魔獣に名付け
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一部修正してます。
サンダーフェニックス、サンダーバード達がみんなして泣き出して、僕に抱き着いてきた。
《トレント様は絶滅したと聞いておりました。なのにこうしてお会いできて嬉しいです~》
そう言いつつ、僕に抱き着いて顔をすりすりしてくる。
《どうしたんだ?僕にこの世界に知り合いはいないぞ?誰かと勘違いしてないか?》
みんなに落ち着け、と言って宥める。
落ち着いたサンダーフェニックスは
《すみませ~ん。感動したあまりに取り乱してしまいました~》
サンダーフェニックスの後ろでサンダーバード達も頭を下げながら「ピュルピュル」と何か言ってくる。
《よく分からないが気にするな》
《お心遣いありがとうございます~》
《なあ。これからお前達がここで暮らしていくということだが、その前に聞いておきたいことがある》
《なんでしょう~?》
《お前達に名前はあるのか?》
ずっとサンダーバードやサンダーフェニックスだと正直めんどくさい。
名前があるのなら聞いておきたい。
《私達の名前ですか~?ありませんよ~。必要なかったですからね~》
《そうか。なら、名前はこっちで決めても構わないか?》
名前がないならつけることにしよう。ネーミングセンスはないけど。
《貴方様が名前を下さるのであればとても嬉しいです~。よろしくお願いします~》
サンダーフェニックスが頷く。とてもうれしそうだ。そわそわしてる。
その後ろではサンダーバード達も名づけされるのを待ってるみたいだ。
《よし。任された。……そうだな。フライドチキンはどうだ?空飛ぶ鳥という意味だ》
《……そんな美味しそうで馬鹿にされてるような名前は嫌ですよ~》
《じゃあ、バンバンジー》
《嫌です。まじめにお願いします。怒りますよ?》
やばい。サンダーフェニックスのおっとり口調がなくなった。少々悪ふざけが過ぎたか。
《すまんすまん。一応聞くがお前は雌だよな?》
《はいそうですよ~。気づいてなかったんですか~》
はい、分かりません。鳥の雄雌なんて見分けれません。悪いか?
《いや~。そうじゃないかと思ってたんだがな、ははは》
さて。名前名前っと。
金色の羽毛。雷を纏う鳥。ワシのような姿。
う~ん。悩むな~。
あっ。そうだ!
《アリア…はどうだ?》
《アリア…ですか?》
《ああ。アリア。ある神話に出てくる女神からとった名前だ。その女神はある者が迷宮から脱出するのを手助けをしたと言い伝えられてるんだ。お前もかつて、多くの同胞を助ける手助けしたそうじゃないか。お前にピッタリだろ?》
《アリア。アリア。私の名前はアリア》
何度も名前を言い、そして笑顔になり、
《私の名前はアリア。とても気に入りました~。アリアと言う名前、ありがたく頂戴します~》
《じゃあこれからよろしくな、アリア》
後はアリアの後ろにいるサンダーバード達か。
名前どうしよう。名前を付けたところで、見分けがつかんぞ。
どれも名時に見える。しゃべれないし。
名前考えるのも面倒だ。
前の奴から、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロン、ジータ、イータ、シータ、イオタでいいだろう。
で、そう名付けるとかなり喜んでくれた。
アリアにはアルファ達のまとめ役を任せることにした。
アルファ達から意見がある時はアリアを通して言うようにとも言っておく。
《あ、そうだアリア。この森に来た時に捕まえてた白い芋虫は何だったんだ?お前たちのご飯か?》
《違います~。ごはんじゃないですよ~。あれはですね~、シルキーワームと言いまして~、綺麗で丈夫な糸を吐き出す生き物なんです~》
っ!?なんですと!?
《それは本当か!?》
《はい本当ですよ~。寝床を作るために連れてきたんです~》
そうだったのか。
しかし糸を吐き出す芋虫。蚕みたいなやつか。
《そのシルキーワームは布を作ったりとかもできるか?》
糸が確保できる。麻から糸を作ろうとしていたが、わざわざ作らなくてもいいのであればとても助かる。
《できると思いますよ~。糸の強度も自在に変える優秀な子達ですから~》
それは期待できる。
よしよし。布ができれば、カルラに布団を作ってあげられる。
《それなら、シルキーワームを召喚するとしよう》
『アブソーブ』で大気中のマナを吸収してから『眷属召喚』でシルキーワームを呼び出す。
《なぁ、アリア。アリアはシルキーワームと会話はできるのか?》
《えぇできますよ~。シルキーワームも意思を持っておりますから~》
《そうなのか。シルキーワームの通訳を任せてもいいか?》
《えぇいいですよ~》
僕はアリアにお礼を言ってから、シルキーワームに僕の眷属としてこの地で働いてくれないか聞いてみた。
そしたら、この森で暮らしたいとのことだった。
有難い。
《なら、シルキーワームにも名前を付けてあげないとな》
芋虫の名付けか。どうするかな?番号で名付けるか。
僕の剪定枝で輪っかを十個作る。その輪っかそれぞれに、ヒイ、フウ、ミイ、ヨウ、イツ、ムウ、ナナ、ヤア、ココ、トウと刻む。
ついでにエンチャントで念話とマナ吸収を付与しておく。
《この輪っかに刻んでるのがお前たちの名前だ》
とそう言って渡していく。
シルキーワーム達は渡された輪っかに体を通し首輪のようにつける。首輪になっちゃったよ。
よほど嬉しかったのか、糸を吐いて「ありがとう」と言ってくる。
《これからよろしくな。そうそう。お前達に渡した首輪に念話とマナ吸収を付与してあるからな》
と伝えるとヒイ達が体を揺すり始め
《あるじさまー、ありがとー》と僕にすり寄ってきた。
《どういたしまして。ところで、ヒイ達に任せたい仕事があるんだが》
《いいよー?まかせたいしごとってなーにー?あるじさまー?》
《まだ頼みたいこと言ってないぞ?》
なのにOKするとは。
《お前たちに任せたいことなんだが、布や糸を作ることはできるか?》
枝を使って大きさも伝えると《できるよー》とのことだった。
《それならとりあえず二枚作ってくれるか?》
《はーい》と元気よく返事して、作業に入るヒイ達。十分掛からず、ニ枚の布が完成した。
中に綿を詰めれるように袋状になっていた。
《ありがとう。すごい丁寧で、綺麗な仕上がりだな。おまけに早いし》
しかしそれだけではなかった。
掛け布団になる布にはいろんな色の糸で花の模様まで描いている。
これなら、カルラも世論でくれそうだな。
さてアリアたちにも頼みたいことがあるんだよな。
《アリア。アルファ達にも頼みたいことがあるんだが》
《は~い。何でしょう~?》
《アルファ達にかつてセレス大樹海で暮らしてた生き残っている者達を探しきてほしい。そしてできればこの地に連れてきてほしい。かつてのようにこの森に集まってみんなで暮らせることができればと思ってるんだ》
空を飛べるこいつ等なら、探しやすいし、見つけた場合そのまま連れてきてもらえたいいな、とも思うしな。
《そういうことなら構いませんよ、トレント様~。ただ見つけた時、どうやってここまで連れてきましょうか?》
見つけた時に大人数だと流石に背に乗せて飛ぶのは難しいだろうしな。
うーん。…そうだ!僕に策あり、だ。
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