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番外編 リニアの一日

 知られざる使用人の日々。今日はメイド長であるリニアの一日に密着してみます。

「またハルがナレーションですか?」

「何か不満でも?」

「ないとでも?」

「優愛ってほんと最近よく言うようになったよね」

 それでも俺はマイクを離したりしない。でも奪い取られちゃったらしょうがない。

「不満の事は別としても、私もやりたいです」

 仕方ない、従う事にするか。やりたいと言うなら俺がやる必要ないし。

「じゃあどうぞ」

 俺はそう言って台本を渡す。

 前回の時も俺は台本読みながらやってたんだよ。途中何回か台本無視しちゃったけど。

「じゃあ始めますね」

 優愛のその声と同時にVTRが流れ始めた。


 メイド長である彼女の起床は早朝五時半。起きてすぐに彼女は執事や他のメイドたちと協力して城内の掃除をします。でも彼女は途中で抜け出して厨房に向かいます。どこかの国王とは違ってサボるために抜け出しているのではありません。彼女は実は料理長も兼任しているのです。なので朝食を作りに向かいます。

 執事、メイド、シェフ、そして国王や王女たち、全員分の食事を作るので時間もかかってしまいます。でもうちの城にいるシェフたちは優秀なので、ちゃんと時間までに美味しい料理を用意してくれます。

 いつもありがとうございます。

 そして六時五十分ごろ、料理が食堂に運ばれてきます。六時半にみんな起床予定なのですが、なかなか起きれずにいつもこのぐらいの時間になっちゃうんですよね。なのでこのぐらいに運んできた方が料理が温かいうちにいただけるんです。


 そして食事を終えたら彼女は勿論後片付けを行います。そしてそれが終わったらすぐに彼女は洗濯にとりかかります。なんせ何人ものメイドと執事とシェフと王族全員の衣類を洗濯します。これをやるのはメイド達ですね。洗濯機はプールのような巨大な物で、形は円状です。大体直径十五メートルくらいでしょうか。そこに水を溜め、衣類を入れて、そして大きな蓋をして電源を入れます。すると中で洗剤や柔軟剤などを入れてくれて、洗濯が開始されます。この洗濯機は朝、昼、夜の三回まわすみたいですね。

 そしたら彼女はまた厨房に向かい昼食の準備です。大体十時くらいから準備を始めるみたいですね。

 既にほかのシェフたちは昼食の準備を始めていて、彼女も少し遅れて調理に参加します。

 因みに彼女は料理するときは水色に白の水玉のエプロンをつけます。とても可愛らしいですね。


 彼女は元々料理自体は得意で、メイドになる前も趣味として楽しんでいたみたいです。


 そして大体十二時半くらいに昼食になります。大体みんな五分くらい前には集まってるんですが、その中でもいつもハルが一番最初に来るみたいです。そんなにご飯が楽しみなんですかね。それともただ仕事がしたくないだけなのか、恐らく後者でしょうけどね。

「優愛さん……」

 はい、外野は黙ってて下さいな。

 続けますね。

 そしてみんな大体三十分ほどで食事を終わらせ、仕事に戻ります。

 そして彼女は三十分ほどで片づけを終わらせて、その後洗濯をします

 そしてその後の束の間の休息、大体十五分程でしょうか。そして彼女は新米メイドであるイサリとカガリ、副料理長のカガミ(♂)と共に一週間分の食料を買いに行きます。

 何故このメンバーなのかと言うと、料理長であるサキナと副料理長のカガミは当然ですよね。そしてイサリの使う魔法は最小化の魔法。モノにもよるが最高でミクロン単位まで小さく出来るみたいです。そしてカガリ、彼女の使う魔法は最大化、物を大きくする魔法です。二人とも奥の手で自分自身も小さくなったり大きくなったりできるみたいです。

 彼女たちはスーパーには買い物に行きません。いつも国や国民のために働いてくれている王女様や国王様の為にも、安全で新鮮な食料を調達するために国内でも有名な市場に向かいます。

 既にリニアとカガミは市場のおっちゃんやおばちゃん達とは顔なじみです。なのである程度おまけしてもらったり、安くしてもらったりしているみたいです。いくつものお店を回って買い物をします。

 お城で暮らす大人数の一週間分の食料を買い込むのです、とんでもない量になるのでそこでイサリの出番です。彼女が買ったものを次から次へと小さくして運びます。ただ彼女の魔法の持続時間は最大で五時間程なので急いで買い物をしなければなりません。移動の時間も含めて五時間です、因みにお城から市場まで往復で一時間二十分かかります。

 どんなに急いでもたまに五時間を超えてしまう事があります、そんなときはカガリの出番です。買ったものを入れる袋や車の荷台のみを大きくして持ち運びます。カガミが。


 なんとか買い物を終えてお城に戻ったら、彼女はメイド達とお風呂掃除です。夕方までは誰もお風呂に入らないのでこの時間にやってしまいます。男湯も女湯も、プロのテクニックで掃除を素早く終わらせます。約一時間程で広い広いお風呂の掃除を終わらせて、彼女は厨房に向かいます。夕食の支度ですね。

 そして夜の八時に夕食が完成です。みんなメイド達が呼びに行って集まってきます。国王様は寝ていることもしばしば。

 そして八時半くらいに食事を終えたら、王族のみんなは順番にお風呂に入っていきます。因みにシャルルが一番長風呂ですよ。長いときは一時間半以上入ってる時もあるんです。

 リニアはその間に食事の片づけ、皿洗いなどを済ませます。そして全員がお風呂から上がった後、彼女もお風呂に入ります。一時間程入っているお風呂の中で、彼女は「あー…明日の献立どーしよーかなー……」とか考えてるみたいです。なぜ知ってるかって? お風呂の近くにいると聞こえてくるから。因みにたまに「明日三食レトルトでいいかな…」とか「誰か作ってくんないかなー」とか聞こえてきます。彼女もたまには休みたいんでしょうかね、今度一週間くらい休暇をあげたいですね。

 お風呂からでたら彼女は家計簿をつけてから一日の仕事が終わります。彼女はこの時白い縁のめがねをかけていてとてもかわいいんですよ。



 以上が私たちのお城で働くメイド長の一日です。どうでしたか? 私たちの生活は彼女やメイドさん達に支えられていると言っても過言ではないですね。

 これからも感謝の心を忘れずに生活していきたいですね。

 ナレーションは第三側室の優愛でしたー。

 ばいばい!

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