表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

アスカのゆめ こおりそら 幕間

「アスカさん、アスカさん」


 ゆっくりと静かに声をかけられて、アスカはぼんやりと目をあけた。頭が鈍く痛む。寝起きが悪い原因に気持ちだけ、ため息をついた。


「良かった。今日は目が覚めましたね」


 視線を声の主に合わせる。優しそうな、柔らかな色がイメージの女性だ。彼女は、ずっと前からアスカを世話してくれている、姉のような存在だ。それなのに彼女は敬語は抜けなくて、アスカとしては少し寂しい。


「体を拭いたら、御飯ですよ。少しでいいですから、口に入れましょう」


 そういって布団をゆっくりどける彼女に、されるがままに身を任せる。慣れたものだ。体を拭き、ついでに服も変えて、心なしかすっきりした。重たい腕を動かして、ベッドのリモコンを探る。よし、見つけた。機械がゆっくりとアスカの体を押し上げる。彼女は、うれしそうな悲しそうな、複雑な表情でアスカを見守っていた。アスカはもう慣れて、この状態に何も思わないのに、彼女はいつも心を動かしてくれる。だから、彼女が好きなのだ。


「今日のご飯は――」


 彼女が用意してくれるご飯を、今日は少しでも多く食べられたらいいな。アスカはここ数年無い、前向きな自分の心の動きに、自分自身でも明るい感動を覚えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ