代表者到着。
一部修正しております。
セレス大樹海から生き延びた人達の要る集落から、代表者が三人やってきた。
この森に移住するか否かを決める為だ。
「ようこそ。僕はトレント。遠い所からこの森に来てくれてありがとう。何もないところだけど、少しの間だけでもゆっくりして、集落の皆とここに移住するかどうか決めてくれ。
アルファ達の背から降りた代表者に挨拶をする。
白い猫耳の女性。
頭部に二本の角があり、額に青い鱗がある女性。
金髪で、緑の瞳で耳が長い女性。
代表者は皆、女性だった。見た感じみんな若く見える。
「お招き頂きありがとうございます。私は龍神族のウェンディと申します」
額に青い鱗のある女性、ウェンディが挨拶をする。
「にゃあは猫神族のチェルシーにゃ」
「私はエルフ族のユフィ、です」
猫耳の女性チェルシー、耳の長い女性ユフィが続いて自己紹介をする。
「「「これからしばらくの間よろしくお願いします(にゃ)」」」
と三人が頭を下げる。
「こちらこそ、しばらくの間よろしくな」
カルラ、アリア、アルファ達、ヒイ達、フェンネ達の事をウェンディ達に紹介する。
因みに僕は今トレント本体のままで話をしてる。
「話には聞いて半信半疑でしたが、森が復活していてビックリしております」
「まるでセレス大樹海の様にゃ」
「それに本当にトレント様、です」
ウェンディ達がそれぞれ感想を言う。
「空から見た時、この森の広さにびっくり致しました」
「建物とかもすごいにゃあ」
「こんなの初めて見た、です」
「ありがとう。来て早々だけど、荷物置いてきたら?それからこの村を案内するよ」
荷物を持ったままだとしんどいだろう。
僕は『分裂思考』で意識をトレントドール二号に移し、三人を案内する。
とりあえず中央広場から南に入ったところの一軒を代表者三人に使ってもらう。
「こんな綺麗な所に泊まれるにゃ!?」
「こんなにいい家をお借りして本当によろしいのですか?」
「こんな立派な家で寝たことない、です」
家に入ると中を見て回り、感激してくれてる。
最初に家の中を案内をすることにした。
「これ何、です?」
とユフィが蛇口を見て弄りだす。
そんなにしてたら……
「うわっ!」
蛇口を捻り、急に水が出てビックリしてる。
「それは水道。その蛇口を捻ると水が出てくるんだ。水は川の綺麗な水を引いてるから、飲んでも料理に使っても大丈夫だ」
今度はチェルシーはがコンロの方に行く。
(コンロは作るの忘れてることに気づき慌てて作ったんだ。もちろんグリル付き。エンチャントで『発火』、『火力調整』、『消火』を付与した。スイッチで『発火』と『消火』、レバーで『火力調整』できるようにした)
「にゃ?これは何にゃ?」
「これはコンロだよ。このスイッチを押すと火が出るから、この日を使って料理をするんだ。調理器具はここにあるから」
と説明をする。
「あのぅ、トレント様?この箱は何でしょうか?」
大きい箱の所に行ったウェンディが聞いてくる。
「それは冷蔵庫だよ。食材を冷やして保管する物なんだ」
冷蔵庫の説明をするとみんなが驚いている。
初めて見る物ばかりのせいか、皆あれこれ聞いてくる。
そうして質問に答えていくうち、次第大分打ち解けてきたように思う。
「ここ凄いにゃ。初めて見る物ばっかりだにゃ」
とチェルシー。
「そうですね。これまで水を飲むのも、火を起こすのもかなり苦労しましたからね。ここで生活できれば、生活の質は上がる上に安全は確保されます」
とウェンディ。
「私はここに住みたい、です」
とユフィ。
がそれぞれ話し合っている。
家の中の案内と機器の使用方法の説明が一段落した。
今度は外を案内することにした。
先に集会所や公園、銭湯に連れていく。
今日の終わりにお風呂に入ることを伝えると楽しみにしているようだった。
ヒイ達の家、アリア達の家、カルラの家にも案内した。
その次に畑と果樹園に案内した。
いい感じにできてる野菜や、フルーツを見て驚いている。
もう夕方だし、いくつか食べてもらおう。
と言うことで、フルーツを何種類か摘む。
パイナップル、リンゴ、梨、バナナ、キウイフルーツ、イチゴ、桃、オレンジ等の盛り合わせを作る。
フルーツの芳醇な香りが漂ったのか、ウェンディ達から、く~、と可愛くお腹を鳴らし、三人が少し頬を赤らめる。
即席でテーブルと椅子を作り、ウェンディ達を手招きし、椅子に腰かけてもらう。
そして出来上がったフルーツの盛り合わせをテーブルの真ん中に置く。
「さあ出来たよ。召し上がれ!」
色とりどりの盛り合わせを見た三人が、「こんな果実食べたことない、です」とか「本当に食べれるのでしょうか?でも、すごくいい香りですね」とか「こんな綺麗な食べ物があっていいのかにゃ?食べるのがもったいにゃ」とか言ってる。
あ、フォークを渡してなかったな、と気が付いて、三人にフォークを手渡し、「これを使って食べたら手が汚れないから」と伝える。
「「「ありがとうございます(にゃ)!いただきます(にゃ)」」」
それぞれ、パイナップル、梨、バナナにフォークを刺し口に含む。そして人神した瞬間、「なんですかこれ!?瑞々しくて美味しいです!」
梨を食べたウェンディが、
「にゃにゃっ!?甘酸っぱくて美味しいにゃ!」
パイナップルを食べたチェルシーが、
「甘くて美味しい、です」
バナナを食べたユフィが。
幸せそうな表情になっている。
そして、他のフルーツもきっと美味しいのだろうと、目をキラキラさせて次のフルーツにフォークを刺す。
フルーツを口に含む度に三人とも顔が綻び、笑顔になり、「これは—―!」とそれぞれが感想を言い合っていた。
そんな賑やかな時間はフルーツがなくなるまで続いた。
食べ終えた三人は満腹になったのか満足そうにしていた。
それからしばらく話をしていたら、チェルシーが眠そう、こくりこくり、と舟をこぎ出した。
空の長旅に、この森に来てから知らない土地、知らない者達の中で気も張っていたのだろう。
村のあちこちに結構付き合ってもらったから、大分疲れているのだろう。
「今日は大分疲れてるだろうから、もうお風呂に入ってゆっくり休んでください。また明日色々見て回ってください」
銭湯までウェンディ達を送り届け、そこで別れた。
明日はどこに連れて行こうかな?




