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新天地

-ボローニャ-

気がつくと見たことのない木々の生い茂る森の中にいた。

あのメイド、不意討ちとはいえ二度をワシを虚仮にしおった。

すぐさま帰り、メイドに一泡吹かせねば腹の虫がおさまらん。


「ようやく起きたようですね、それでは伝言を伝えます」


後ろから急に話しかけられ、振り返る。

そこには黒髪で褐色の肌をした痩せ型の男がいた。

メイドとそっくりななりをしておる。

さらに、ワシの横にはあの甘ったれのガキも座っていた


「ボローニャ様、貴方はハナ様と共にここで暫くの間暮らしていただきます。

決して逃げ出すな、とのことです。

ハナ様はボローニャ様と暮らすなかで、ボローニャ様の様々なところから学習するように、と」


「ふざけるな、さっさと帰せ。

メイドに借りを返す」


強めの殺気を放って威嚇する。

しかし、その男は涼しげな顔で首もとを指差す。

首をまさぐると、そこには違和感がある。


「服従の首輪です。

先程の伝言を守らなければ、首ごと吹き飛びます」


男はこちらの目をしっかり見ながら話している。

嘘をついている素振りはない。


「それでは、御武運を」


男はそれだけ伝えると消えていった。

ワシは自分の首の首輪を触る。


服従の首輪。

奴隷などにいうことを聞かせるための道具で、命令を聞かないと爆発する。

また、無理に外そうと力や魔力を加えても爆発する。

解除するには専用の鍵か主による解除の呪文しかない。


「おい、おヌシの名前はなんという」


「ハナ・アカバです。

ボローニャ様とお呼びすればよろしいでしょうか」


「その堅苦しいしゃべり方と呼び方はやめろ。

適当に呼べばいいし、適当に喋れ」


仕方なく、ハナと会話を始める。

しかし、こいつの話し方はメイドを思い出させる。

気にくわないので変えさせる。


「そうか、適当に考えておく。

ところで、おれは何をすればいい?」


「甘ったれるな、自分で考えろ。

先に言っておくが、馴れ合うつもりはない。

勝手にやらせてもらうし、お前も勝手にやれ」


「じゃあ勝手についていく」


「いや、そうじゃない」


反対向いてあるきだした俺にとてとてとついてくる。

これだからガキは嫌いだ。

自分がこまってればすぐ助けてもらえると思ってやがる。

体の隅々まで魔力を行き渡らせ、強化する。

そして、空を飛ぶほどの勢いで駆け出した。


「あばよ」


「まてよ」


走り出した俺に難なくついてきてやがる。

多少はやるようだ。


「付いてくんな」


「嫌だ」


「っくそ、上等じゃ」


更に風で加速し、振りきろうとする。

なんとか付いてきているようだが、少しずつ離していく。

見えなくなるまで続けてやった。


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