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少女T  作者: ねぎ
3/30

第3話『無理は伝わる。』

家に帰っても、大好きな食事の時間でも、愛のことが頭から離れない序美。


「愛…」


気がついたら、愛の名前を呟いている。

すると。


〜♪


電話がかかってきた。

表示を見ると来人からだ。


『序美ー元気かー?俺、やっと仕事終わったー』


「……」


いつもなら嬉しい来人からの電話。

でも、今は。

序美はギュッと携帯電話を握り締める。


『…序美?どうした?』


反応がないため、心配する来人。

序美はこう言った。


「夕飯食べたばかりだったから満腹感に浸ってたのー♪ごめんね♪」


無理矢理いつものような明るい声を出す。

そっか、と返事をする来人。


「来くんごめんね!今からお風呂入るから」


『あぁ、そっか。わかった。

……序美』


「ん?」


『無理するなよ』


「─────」


そう言うと、来人は電話を切った。

携帯電話を見つめ、苦い笑いを浮かべる序美。


「……お見通し、か…」


ポツリと呟いた。

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