支払われた。
「んで、俺たちで318体も倒してたのか。道理でこの惨状な訳だ」
「ちー」
順位表には俺が一位になったことと、討伐総数が記されている。もらったお金は100万GとSPが10だ。
もちろんこの数はアレキサンダーとグリースとアスミとシラヒメとツイナも倒した総数な訳だが。
周囲に散らばっているアイテムの数がこの惨状を物語っている。
途中からインベントリに入りきらなくなったんだよなあ。
武器防具アクセサリーのスタックが最大12個になったとはいえ、ドロップした数が各150個以上じゃあ手に負えん。
魔石はきっちりと318個出てるし。
急きょ余っている毛皮を繋ぎ合わせて袋を作り、その中に詰めることにした。
アレキサンダーとグリースは俺たちが移動した経路を戻ってアイテムを回収しに行き、俺はアスミと残ってチクチクと針仕事をしている。
ついでにステータスも確認しておくと俺は2レベルアップし、ペットたちは1レベルアップしていた。アスミも漸く5レベルである。
スキルは【拳豪】と【蹴撃】などの近接戦闘スキルと、補助で使っていた【看破】と【軽業】もそこそこ上がっている。
【無属性魔法】も多少上がったから、それに合わせて身体強化の上昇率も10パーセントから15パーセントになっていた。
そして【死霊術】が40レベルになったことにより、ドレインタッチHPやMPが使えるようになっている。
接触しなきゃならないが、近接戦闘を旨とする俺には僥倖だ。
相手からHPとMPを吸収することにより身体強化をぶっ続けで使えて、傷も気にならないとくれば益々継戦能力が高まったと言えよう。
あと倒していたのがスキュラとマーマンウォーリアーだからなのか、【マリンスレイヤー】という称号も生えた。海棲系の魔物に与えるダメージが倍になるやつだ。
「がう!」「メェ!」
「おトウサマ」
「お、ツイナとシラヒメも入ってきたのか」
窮屈そうに姿勢を低くしてツイナとシラヒメもやって来る。
ツイナは翼を体にぴったりとくっ付けて畳み、シラヒメは蜘蛛の巨体を腹這いにさせてだ。
その前をアレキサンダーがぽよぽよと跳ね、グリースが背中に何本かの槍を載せて戻ってきた。尾蛇もその身に何個かの腕輪をくぐらせている。
アレキサンダーがドバッと吐き出した数もそれぞれ40個ずつくらいだったけど。
外でツイナたちが倒した奴らからドロップしたアイテムは、プレイヤーたちが拾っていったらしい。
まあ混戦の中でのドロップ品の占有権を主張するのもどうだと思うが。
むしろ数がありすぎてこれ以上はいらねえ。
かさばる槍の方をアイテムボックス内に収め、水中呼吸の腕輪の方をインベントリと作った袋の中に放り込む。
腕輪の方は確保しといて知り合いに安値で配り、槍の方は商業ギルドにでも売り払えばいいや。
後は貯まっているSPの使い道か。
28もあれば魔法を二系統取れるが、これ以上魔法があっても扱いきれん。
不足している部分を補うか、一点強化に注ぎ込むかのどちらかだろうな。
俺のスキル構成はどちらかといえばほぼ攻撃寄りだ。
ほぼ近接戦闘に限定されるが、武器だって使えない訳じゃない。
【鷹目】の習得で魔法も遠距離まで届くようになった。いざとなったら【城落とし】で広範囲に潰してしまえばいい。
防御面は【後先考えぬ者】の称号の効果で20パーセント上昇されている。
【無属性魔法】の魔力固定で無色透明の壁も作れる。【幻魔法】で相手の攻撃を逸らせてしまうことも可能だ。
さっきみたいにアレキサンダーを鎧みたいに纏うことも出来るしな。
場合によっては【反射】でダメージ倍にして返せる。
【魔女見習い】関連で魔法分野のスキルも充実しているが、逆に魔法をくらったらどうなるのかが不明だ。
あんまり魔法を当てられた記憶がないからなー。
精神に作用する魔法以外なら魔力壁があれば防げるが、それ以外だと耐性と付くスキルを個別に取得する必要がある。
【幻魔法】などの闇属性魔法があれば対抗はできるようだ。
ゾンビやスケルトンに襲われないのはいいとして、他のプレイヤーにその場を目撃されると面倒なことになる。
一応取得出来るスキルリストに【闇耐性】【魔耐性】【精神耐性】【光耐性】から火水地風などの属性が一通り揃っていた。
SP27を使って【闇耐性】と【魔耐性】と【精神耐性】を取得する。
とりあえず防御は隙がないくらいにガッチガチに固めておくのがいいくらい、
━━闇属性の魔法と耐性が五種を超えたことにより、称号【闇を統べる者】を取得いたしました。
…………えーと。
何々、【闇を統べる者】は【闇を歩む者】の上位互換の称号か。
闇属性系統の魔法や攻撃を無効化し、夜闇魔の状況下での行動が50パーセントアップされると。
うん。これの上位はもしかして【魔王】って称号じゃないかなあ?
段々魔族になってきている気がするんだが、どーしたもんかね。
これまでの主人公のステータス
名前:ナナシ
種族:稀人
職業:ビギナーLv.47
SP:1
所有スキル:
【拳豪Lv.26】【投擲Lv.47】
【蹴撃Lv.45】【片手棍Lv.18】
【致命攻撃】【反射】【闘気】
【体術】【見切り】【威圧】
【腕力強化】【知力強化】【脚力強化Ⅱ】
【魔力強化】【MP増加】【魔法強化】
【死霊術Lv.40】【暗黒術Lv.7】【幻魔法Lv.12】
【水魔法Lv.12】【土魔法Lv.20】
【無属性魔法Lv.15】【空間魔法Lv.1】
【生活魔法】【大地魔術】
【看破Lv.43】【気配察知Lv.61】
【忍び足Lv.16】【軽業Lv.79】【隠れるLv.28】
【水泳】【潜水】【登攀】
【追跡】←new【鷹目】←new【牧畜】←new
【魔力視】【魔力感知】【魔力付与】
【魔力操作】【魔力制御】
【裁縫術】【厨師Lv.2】
【調合Lv.46】【大工Lv.32】
【植物知識】【鉱物知識】【アイテム知識】
【スライム会話】
【劇毒耐性】←new【苦痛耐性】【睡眠耐性】
【環境耐性】【麻痺耐性】【忍耐】
【闇耐性】←new【魔耐性】←new【精神耐性】←new
【暗視】
【解体】
ユニークスキル:【城落としLv.10】【幸運Ⅱ】
称号:
【後先考えぬ者】【死を垣間見た者】
【草を食む者】【闇を統べる者】←new
【強奪者】【殲滅者】
【スライムの友】【アラクネの友】
【料理人】【半魚人】【主夫】←new
【ネッツアーの加護】【マルクトの祝福】【イェソドの加護】
【ゲヴラーの祝福+】【ティーフェレースの加護】
【魔女見習い☆3】【スフィンクスに認められし者】
【魔王の話し相手】
【ミノタウロススレイヤー】【甲殻スレイヤー】
【プラントスレイヤー】
【マリンスレイヤー】←new
ペット
名前:アレキサンダー
種族:エルダーレッドスライムLv.31
【物理攻撃無効】【炎無効】【炎魔法】【形態変化】
【インベントリ】【溶解】【罠発見】
名前:シラヒメ
種族:アラクネLv.31
【糸精製】【糸射出】【かみつき】
【空間機動】【裁縫師】【劇毒】
名前:グリース
種族:コカトリスLv.24
【腐蝕の視線】【腐蝕毒】【腐蝕無効】
【貫通攻撃】【格闘】
名前:ツイナ
種族:キマイラLv.31
【雷魔法】【風魔法】【火魔法】【水魔法】【土魔法】【死霊術】
【かみつき】【飛行】
名前:アスミ
種族:ケツァルコアトルLv.5
【飛行】【水魔法】【風魔法】
使い魔
名前:ベウン
種族:クマのぬいぐるみ
【大工】【軽業】【料理】
名前:ボウ
種族:牛のぬいぐるみ
【登攀】【調合】【植物知識】
誤字報告してくださる皆さま、いつもありがとうございます。
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