神獣との出会い。
一部修正してます。
【ステータス】
種族:トレント(魔樹)
名前:神桜大樹
称号:転生者、不幸な人生を乗り越えた者、世界初のトレントに転生した者、耐え忍ぶ者、
創造者、暴食者
レベル:115
スキル:光合成…光を蓄え成長促進する。回復力の向上
:ハードニング&ソフトニング…体を固くしたり、柔らかく自由に変えることができる。
:森羅万象…この世に存在する全ての気配を感知、命なき物の操作が可能。
常にマナを吸収、オドは常に自身と一体になっている。
:グラトニー…称号『暴食者』を持つものに与えられるスキル
捕食すしたものを体内にストックする。ストックしたものは自由に台入れ可能。
ストックした物の時間は止まる。
:眷属召喚…グラトニーで捕食した魔獣を眷属として召喚することができる。
:万物創造・操作…植物、大地、水、空気等あらゆる物を生み出し、意のままに操作が可能
:念話…近くにいるものとテレパシーで会話ができる。
:形状変化…形を自由に変え、大きさも自由に変えることができる。
:エンチャント…イメージした能力を付与する。最大3つまで。
:クリエイト&融合…称号『創造者』を持つものに与えられるスキル。
生物以外なら何でも作り出す。組み合わせることも可能
:分裂思考…同時に複数のことを処理することができる。
ストック
フレイムウルフ×1
アイシクルウルフ×1
ライトニングウルフ×1
ストームウルフ×1
ツインホーンウルフ×26
杉×100
樫×100
竹×200
松×70
楠×100
椿×50
桃×50
ツツジ×50
桜×30
ヨモギ×300
アロエ×150
ドクダミ×60
ススキ60
麻×200
綿花×500
ステータスが変わりスキルも増えたり変わったりした。
それから二日間、『クリエイト』で料理に仕える調味料や酒も造り、いつでも、代表者を受け入れられる準備が整った。
アルファからの連絡では明日、ここに到着するとのこと。
少し時間ができた僕は『分裂思考』でトレントドール二号に意識を移し、アリアと散歩に出ることにした。
アリアは空高く飛び上がり、かなりの速度で飛んでいく。
今日は西の方に行く予定だ。
西の森を抜け十キロ程行くと、街道があり馬車が行きかっていた。街道に沿って木々並んでおり、手入れもきちんとされているようだった。
また街道を外れたところには湖もあった。湖はあちこちに転々とあり、緑も多くて、綺麗な場所だと思った。
そこから南の方を見ると砂漠が広がっていた。
森から南西に位置する場所に砂漠があるのかと思って見ていると、三台の馬車が砂漠の方で動かずにいるのが見えた。
アリアに頼んで、馬車がある方へ飛んでもらった。
馬車の外には三十人くらいの人が出ており、その人達は剣や槍、弓矢や盾等を装備しており、檻を抱えてる者もいた。
その集まってる人達の中心に血を流し倒れている獣とその周りに四匹の小さな獣がいた。
その獣は犬のような姿だった。
血を流してる獣は小さい子達の親か?
一人の男が別の小さい獣を一匹を捕まえていて、その獣の首にナイフを当てている。
どうやら人質としてとらえられているようだ。
《ねえ、アリア、あれは何だと思う?》
アリアに聞いてみる。
《どうやら人間が魔獣を捕えているようですね。親を殺して、子供だけ奪うつもりなんでしょう。そしておそらく高値で売るのでしょう》
アリアも僕と同じことを思っていたようだ。
檻を準備していることから、捕まえようとしているのは見え見えだ。
状況を確認した僕はその場を見過ごすことができなかった。
アリアに頼んで怪我している獣の傍に下ろしてもらう。
突如現れた僕に驚く人間達。
僕は『万物創造・操作』を使い、人間達の足元に穴を空けて落とす。
僕は『形状変化』で人形の手を長くして、落ちていく男から、捕まっていた子を奪う。
人間達は十メートル深く空けた穴の下で、
「なんだこれは!?何が起きた!?」
「さっき現れた変な人形は何だ!?」
と混乱し慌てている。
「ここから出せー!!」
と叫ぶ者もいるがスルーして、怪我した獣に目を向ける。
その獣の大きさは一メートルもないくらい。右前足、左耳がなく、胴体にはいくつもの切り傷もあり、出血量が酷い。呼吸が浅く、生きているのが奇跡だった。
小さな子の五匹は、怪我をした獣をなめて涙を流している。
その子達を見て、何としても助けたいと思った。
僕は急ぎ治療を行う為、『クリエイト』で新しいスキルを創造する。
僕は回復魔法やスキルを持ってないからだ。
『クリエイト』は生物以外なら何でも作り出せるとのことだ。
なら、イメージさえあれば、スキルを作り出すことができるだろう。
スキルを創り出すのは『エンチャント』でいくらでもしている。
そして僕は治療するスキルを創造する為集中する。
小さな子達の為になんとしても助けたい。
そして生きてほしい。
そう願い、祈り、求めた癒しの力。
『リザレクション』
すると大怪我の獣は強い光に包まれていく。
その光の中で傷が癒され、失っていた右足と左耳も復活していた。
呼吸も落ち着き一安心。だが目は冷めない。
『クリエイト』で『発声』を作り僕は話せるようになったのを確認し、小さな子達に「もう大丈夫だよ」と告げる。
僕は『形状変化』で人形の大きさを三メートル程の大きさに変え、人間達を見下ろす。
「お前かー!この穴を作ったのはー!」
「ここから出せー!さもないとどうなってもしらないぞー!」
とわーわー穴の中で叫んでいる。
「黙れ。お前達こそここで何をしていた?こんな小さな魔獣に寄って集って」
低い声でそう告げると
「お前には関係ないだろ!俺達の邪魔をするな!」と言ってきて会話にならない。どうしたものかと思っていると、馬車からこちらを除いてる者を発見した。
そいつは金髪で身なりは綺麗だが、背が低く腹がでっぷりと出ている男だった。
僕は金髪男に近づき話しかけた。
「ここで何をしている?」
金髪男は僕の見て震えながら、
「私は何も知らない。何もしていないぞ」
と言っているが、本当に知らないのか。
あいつらの仲間かもしれないし。少し脅してみるか。
「正直に答えないなら、あいつらのようにしてやろうか?」
と言ったら効果は絶大だったようで、
「話します、話しますから。それだけは!」
と言って白状した。知ってるじゃないか。
その男はディール・グリードと名乗り、西に位置する商業の国、マーキュリー共和国の奴隷商をしている人間だと言った。
どうやらこの魔獣を捕まえ、高値で売ろうしていたとのことだ。
装備していた連中は商業ギルドが抱える傭兵で、今回、魔獣を捕まえるために雇ったとのことだった。
魔獣の親はここで殺し、子供の魔獣は隷属の首輪を嵌め、調教してから南にある国、プランダラ王国に売るつもりだったと話していた。
今までも多くの魔獣を捕まえて、売りさばいていたとのことだった。
「捕まえて売ったのは魔獣だけか?」
「そ、そうだ」
「本当か?もし嘘だったら」
と木を一本生やしその枝でディールを捕える。
「すまん!嘘だ!魔獣だけじゃない!」
とすぐに白状した。
「亜人の女や子供を捕まえてプランダラ王国に売り渡していた!」
そう聞いた瞬間頭に血が上ったような気がした。
僕、血ないんだけどな。
「そういう商売をしているのはお前だけか?」
「いや、他にもいる。プランダラ王国は変わった魔獣や亜人を捕まえてくるように他国に命令してるんだ。他の国でも似たようなことが起こっている」
プランダラ王国か。欲の為にセレス大樹海が滅んだ原因の国だ。
指示しているのがプランダラ王国。これはプランダラ王国のことを詳しく調べないといけないな。
捕まっている亜人や魔獣がいるかもしれない。早急にしないといけない。
「分かった。とりあえずお前の言うことを信じよう。今日ここで起きたことは誰にも言うなよ。もしどこかに情報が流れた時は……。分かるな?」
こくこくと頷くディール。
「他の奴らにも言っておけ。それと、これまでプランダラ王国や他の国に売った亜人や魔獣の種類と数を全て調べて書類に纏めておけ。四日後にお前の所に取りに行く。お前がどこにいようとも僕にはわかるからな?逃げられると思うなよ?」
勢いよくこくこくと頷くディール。少々脅しすぎたかな。
そうして、脅している間に小さい人形を一つ作り、気づかれないようにディールに取り付ける。
僕は身を翻し、『形状変化』で体の大きさを小さくし、魔獣親子の所に行く。
親の魔獣は目を覚ましていた。
「僕はトレントだ。これから、森に変えるところなんだがよかったら一緒に来ないか?」
と声をかけた。
《傷が言えたばかりなので、トレント様の森でゆっくり療養してくださいませ~》
とアリアも魔獣に言ってくれた。
魔獣はこくっと頷くと、魔獣達をアリアの背に乗せて、飛び上がり、ゆっくりと森に向かって飛んでもらった。
「助けてくれてありがとう。危うくこの子達を守れず、死んでしまうところだった」
と魔獣が流暢に話しかけてきた。
「君しゃべれるのか!?」
「ええ。私こう見えて長く生きてるから」
まだ小さいのにな。
「神獣なのに情けない姿を晒してしまった。子供が人質にされてさえいなければ……」
そうか。子供が人質にされてたから、何もできずあれだけの大怪我を……。ん?
「神獣?魔獣じゃなくて?」
「私は神獣よ。魔獣ごときと一緒にしないで」
とのことだった。
まさか神獣と遭遇するとは思っていなかったよ。




