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騙された少年と女子寮への招待

 学園を出てわずか数分の所にレトロチックでクラシックな建物が見えた。


 そのまま男子寮の内装を全く気にしない様子でセリシアは進む。廊下には花の絵や花瓶そして小さなくまのぬいぐるみなどな設置してある。


「それにしても男子寮って結構可愛いものが置いているんだね」

「ええ、まぁそうですね。だってここ女子寮ですから」

「え? ちょっと待って。セシリアは男子寮の場所を教えてくれるんじゃなかったの?」

「私はあなたを寮に連れて行くと言っただけで別に男子寮に連れて行くとは言っていませんよ?」


 いたずらっ子のように微笑むセシリアは美しかったが悠里の頭には一つの疑問が浮かんでいた。


「ねぇ。男子って女子寮に入っていいの?」

「実は男子が女子寮に入るとおもーい罰則があります。具体的には女子からの私刑が行われますので悠里も女子寮に入る時は気を付けてくださいね」


「気を付けて下さいじゃないよ! もう入っちゃったし。すぐに出ないと!」


と、くるりと踵を返した悠里の手をセシリアが掴んだ。


「ちょっとまってください! こっちへ」


 先程までのふざけたヘラヘラした様子は消え去り真剣な表情のセシリアは悠里の手を引き廊下の曲がり角に悠里を押し込むとそのまま立ち上がり曲がり角から飛び出した。廊下の角の向こうから人の気配がする。


 そしてセシリアが悠里には見えない位置にいる人物の名前を呼んだ瞬間、悠里の呼吸は一瞬止まった。


「あらあら。リリスじゃないですか。お元気そうで何よりです」

「それは皮肉のつもりか? 私は不機嫌なんだ。そっとしておいてくれ」

「そんなに悠里に裸を見られたのがショックだったんですか?」

「そ、そんな訳無いだろ! あれくらい普通だ。大したことじゃない。ただ……」


「ただ?」

「別になんでもない! ……気が変わった。外に出て空気を吸ってくる」

「あ、リリス」

「なんだ? まだ用があるのか?」

「ええ、あなた魔戦祭トーナメントに参加する意志があるなら早めにパートナーを決めてくださいね」


「分かっている! というか何なんなのだ。お前は。お前は私の母のつもりか?」

「そんなつもりはありませんよ? 友達を心配するのは当たり前では?」

「ふん」


 不機嫌そうな足音が遠のいていくのが聞こえ悠里は大きく溜息を付いた。


「大丈夫ですか? 悠里」


 気が付くとセシリアが少し申し訳無さそうに悠里の顔を覗き込んでいた。


「うん。ありがとう。助かったよ」

「いえいえ。しかしタイミングが悪いですね。どうやら下校時刻になっていたみたいです。今玄関から出るのはよろしくないと思います」

「じゃあどうすれば?」

「取り敢えず私の部屋に来てください。そこで時間を潰しましょう」


 悠里は選択を迫られた。このまま危険を背負ながら女子寮から脱出するかセシリアの部屋に向かうか……もちろん悠里の選択は決まっていた。


「ごめん。お邪魔するよ。取り敢えず表の道の人通りが少なくなるまで」

「ええ。ではこちらです」


 そこから慎重に迫ってくる人影を警戒しながら悠里とセシリアは女子寮の最上階の一個下の四階までたどり着いた。どうやら四階以上の階層は下の階と作りが違うらしい。


「なんか豪華だね。これは生徒会特権ってやつかな?」

「いえいえ。これはちゃんとした報酬ですよ。我が校の序列制度をご存知ですか?」

「いや、知らないや。どういうものなの?」

「それについては話が長くなるので安全な私の部屋に向かいましょう」


(結局部屋に行くしか無いのか……まぁ仕方ないか)


と、悠里は心の中でそんな事を考えセシリアについていった。


「こちらです。どうぞ」


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