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いざ、まだ見ぬ桃源郷へ

「本当に申し訳ありませんでした」

 一国の国王が、一人の男が、そう簡単に頭を下げるものではないとジニアに教わった。でも場合が場合だ。結果的に何もなく無事で済んだからよかったものの、報告せずに隠すというわけにはいかない。「責任を持って預かります」なんて言っておいて見失ってしまった。

 因みに二人は先ほど起きて、すでに元気いっぱいだ。

「…頭を上げて下さい」

 リオックさんの思いの外優しそうな声に少し安心してから顔をあげるが、目が笑っていない。

「「ご…ごめんなさい」」

 俺とトーカはいつの間にか謝っていた。

「冗談ですよ。この二人はすぐにふらぁっとどこか行ってしまうんですよ、いつもの事なんで慣れっこですよ」

 それでももしかしたら大事件になっていた可能性もあるので、そうですかと笑って済ませられない。

 俺はトーカにチラッと目くばせをする。トーカは俺の考えを理解してくれたようでコクンと小さく頷いた。

 俺達地面に両膝をついてから両手を前に出し、頭を地面すれすれまで下げる。最高級の謝罪の形の土下座である。

「だ、だから頭を上げて下さい!」

 俺はゆっくりと頭を上げる。

「そんな責任を感じないでください。もしどうしても謝りたいというなら、今度私達がそちらの国に行ったときにとびっきりのご馳走を用意しておいて下さい」

「勿論!」

 俺は立ち上がってからリオックさんとの握手に応じる。


 元々俺達はこっちの国に一泊していくつもりだったので、お城の近くに俺達用のホテルが用意されていた。が、リオックさんの「折角なので私の城に泊まっていって下さい」という言葉に甘えさせてもらう事になった。

 用意された寝室は一人一部屋で、前の世界の俺の部屋(六畳)の十倍近くはある。今の城の寝室も「広すぎると落ち着かない!」とわがままを言って、城内で一番狭い部屋(それでも大体十八畳くらい? はある)を使わせてもらってる。元々一般人である俺は広い部屋に慣れてない。因みにそれとは別に俺用の仕事部屋とプライベートルームがある。他にもあるのだが、それをあげていたらきりがない。というか俺自身すべて把握できていない。


 現在夜の7時半過ぎ。みんなで晩ご飯を食べている。お昼の時も思ったのだが、料理はとんでもなく美味しいのに量が少ない。普通に足りない。因みに自分の城なら遠慮なくおかわりできるけど、流石に他国の城ではおかわりする度胸がない。



 さあ皆さんお待ちかねのお風呂タイムです。やっとお風呂シーンです。ロリコン、人妻好きの方にも朗報です。ユスリカちゃんもナナフシ夫人もお風呂に入ってます。勿論正室と側室もメイドさんも。

 ですが、勿論お風呂は男女で別れています。

 現在壁一枚挟んで先ほどあげた女子達が入っています。因みに男湯には俺とジニア、そしてカブト君のみです。リオックさんは片づけなければならない仕事があるらしく、あとで入ると言っていた。つまり今止める人がいないわけで、壁と天井の間には余裕で人が二、三人は入れそうな高さの隙間が横は壁から壁まで開いている。

 こんなに条件が整っていたら覗きをしてくださいと言っているようなものです。

 じゃあいつするの? 今でしょ!

「ジニア、準備はいいか?」

「勿論です」

「よし」

「さぁ参りましょう! まだ見ぬ桃源郷へ!!」

「ばか! 声でかい!」

 俺はジニアの頭をスパァンと叩いた。

 俺は重力魔法を使って自分とジニアの周りの重力だけを五分の一にする。

 俺はジニアを手の平の上にのせて思いっきり上にあげる。ジニアもそれに合わせてジャンプをする。

 するとジニアはちゃんと壁の上に乗れたようで、今度は俺がひっぱりあげてもらう。俺もおかげで無事に壁の上に乗れた。

 現在目標は二つに分かれている。

 トーカ、リニア、ユスリカちゃんは頭や体を洗っていて、シャワーのところで三人ともイスに座っている。

 サニア、シャルル、そしてナナフシ夫人は浴槽につかって話をしている。

 みんなはまだこちらに気づいていないようだ。

 クソッ! 何故だ? どうしてだ? 不自然な湯気が邪魔で皆さんの裸が良く見えない。

 だが心配無用だ。俺には視力強化の魔法がある。

 街で二人の子供を探すときはあまり詳しく言わなかったが、よく漫画やアニメであるような使うと白黒やぼやけたりすることはない。カラーで勿論ぼやけないから本当によく見える。それに見たい距離によって強化の強度を変えることが出来る。

 見える! 見えるぞ!!

 はいはい分かってますよ、こんな文面だけじゃサービスカットも何もないから早く説明なり画像をあげろってことだろ?

 画像はないから説明でいいかな? ダメって言ってもそれしか選択肢ないからね?

 まずはリニア。いつものメイド服の上からでも思っていたが、こうやって服を脱ぐと思いの外ある。目測でだいたいEかFってとこか。シャワーを浴びていることで髪からしたたり落ちる水滴のおかげで妖艶さが何倍にもつりあがる。そして自分は特別うなじフェチではないのだが、白くきれいなそのうなじはしばらく見続けていても飽きないだろう。

 そしてその綺麗なうなじから続く背中は白くて、思わず触りたくなる。

 乳首もきれいなピンク色で触れたい、咥えたい、しゃぶりたいという欲求に侵される。


 次はサキナ。サキナは湯船につかっているために体全体は見えない。が、やはりリニア程ではないが立派な胸を持っている。おっぱいは正義です、はい。


 ……おっと済まない、自分が観賞するのに夢中で説明を忘れていたよ。じゃあトーカを次は見てみましょう。前から思っていた事なのだが、トーカは脚がきれいだ。脚フェチである俺にとってこれ以上ないご褒美のレベルの脚の美しさ。まさに美脚。勿論おっぱいも素敵ですよ、うなじも背中も腕もお腹も。

 見とれてしまうよ、童貞だもの。み○を。

 というか夫婦なんだからそろそろ営みがあってもいいとおもうんだよね。まぁ例えあったとしても事後報告だからね。官能小説じゃないからそこは見せないよ?


 そう言えば今トーカ達は何話してるんだろう?

 そう思った俺は聴力強化の魔法を使ってみる事にした。

「ふたりはあれでばれてないとでも思ってるんですかね? トーカ様?」

「だと思うよ。だから見続けてるんだと思うし」

「ですよね。あ、ユスリカちゃん頭流すよー」

「ん!」

「まぁ私はリファスに見られる分にはいいんだけどジニアはそろそろキツイお仕置きをするべきだよね」

 ばれてた。でも俺にはお仕置きがなさそうだからよかった。いや良くない、お仕置きされたかった。

「ジニアお仕置きされるってよ」

「それは良かったです」

 ここにお仕置きされると聞いて興奮しているおっさんが一人います。

 俺は再びトーカ達の会話を聞き取る事にする。

「そろそろ教えますか?」

「そうだね、私の腕力強化の魔法で教えるよ」

 トーカはそう言うとシャンプーの入ったボトルを手に持つと、立ち上がって俺達の方を向いた。

 なんかやばい気がする。お仕置きされて嬉しいとかのレベルでは済まなそう。

「せーのっ!」という掛け声と共に隣にいるはずのジニアが壁の上から落ちた。

 俺は驚きのあまり、聴力強化の魔法を解いてしまった。

 トーカはこっちを笑顔で見つめる。

「お・り・ろ」

 声は聞こえない筈なのに、俺は人の唇を読むなんて高度なことは出来ない。なのに、そう言ってるような気がした。と言うか絶対言っている。

 勿論俺は光の速さで壁を降りました。怖かった。ご褒美なんてレベルではない。命の危険を感じた。

 と言うか俺なら見ても良かったんじゃないの? もっと堂々と見ろってことか? いや違うな。私の裸を見てもいいからお前の裸も見せろってことだな。

 …なわけない。俺だって学習くらいするさ。誰だってあんなはっきりと脅されたらしばらくは覗きなんてしないだろう。


 忘れてたけどジニアは鼻血を出して倒れているんだった。しかも笑顔で。カブト君は何があったのか分からないという顔をしているが、君はそうやって純粋なままでいてくれ。おじさん達みたいに穢れちゃダメだからな。とりあえず俺はジニアを抱え上げて、脱衣所に連れて行った。

 全く、何が悲しくておっさんをお姫様抱っこしなきゃなんないんだ。

 俺はそこにある木製の椅子の上にジニアを座らせてから再び浴場の中に入っていった。

 そう言えばカブト君を洗ってあげてなかったな。俺はカブト君を呼んで、シャワーのところにあるイスに座らせた。

 俺はカブト君の頭をゴシゴシと洗ってあげる。次は体を。年の離れた弟がいたらこんな感じなんだろうな、と思いながら。

 そしてその後は自分も全身を洗ってからカブト君と一緒に浴槽に入る。

「おふろに入ったらねー、三百数えるまで出ちゃダメなんだよ!」

 三百とは長いな。普通は百くらいだったと思うが。

「そうなんだ、じゃあ数えるよー」

 俺がそう言うとカブト君は元気に一から数えだした。


「にひゃくきゅうじゅうはちー! にひゃくきゅうじゅうきゅう! さんびゃく!!」

 拙い言葉で三百を数え終えたカブト君は満足そうに立ち上がって浴槽から上がった。

「にーさんもあがろうよ!」

 おぉ、にーさんと呼んでくれた。それだけで少し感動してしまった。出来ればもう一回だけ呼んで下さい。

「はいよー♪」

 俺はルンルン気分で浴槽から上がって、カブト君と一緒に脱衣所に向かった。

 脱衣所ではカブト君の「一人でできるもん!」というセリフを聞いて、自分は早々に着替えてからカブト君の着替えを眺めてた。が結局、シャツを前後ろ逆に着てしまったので直してあげた。

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