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調べもの

 帰りの車の中ではみんな疲れたのか、眠ってしまった。

 因みに俺も…かなりねむzzzz………



 ジニアに起こされて、目をこすりながら起き上がる。

 何故かジニアの顔に殴られた跡があるが、あえて触れないでおく。多分、いや絶対トーカを起こした時にでも寝ぼけて殴られたのだろう。

 その後は晩ご飯を食べて、いつもよりも早めに寝た。そして次の日は寝坊した。と言ってもいつも道理に執務机で仕事をするだけだが。

 色々調べたいことがあるのだが、そんな暇はないのだ。なんでこんなに忙しいんだよ! と何度目か分からないツッコミを入れる。

 書類整理とか俺がやらなくてもいいじゃん、国王の印が必要なら印鑑貸すから押しといてよ。とか思いつつも実際に言えるわけなんか無いので仕事を続ける。

 お昼時まで休憩ナシで仕事を続け、ご飯が出来たという合図と共に部屋を抜けて食事を食べる。そして午後は部屋に戻るフリをして、調べ事をするために外にでる。

 お城の物置小屋に俺は向かう。確かここにあれが保管してあるはずなんだよな…。

 俺は普通の一軒家くらいの大きさの真っ赤な建物の中に入る。物置だから入口はとても広く、乗用車が普通に出入りできるくらいだ。

 俺の目的の物はこの物置の中にあるって事しか分かってないので探すのは骨が折れそうだ。でもそこそこ大きい物のはずだからあんま狭いところにはないはず。

 物をどかす音だけが響き、俺は無言で探す。

 三十分くらい経ったのだろうか、時計がここにはないので正確な時間は分からない。倉庫の中を探していると、何故か男物のTバックが出てきたり、スク水なんかが出てきたりした。さてはこの城の家主は変態だな? あ、俺だ。

 というか一向に見つからない。もしかして別の倉庫にあるのかな? この城にはここを含めて倉庫が三つある。もう少しここを探してそれでも見つからなかったら別の倉庫を探そう。

 結果としてこの倉庫では俺の探しているものは見つからなかった。

 すぐ隣にあるさっきの倉庫よりも二回りほど大きい倉庫の中に入る。

 この倉庫の中もかなり広く俺はさっさと捜索に取り掛かる。でもやはり出てくるのは変態的な物ばかりだ。○○○とか○○○とか○○とかエロ本とかばかりだ。正確に言うともっとちゃんとした日用品などもしまってあるのだが、どうしてもそう言ったものが目についてしまう。

 俺は倉庫の二階に行き、また探し始める。すると五分くらいで見つかった。大分大きい為にここから出すのは大変そうだが、別にここで十分調べられる。

「棺桶を調べますか」

 俺が探していたのは棺桶。俺がこの世界に来た時に入っていた物。今はある程度魔法も使えるようになり勉強もしっかりやっているはずなので、この棺桶から何か掴めるかもしれないと思ったのだ。

 とりあえず外側から調べてみる。すると俺の予想道理、魔法の痕跡が見つかった。俺がこっちの世界に来てから既に半年以上経っているために、非常に見つけづらく小さいものだったがそれでも手掛かりとしては十分だ。いつどんな魔法を使ったのかまでは分からなかった。が、二種類以上の魔法がこの棺桶にかけられていたことが分かった。もっと時間をかけて詳しく調べる必要がありそうだ。

 とりあえず今日はこれ以上仕事を抜け出すとジニアにお説教くらいそうなので戻る事にする。いや、正確には抜け出した時点でお説教確定だが、早めに戻れば軽く済むかもしれない。

 いや……多分それはないな。もういいや、説教されるのが確定ならとことん調べてやる。というわけで俺は変装して街の図書館に向かった。

 図書館で調べたい事とは、この間プールに行ったときにトーカは何故か委員長の言葉を知っていた。そしてその後に「よく勉強してますね」と言った。

 ただのでまかせか言い間違いの可能性もあるけど、どうにも気になってしょうがないのだ。

 これは俺の予想なんだが、もしかしたらこっちの世界と俺のいた世界はどこかある場所で繋がっていて俺や優愛はそこからこちらの世界にやってきた。その場所から一定の物質を送ったりできるのかも知れない。

 多分その事は一部の人間しか知らない。もし一般市民が知っていたら、向こうの世界で一般市民だった俺も知ってておかしくないはずだ。恐らく知っているのは各国の王族ぐらいだろう。

 と考えると、誰でも利用可能な図書館に手掛かりがある可能性は低いだろう。


 三時間程調べたが、結果として収穫はゼロだった。

 やはり俺の推理はある程度は正しいのだろう。だったら公共の図書館よりも城の図書室で調べた方が良さそうだ。城の図書室は一般には解放されてないから、利用できるのは王族たちと使用人たちのみとなる。

 と言うわけでそろそろ日も落ちてきたが、俺は城の図書室に行くことにする。

 図書室に行くには一旦お城の中に入って、正面の階段を上り二階に行かなければならない。そしてそこから俺の仕事部屋の前を通って、そのすぐ隣が図書室だ。

 途中誰かに見つかる危険もあるが、図書室に行くにはこの道しかないので急いで行く他にない。

 結局メイドの一人に見つかってしまったが、黙っててもらうように頼んだ。

 何とか到着した図書室には誰もおらず、集中して調べ物が出来そうだ。

 何か向こうの世界に関することが載っている本などはないだろうか……。


 窓際にある机のところに座って本を読んでいたら突然肩を何かにツンツンとつつかれた。

「悪い、今調べものしてるから後にして」

 俺は本から目を離さずにそう言った。

 するともう一度ツンツンと肩をつつかれる。

 少しうっとおしかったのでチラッと後ろを見る。

「なんだジニアか……えっ! ジニアじゃん!」

 思わず二度見してしまった。やばい、見つかった。どうしましょうか。絶対説教される殺される。

「晩ご飯ですよ、早く来てくださいね」

 ……え? 怒らないのか?

 いや別に怒ってほしいわけじゃないんですけどね。怒られると思っていたから。

 俺は本を片付けて、食堂に向かった。怒られなかったからスキップで。

 食堂のドアを開けると、真っ先にリニアににらみつけられた。

 そしてやっぱり始まってしまいましたお説教。

 あぁ、ジニアが怒らなかったのは自分よりも激怒してる人がいるからって事か。

 あげて落とすとはこの事か。


 まぁでも今日はいい収穫ができた。後でもっと長い時間かけてお城の図書室で調べてみよう。

 と思いながら俺はリニアの説教を聞いていた俺である。

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