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140 伝授した話


 とぼとぼと森から出た場所まで戻ってきた。

 アレキサンダーたちは心配なのか、道中やたらとスキンシップを求めてきたので「大丈夫だ」と言っておく。


「まさかペット連れていたら、魔族呼ばわりされるとはなあ」


 酷い言いがかりだ。

 だからといって率先して矢を射掛けられたい訳ではない。

 こちら側では街や村に近寄るのは止めよう。


「いったんベアーガ戻るか」

 もと来た道をもどること1時間。

 熊さんに、いやレンブンに出会いました。


「オークかと思ったぜ」

「いきなり首を飛ばされかけるとは思いませんでしたよ! なんですか今のは!」


 レンブンは無事だが、背後にあった木は半分から輪切りになっていた。

 あぶねえ。


「プレイヤーかオークか分からんかったから、とりあえず寸止めで刃撃を打ってみたんだ」

「せめてその前に姿だけでも確認してくださいぃっ!?」

「今までこっちでプレイヤー見たことがなかったんで。まあ、ごめんな」

「」

 ぐったりと脱力して座り込んでしまった。すまぬ。


 久しぶりに会うレンブンは全身真っ黒で、背中からも真っ黒な翼が生えていた。

 まるでこっちが悪魔のよう。


「黒翼のローブという装備ですよ。飛べなくはないのですが、湯水のようにMPを使うので飛ばないようにしています。そちらのニワトリは?」

 魔法使い系のクエストで出たボスのレアドロップらしい。


「こっちのは雄鳥になったグリース。ようやく成鳥のコカトリスだよ」

「コケッ」

 レンブンに向かってグリースは深々と頭を下げる。


「だんだんペットに埋没してきましたね。ナナシさんは」

「魔族呼ばわりされるし、世知辛い世の中だよ」

「まぞく?」

「魔族」


 不思議そうなレンブンにさっきの出来事をかくかくしかじかと説明する。

「なるほど、そのようなことがあったのですね。あやうく私はその八つ当りの餌食にされかけたというのですね」

 だから悪かったって。


「ヘタするとこっちには異方人って言葉自体が伝わってないかもしれん」

「なるほど、そういった地域差ですか」

 納得がいったとばかりに頷くレンブン。こっちには俺を追ってきたようだ。


「【魔女見習い】のことか?」

「ええ、それです。それなりに貯めておいて良かったですよ」

 レンブンはあっさり200万Gを払ってくれたので、称号に至るまでを説明する。

 魔女を3人探して交流を深めるとそこから修業期間に入る、というくだりで難しい顔になってしまった。


「いきなり難関ですねえ」

「そうかね。俺は魔女なら4人知ってるが」

「紹介して頂くことはできないのでしょうか?」

「その場合は「自力で」という部分は該当しなくなるんじゃないか」

「やはりそうなりますよね」

「そうなんだろうよ」


「しいていうなら一見して魔女に見えないのから、見た目がおばあさんから若いのまで色々だな」

「それはまた……。見分けを付けるのが大変ですねえ」


 話ながらもと来た道を戻ってるんだが、やはりというかレドルフとオークに頻繁に遭遇している。

 レンブンは魔法をばんばん撃つので心配はない。


 こっちは成鳥になったグリースの戦い方が酷い。

 レドルフに飛びかかって頭と肩を鷲掴みにし、首筋にクチバシで高速ピストン突きである。

 突き殺すにしてもほどがあんだろ。

 誰があたり一面血塗れにしろと言ったか……。


 あまりの凄惨な倒し方に見ていたレンブンも渋い顔だ。

 彼は残酷描写が低いからモザイク入ってるはずだが。


 オークは全力で頭を吹っ飛ばす方法で倒す。

 あっちから先に攻撃してくれば【反射】と【致命攻撃】でほぼ即死に持っていけるから楽だ。


「相変わらずですねえ」

「軍にいればこれくらいできないとやってられん」

「軍人だというのが信じられないほど、普段のナナシさんは普通ですから。そこを見抜ける人もいないのでしょうね」

 そこでレンブンはわざわざ近づいてくると、囁くように告げてきた。


「プレイヤーの中には軍、といって通じない方もいますので、あまり吹聴しないほうがいいかもしれませんよ」

「は?」

 軍で通じないって普通じゃねーだろう。


 未開地域は人が立ち入れないように封鎖されてるし、居住区があるところで統制機構の手が届かない場所なんかないだろ。

 それで軍をしらないとなると未成熟の赤子かそれか……。


「なんだそりゃ。コロニーにでも住んでるのか?」 

「なんでも治安は警察と自衛なんとかで間に合っている、と言い張ってるらしいですよ」


 なにそれ意味わからん。


 途中で木の上に作った野宿場所に案内する。

「もう俺はここで落ちるかなあ」

 一応はここもセーフティーエリアに認められているようだ。

「それは構わないと思いますよ。後を追ってくる人たちには私からログアウトでベアーガに戻ったと言っておきましょう」

「済まないな、頼んだ」

「知りたいことは分かりましたからね。お疲れ様です」

「ああ、またなー」

 ペットたちを睡眠状態に落としてから、ログアウトした。


 本日までのステータス

 名前:ナナシ

 種族:人間

 職業:ビギナーLv.28

 SP:25


 所有スキル:

 【鉄拳Lv.19】【投擲Lv.41】

 【蹴撃Lv.10】【片手棍Lv.3】

 【致命攻撃】【反射】

 【闘気】

 【死霊術Lv.20】【水魔法Lv.5】【土魔法Lv.6】

 【生活魔法】【大地魔術】

 【看破Lv.9】【気配察知Lv.34】

 【忍び足Lv.16】【軽業Lv.49】【隠れるLv.8】

 【水泳】【潜水】【登攀】

 【魔力視】【魔力感知】【魔力付与】 

 【魔力操作】【魔力制御】

 【裁縫術】【料理長Lv.17】

 【調合Lv.21】【大工Lv.7】

 【植物知識】【鉱物知識】【アイテム知識】

 【腕力強化】【知力強化】

 【魔力強化】【MP増加】

 【毒耐性】【苦痛耐性】【暗視】

 【解体】


 ユニークスキル:【城落としLv.6】


 称号:

 【後先考えぬ者】【スライムの友】【アラクネの友】

 【草を食む者】【闇を歩む者】【強奪者】

 【料理人】【半魚人】

 【ネッツアーの加護】【マルクトの祝福】【ゲヴラーの祝福】

 【魔女見習い】【スフィンクスに認められし者】

 【ミノタウロススレイヤー】【甲殻スレイヤー】


 ペット

 名前:アレキサンダー

 種族:エルダーレッドスライムLv.12


 名前:シラヒメ

 種族:アラクネLv.10


 名前:グリース

 種族:コカトリスLv.2


 名前:ツイナ

 種族:キマイラLv.12


 使い魔

 名前:ベウン

 種族:クマのぬいぐるみ


 

 まだ状況が詰まっているのでしばらくは不定期です。

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