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第１９話『指輪に彫られた名前。』
「で！何て名前なの？」
店に入り、席に着くやいなや唐突に序美はきく。
その瞳はワクワクを抑えきれない様子。
「…とりあえず注文」
「はーやーくっ！！」
駄々をこねはじめた序美はなにかと面倒。
愛は仕方ないなぁという表情である物を見せた。
「？これって…」
愛が見せてくれた物。
それはまさしく。
「指輪ーっ！！」
テンション急上昇の序美。
ジロジロと指輪を観察。
すると、何か文字が彫られていることに気がつく。
それはアルファベットだった。
「たえ&愛…」
“たえ”というのはつまり。
「恋人さん？」
愛は優しく頷く。
「漢字ではどう書くの？」
そうきかれた愛は手帳を取り出して書いた。
“多恵“
「多恵さんかぁ〜。素敵な名前だね！」
序美が笑顔でそう言うと、愛もとても嬉しそうに微笑んだ。
