表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

蝉的周期

作者: 筆入優

俺は彼女ー水底(みなぞこ)(きぬ)が死んでから初めての夏を迎えていた。

そういえば、彼女はこのくそ暑い、アスファルトを焼くような太陽の下で、交通事故で死んだ。ちなみに彼女の死体はアスファルトに焼かれることはなく、火葬場で焼かれた。

今日は彼女の命日の1週間前である。俺はずっと前から、今日、彼女の、親のいない一人暮らし、否、もう誰もいない実家を掃除し、1週間感傷に浸りながらそこで過ごすと決めていた。



というわけで掃除も終わり、少し散歩するかと外に出た。ここは田舎で、蝉の鳴く声だけが耳を刺す。

しばらく歩いていると、俺の眼前を1匹の蝉が横切った、かと思えば、俺の目の前で飛行をし始め、どこかに行く素振りも見せない。

俺は虫は割りと好きな方だし、素手掴みもいける。だから、俺のそばを離れないそいつを手で優しく掴み、持って帰った。


たまたま置いてあった虫かごに掴まえた蝉を放り、そのまま5日放置していた。(ある程度の餌は与えた)そして、6日目。そいつは明らかに様子がおかしくなり、暴れ始めた。虫籠が揺れるほど。

7日目、そいつは死んだ。まあ蝉だからな、と1人納得していた俺だが、虫籠の中を見て目を疑った。小人のように小さな胎児が、死骸から這い出ている。

そいつは、俺に、こう言った。「私、絹」

その時の俺の心情。はっきりと覚えている。

恐怖を覚えながらもどこかに安心感を同居させていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 最初の方と最後の方で書き方が変わっていて、場面の転換を喑に示しているのがとても良い [気になる点] 3行目の「そういえば」と4行目の「ちなみに」は蛇足な気もする。 7〜10行目も違和感が強…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ