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第2話『あの言葉がどれだけあなたを。』
愛の恋人が女の子であるということを知った序美。
予想もしていなかったことに序美の心はとても混乱する。
そして、疑問が生まれる。
『愛はしあわせになれるの?』
昔、愛と語り合っていたとき、序美は愛にこう言われたことがあった。
「私たちって、自分から苦しい道を選んでいるよね。そういう宿命なのかな」
ふ、とこの言葉を思い出した序美。
「あの言葉通りだね…」
そう呟くと序美はその場にしゃがみ込んだ。
「愛…どうして…?愛…っ」
前に序美は愛にこう言ったことがあった。
「愛の子どもが見たいなぁ〜♪いつか絶ーっ対に会わせてね!」
このときの序美は、いつかはそういう日が来るだろうと思っていた。
けれど、今はこう思う。
「愛はわかっていたのかな…。そんな日は二度と来ないって…」
愛はどんな思いであの言葉をきいていたのだろう。
どんな気持ちで…。
あのときの愛の気持ちを考えただけで、序美の心はギュウ…ッと締めつけられた。