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作者:
掲載日:2026/04/05

私は一人夜の森を歩いていた。

するとある少女を数十メートルぐらい先に見た。

その少女は肌は白く、外界を感じさせなかった。

そして目は大きく、顔は整っていて、髪は腰ほど長く、銀髪だった。

私はそれを見て驚いた。

と言うのも、勿論夜の森に何故少女がいるのだろうと言うのはそうだが、森は暗く自分の手を目に近づけても、手のおおまかな形すら分からないのだ。

それなのに私は数十メートル先の少女を、はっきり見ることができた。

私はその少女に、心惹かれた。

「おにいさんは、どうしてここに。」

そして近づいてきてくれ、少女からそう話しかけてくれた。

それに対して私は、誰にも言えなかった弱音を言った。

「好かれたから。

怖くなったんだ。」

「怖い?。」

「そう、怖いんだよ。

どうして自分なんだ。

どう愛を返せばいい。

好きになり裏切られたら。

おかしいよな。ずっと誰かに選ばれたいと思ってたのに。」

「あなたはその人を愛してるの?」

「愛してない。

誰も愛さない。」

「どうして?」

「愛や優しさ、人を思うきもちなんて邪魔だ。

利用されたり、漬け込まれるだけ。

それに人が裏切ったとき傷つく。

やるとき躊躇いが出る。

他人のことなんて、思ったふりをすればいいんだ。

みんな利益で協力してるんだから。

でも仲良くしてる人が羨ましい。」

「子供の頃、仲良い人はいなかったの?」

「いなかった。

かわりに何か成功しようといろいろなことをした。

なにも上手くいかなかったけど。」

「なにをそんなに焦ってたの?」

私はその言葉に目を丸くした。

言われれば確かに、焦ってたんだ。

テレビとかで見る人見たいに、成功しないと価値がないと。

「そんなことない。」

私の内心の言葉に少女はそう言った。

価値があるのはわかってたけど、誰かにそれを言ってもらいたかったんだ。私は。

何者でも無くずっと苦しかった。

でも走り、前に進めなかった。

「どうしてそう言うふうに、なったの。」

少し考えこんだ。

「わからないけど多分雑に扱ってこられたから。

いじめられたわけじゃないけど、泣いたら馬鹿にされ、もっと傷つけられ、だから誰も見てないところで泣き、日頃からほっとかれ、失敗したら怒られて、価値ある人でいるためには結果が全てだと思うようになった。」

「上手く生きれなかったの?」

「生きれた。偽りで。

本当に自分が汚くなったように感じたけど。」

「おにいさんはどうなりたかったの。」

「強くなりたい。

好き勝手ぶち壊せるぐらい。」

「頑張ったね。」

私はこの言葉を聞き、いやずっと前から確信していた。

私が作り出した幻想だと。

質問の内容が唐突なのも、頑張ったね。と言ったのも、弱音を吐き出したかったり、せめてちっぽけな傷を讃えられたかったり。

そうだ。

幻想だ。

なにしても問題ないんだ。

そう思った時、目の前に大きな化け物がいた。

私は怖くなり、逃げた。みきに引っかかり転びそうになりながら。

少し経ち、幻想なのだから逃げても意味ないと言う、当たり前のことに気づき足を止めた。

そして疲れからかその場に突っ伏した。

そしてなにも変わることなく、そのまま寝た。

今まで何かを乗り越えた、記憶がない。

だから今回もそうなる。

そんな自分勝手な希望を抱えて。


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