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裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚【コミカライズ企画進行中】  作者: 葉月二三
裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚

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村作り開始




宿に戻ってきて知ったのだが、冒険者ギルド横の宿は1人部屋から6人部屋までしかないらしい。


つまり、刀であるアオイを除いても7人となってしまった俺らは二部屋借りなければならなくなってしまった。


だが、今は空きがないらしい。


仕方がないから7人分の料金だけ払って6人部屋で寝ることになった。


こういうときはイーラと寝るつもりだったが、テンコが先にベッドに入ってきたから、そのまま寝ることにした。




精霊ってけっこう温かいのな。

ベッドでくっついて寝るとちょっと寝苦しいぞ。やっぱりイーラにしとくべきだったか。


寝苦しさで途中で目が覚めたのだが、微かに泣いてる声がした。


声の元に目を向けると、サラクローサが泣いてるみたいだな。

そのサラクローサに添い寝するようにしてセリナがサラクローサの頭を撫でていた。


他のやつらはまだ寝てるみたいだが、耳のいいセリナは泣いてるのに気づいて起きちまったのかもな。


それで添い寝をしてやるなんてお姉さんらしいことしてるじゃねぇか。


じゃあ俺は空いたセリナのベッドで寝なおすとするか。


ベッドから起き上がり、空いてるベッドまで歩いていく。


「リキ様おはよ〜。」


少し眠たげな声でセリナが声をかけてきた。


「あぁ、セリナはそのままサラクローサと寝ててやれ。俺はまた寝る。おやすみ。」


「え?そこは私のベッド…。」


「文句あるのか?」


「…にゃいです。おやすみなさい。」


「あぁ、おやすみ。」


セリナは長いことベッドを空けてたようだな。ベッドがヒンヤリしてて気持ちいい。


俺はそのまま眠りについた。





誰かの声が聞こえる。


せっかく寝てるってのに邪魔してくんのは誰だよ?と薄眼を開けるが、近くには誰もいないようだ。


もう一度目を閉じて、二度寝をしようとするが、また声をかけられた。


「リキ様。お話がしたいのですが、よろしいでしょうか?」


「うるせぇな。なんだよ?」


睡眠を邪魔されて不機嫌なまま起き上がるが、話しかけたやつは近くにはいないようだ。なんだ?


いきなり話し出した俺に驚いて、アリアたちが俺を見ていた。


寝ぼけてたのか?地味に恥ずかしいな。


「今、誰か俺に話しかけなかったか?」


もう昼頃のようで、全員起きているみたいだ。

だが、誰も俺に話しかけたやつはいないらしい。

やっぱり夢か?


「リキ殿の指輪から他者の魔力の干渉があるようじゃよ。」


アオイが俺を不機嫌にさせた原因を教えてくれた。


指輪?


そういや第三王女に以心伝心の指輪を渡されたな。


てきとうにMPを込めて念じる。


「なんかいったか?」


「いきなりの連絡、申し訳ありません。2日前にリキ様たちが夜の森に向かったと門番から聞いたので、その結果を伺いたいと思って連絡いたしました。お時間大丈夫でしょうか?」


あぁ、そういや伝えるのを忘れてたな。


「あぁ、悪い。マメに連絡を取る性格じゃねぇんだ。だから忘れてた。」


「いえ、連絡が取れたので良かったです。それで、夜の森の魔物はいかがでしたでしょうか?」


「とりあえずゴブリンキングっぽいのはなんとか倒せた。他の雑魚は特に問題じゃねぇ。ただ、ゴブリンキングより強いとかいう魔物は俺の手に負えないのがわかったから、山頂の魔物はそっちで手配したSランク冒険者たちで勝手に討伐してくれ。」


「そんな少人数でゴブリンキングを倒したのですか⁉︎さすがとしかいいようがありません…。ただ、残念なことに山頂の魔物の討伐にはリキ様にも参加していただきます。」


「は?なんでだ?」


「今回の討伐はこの前のダンジョン攻略とは比べものにならないほど厳しいものになると予想されるのですが、ダンジョン攻略に参加されたSランク冒険者のほとんどがこの町を既に去ってしまったようなのです。せっかくゴブリンキングを討伐したのであれば新しく強い魔物が生まれる前に山頂の魔物も討伐したいので、すぐに依頼を出すつもりです。そうなると戦力の確保がままならない可能性があるので、リキ様にも参加していただきたく思います。」


「理屈はわかったが、今の俺が参加したところで足手まといにしかならないぞ?ゴブリンキングを倒したのもイーラとアリアであって、俺はゴブリンキングの攻撃を避けるのもままならない状態だったしな。」


「大丈夫です。依頼を出して明日決行なんてことはありません。今回は15日後を予定しております。リキ様でしたらその間にきっとお強くなっているかと思います。」


俺を過大評価しすぎだろ。

半月で人はそんなに変われねぇよ。

今まではレベルが低すぎたからそこそこ強くなれたけど、今はもう冒険者までレベルがカンストしてしまってこの程度だからな。


でも俺が強くなくても仲間が強ければいいのか。イーラやアオイのように。

じゃあもともと予定していた他国に行って、新しい仲間でも探してみるか。


「わかった。俺はその間てきとうに過ごしてるから、村づくりは進めといてくれ。木材は大量に用意しといたから、俺の家はちょっとデカめにしといてくれると助かる。仲間が増えてるからな。」


「木材?…かしこまりました。建築士などはもう用意しているので、本日より作業に入らせます。他に御注文はございますか?」


「できれば柵ではなくて壁で囲ってほしい。あと、山側を俺の家にしてほしい。」


「理由を聞いてもよろしいでしょうか?」


「壁にしてほしい理由は魔物の侵入を拒むもしくは侵入場所を限定させるためだ。山側を俺の家にしてほしい理由は魔物が侵入した際に最初に襲われるのが村人とならないためだ。俺たちなら侵入される前に気づける可能性もあるしな。」


山の中にダンジョン跡地があり、ダンジョン跡地だけは水平となっているから、山頂側からきた魔物は壁の上にいる状態になる。だから簡単に侵入されるだろう。


でもセリナがいれば近づかれたら気づけるから、俺らは大丈夫だ。だが、俺の家がそこから離れていたら駆けつけたときには手遅れなんてこともあるからな。


「かしこまりました。リキ様らしい返答で嬉しく思います。それではリキ様の屋敷の設計などの話をしたいので、3日後にお食事でもいたしませんか?」


3日後はこの国にいるかもわからねぇからな。

ヘタに予定を入れすぎるとけっきょく他国に行けずに終わるなんてこともあるから、やめておくか。


「いや、しばらく俺は暇がない。だから設計とかは全部任せる。ただ、村民は勝手に集めるな。俺はある程度信用できるやつ以外を俺の領地に入れたくはない。」


「かしこまりました。それではこちらで進めさせていただきます。」


「任せた。それと、俺は連絡を忘れちまうから、これからこの指輪はアリアに持たせる。だから今後のやり取りは2人でしてくれ。」


「え⁉︎いや、ちょっとお待ちください。それでしたら新しく以心伝心の指輪をお渡しいたしますので、それはリキ様がお持ちください。」


「なぜだ?」


「えっと…。そう!もしかしたらリキ様にしかお聞かせできない内容の伝言もあるかもしれませんので。」


確かにそういうこともないとはいえないか。


「わかった。その指輪はどこで貰えばいい?」


「現在滞在中の宿を教えていただければ、騎士に届けさせますが、どちらにいらっしゃいますか?」


「冒険者ギルド横の安い宿だ。明日まではいると思うが、明後日からはこの町から出ると思う。」


「かしこまりました。では今日中に届けさせますので、よろしくお願いいたします。」


「あぁ、助かる。」


やっと念話が終わったが、長かったな。

MPも1割くらい減っている。

この距離でこの時間でここまで減るなら、他国に行ったら長時間の連絡は難しいかもな。


いきなり無言となった俺が気になったのか、アリアたち全員が俺を見ていた。


「あぁ悪い。第三王女から念話があったから話してた。15日後に山頂の魔物の討伐をすることになったから、その前に他国で戦闘奴隷を探そうと思う。出発は2日後だ。だから今日もアリア以外は自由時間にするが、市場と冒険者ギルド以外には行くな。アリアには悪いが今後のことで話があるから残れ。」


「「「「「「「はい。」」」」」」」


全員に銀貨5枚ずつ渡して、アリアには昨日のテンコの服代、セリナにはサラクローサの服を買うように多めに渡した。


「こんな大金を自分に預けてもいいのですか?」


サラクローサが恐る恐る確認をしてきた。

銀貨5枚って大金なのか?

でも確かに人1人が宿代も含めて1日かるく遊べる程度の金だから子どもからしたら大金っちゃ大金だよな。


「それは預けたんじゃない。もうサラクローサのものだ。今日使い切るでも貯めて欲しいものを今度買うでも好きに使え。その分戦闘で頑張ってもらうがな。」


「はい!」


サラクローサは嬉しそうな笑顔を見せた。


「あと、サラクローサだと長いから、今度からサラと呼ぶ。いいか?」


「はい。」


自己紹介は昨日宿に着いたときにすませてある。

だからアリアやセリナが省略されてることを知ってるから抵抗もないのだろう。



アリア以外が宿から出て行った。

テンコは今日はセリナとサラについていくつもりのようだ。


さて、今後の予定について話し合うか。


俺は6人掛けのテーブルについた。

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