全ての始まり
生とはなにか。死とはなにか。
これは俺が体験した不思議な冒険譚だ。
俺の名前は××××××。
至って普通のサラリーマンだ。
だが給料は周りよりもかなり高く、歳もまだ32だ。世間一般で見ると「勝ち組」なんてものに入ってしまうのかもしれない。なんて自画自賛をしているが俺には彼女もいなく、幼い頃に両親を無くしているためこの歳で既に身寄りもない。もちろん寂しいと感じることもあるが俺には立派な趣味がある。
それは本を読むことだ。本には様々な種類があって良い、自分に足りなかった経験を沢山教えてくれるから自分のためにもなってかなり好きだ。最近では異世界転生モノが流行っているらしく自分でも読んでみたが中々に面白い。まあこんな話自分には縁がないので妄想するしかない。
それに最近は本だけでなくニュースを見ることも楽しくなってきている。
「また通り魔かよ、物騒な世の中だな、、」
独り言を呟きつつ、日課を終えた俺は眠りにつく。
今日も憂鬱な朝を迎え、一人ではあまりに広すぎる部屋をゆっくりと歩き回り、身支度をする。
「いってきます」
最後に返事が返ってきたのはもう何十年も前だったな。
重いドアを開け、今日も会社に向かう。
つもりだった。
おかしい。ドアが開かない。これでも日々のトレーニングは欠かさないため力は衰えていないはずだ。そんなことを言っている場合ではない、ドアが開かないと遅刻してまた先輩に怒られる、、、俺は何とかドアをおし続けた。
すると「ガチャッ」と音がなり突然すんなりドアが開いた。自分でも何が起こっているか分からない。だが急いで仕事に向かわないといけない。ようやく開いたドアをしっかりと閉め、俺は仕事に向かう。いつも通りの道、いつも通りの景色、いつも通りの人波、退屈だ。
変わらない日々に退屈を感じていたその時。
「ドスッ」
鈍い音が響いた。
俺は突然刺された。何が起こったのか全く理解できない。なぜ俺なんだ、なぜ他の人じゃないんだ、なぜ、なぜ、熱い、苦しい、誰か助けてくれ。周りにどんどん人が集まってきているのにも関わらず誰も助けてくれるわけではない。
様々な思いが巡るなかふと疑問が浮かぶ。
(犯人はどうしたんだ、、?)
首を動かし辺りを見渡すがそれらしき人物は見当たらず、犯人が捕まっているような騒ぎも聞こえない。
こんなに人がいるのに犯人が捕まらないなんてことがあって良いのかよ、、
そんなことを考えていたが徐々に意識も薄れてきた。
(あぁ、俺死ぬのか。)
妙に冷静でいられた。
俺には身寄りもなく、悲しんでくれる人もいない。
俺の人生なんだったんだろうな。
こんな通り魔事件なんかでおしまいかよ。
もうだめだ、意識を保てない。。。
死にたく、な、、い




