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こおりそら1

 アスカが目を覚ますと、そこは寒気がするような真っ白な世界だった。


--ああ、いつものあれか


 アスカはあくびをした。ついでに首を鳴らす。今日も絶賛、調子がいい。確認するように手を握ったり開いたりしてみた。当たり前に、滑らかな動きだった。


 上半身が起き上がっていたところから、


--よっこらせ、っと


 年より臭く、勢いをつけて立ち上がる。薄手の服についた雪を払い、思い切り伸びをする。体を伸ばすと、生きていると感じる。


 サクサクと、心を込めて足の下の雪を踏み、ゆっくりと歩きだした。


--おはよう、アスカ!今日もいい天気だね

--おはよう


 雪の上にはたくさんの住人がいる。アスカの膝丈の者、腰ほどの者、肩までの者、逆に見上げるほど大きな者。皆一様に、朗らかな挨拶をアスカに放つと、ご機嫌に去っていく。アスカは、いちいち返事を返し、それでも自分の歩みを止めなかった。ここにいるものは、皆、一様に動きを止めない。一度止まってしまったら、次が来るまで動けなくなってしまうことを知っているからだ。


--自分も急がなきゃな


 アスカは小さくつぶやくと、歩を速めた。ほとんど、走っているような速さだった。その動きとは違う、小さな視界の揺れが、アスカを急かしているようだった。


 

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