みんなで布団を作ろう。
一部修正してます。
村を作り終え、アルファ達からのないまま連絡がないまま三日が経つ。
退屈な僕は森の拡張は続け、ごちゃごちゃしていた森の木の整理をしていた。
最近は植えてる木の配置を動かしたり、入れ替えることもできるようになった。
そういえば怪我や病気の時の薬がないな。
と言うことで村の敷地に薬草類、香草類、油用に向日葵や菜種等の集会所横に新たに作った。
ドラゴンツリーがあるからある程度は大丈夫じゃないかとは思うんだがな。
あとは肉とか魚があれば文句ないのにな。
いや。調味料もないと困るな。
塩はなんとかなると思うが、砂糖や醤油はどうしようもないな。
サトウキビと大豆は作ってるから、その内どうにかしよう。
まだ、誰も来てないのに勝手にあれこれしてて大丈夫だろうか?今更だけど。
これで、結局誰も来ませんでした、とか言われたら泣くよ?
とか思っていると森の拡張と村作りが一段落ついた。
暇だ。カルラとアリア達は散歩してくると言って出掛けていて留守だからなぁ。
よし。今のうちにカルラの布団を作っておくことにしよう。
その前にトレントドール二号を作っておく。『遠隔・緻密操作』『視覚同調』『意識同調』をエンチャントしておく。
綿花から大量の綿を回収。ヒイ達に作ってもらった肌触りが最高な布を準備し、綿を詰め込んでいく。
綿の詰め込みが完了したら、以前自作した裁縫道具から針を取り出し、トレントドール二号に意識、視覚を同調させ、見え方や手足と指の動きを確かめる。問題ない。それから針を持ち、ヒイに糸を出してもたらい、布団を縫っていく。
ミシンがないから手縫いになってしまうが仕方ないだろう。
一時間後に布団が完成し、枕も作っておいた。
完成した寝具はヒイ達にカルラの部屋に布団を運んで敷いてもらった。
《ありがとうな、ヒイ。助かったよ》
《ううん。ヒイはあるじといっしょにおふとんつくれてたのしかったー》
そう言ってくれるのが嬉しくて、トレンドドール2号でヒイを撫でた。
ヒイは気持ちよさそうにする。
それからしばらくヒイ達と遊んでいると、カルラが帰ってきた。
《お帰りカルラ。今日はどこまでいってきたんだ?》
「今日は北の方に行ってきたわ」
《そうか。何かいいものは見つかったか?》
「美味しい果実を見つけていくつか食べちゃった。瑞々しくておいしかった~」
カルラは何個か持って帰ってきたみたいで、はいお土産、とヒイ達に渡してる。
ヒイ達は果実に群がり、食べていく。
《おいしー!なにこれー!こんなのたべたことないよー》
とみんなが美味しい美味しいと言って食べている。
その美味しいという果実は梨だった。
梨美味しいよなぁ。
「この子達は遠くに行けないからね」
カルラはヒイを撫でながら言う。
《カルラ。ありがとうな。この子達の為に》
ヒイ達の代わりにカルラにお礼を言うと、
「出会ったばかりだけど、これから一緒に暮らす仲間だもん。このくらい当然よ」
とのことだった。
カルラって本当に優しい子だよな。
時々僕に酷いこと言うけど。
ヒイ達が美味しそうに食べてるのを見て、いいな、と思ってしまった。
僕はもう何も食べることができないから。捕食はできるけどさ。
ま、僕の代わりにみんなが何かを美味しそうに食べてくれたら、僕も何かが満たされるかな。
この森には梨以外にもいくつか果物を植えてるからな。
その内また何かを見つけて食べることだろう。
《そうだカルラ。布団が完成したから、ヒイ達に家まで運んでもらったぞ。後で寝心地を確かめてみてくれ》
「以前言ってくれてた物ね。分かったわ。ありがとうトレントさん。ヒイ達もありがとう」
気に入ってくれるといいな。
他の住人の為にももっと布団を作っておかないとな。
と言うことで、ヒイ達に布団用と枕用の布を大量に作るように頼んでおいた。
急がなくていいと伝えはしたが、早速作業に入るとのこと。
ヒイ達は桑の葉をむしゃむしゃ食べてから家に入る。
《カルラは縫物できないんだっけ?》
「うん。できない。というかやったことないのよね」
これから、布団を作らないといけないし、カルラにも手伝ってもらおうかな。
《やり方教えるから、手伝ってもらってもいいかな?》
カルラは考える素振りをしてから、
「うまくできるか分からないけど、やってみるわ」
とのことだった。ありがたい。
ヒイ達が完成させた布に綿を詰め込み、手の空いてるシルキーワームに糸を吐いてもらい、針に糸を通し縫っていく。もちろん僕はトレントドール二号で。
カルラが何か言いたそうだったけど、縫物に集中してもらう。
もう小言は勘弁だ。
初めての縫物に苦戦してるカルラ。
「もう!羽と爪が邪魔でうまく縫えないわ!」
確かに羽が当たってすごく縫いにくそうだな。爪も長いから、細い針を扱うにはやりにくそうだ。
仕方ない。
《カルラこうなるとは思ってなかった。悪い。無理にはしなくていいからな》
と言ったんだが、
「なんのこれしき!まだやれるわよ!なんでもトレントさんに任せっきりじゃ、私ダメになってしまうわ。少しでも力になりたいのよ」
僕はそんなことはないと思うんだけどなあ。
でもカルラがそんな風に思ってるとは知らなかったな。
それからもくもく作業する僕とカルラ。
カルラは少しずつ裁縫しやすい体勢を見つけたようで、最初と比べると作業スピードが上がってきた。
そうして四十組が完成すると、空が暗くなりつつあった。
《カルラ、ヒイ。今日はここまでにしよう》
「もうこんなに時間が過ぎてたのね。気が付かなかったわ」
《何かに集中すると、時間はあっという間に過ぎるからな》
「そうね。なんかお腹も空いてきたし、食事にするわ。お風呂にも入りたい」
銭湯を作ってから、カルラは毎日入っている。お風呂が気に入ったと言っていた。
《今日はみんなお疲れ様。ゆっくり休んでくれ。明日からまたよろしくな》
今日はみんなで作業して楽しかったな。
と思っていると、アリア達が戻ってきた。
これからどんどん賑やかになってくのだろうか?
前世では想像できなかった。
楽しくて賑やかな生活なんて。
僕は前世では独りぼっちだった。家族や友達はいなくて。このままずっと独りのままなんだろうと思っていた。
独りでも困らない、独りの方が楽だとも思っていた。
でも今はカルラやアリア達、ヒイ達がいて、毎日が賑やかなになった。
誰がこんな未来があったなんて想像ができようか。
でも僕に実際起きてる出来事。これは夢じゃない。
僕も毎日を大切にして、ここに住むみんなを守っていこうと思うのだった。
そしてこれからの未来を想像し、楽しみになるのであった。
そして、みんなが就寝しようと思った時
「なにこれ!?柔らかい!ふかふか!あったかい!これが布団!?最高ー!!」
という叫びが聞こえてきた。
あの、カルラさん。布団にそこまで感動しなくても。
それに夜なので、そんなに大きな声を出すと近所迷惑になるよ?
と思いつつも、喜んでもらえて嬉しい。
おやすみ、カルラ。いい夢見なよ、と心で呟くのであった。




