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目覚まし

□第一章:自白と勧誘□


 悠里が目を開くとそこは先程までの殺伐とした空間では無く落ち着いた静かな空間だった。

 床にはブラウンの絨毯に革で出来たソファーとガラスの机の応接セット、まるで旧世紀の中世に該当するような部屋のデザインだが、これらは間違いなくホログラムによる虚像だろう。

そしてそんな革張りのソファーに悠里は寝かされていた。


更に着ていたはずの軍の制服は脱がされていて、上着だけこの神明館学園の制服を着ていた。流石に下まで脱がすことは無かったらしい。


「目覚めましたか?」

「わっ! び、びっくりした」


悠里が振り抜くとそこには先程まで命の奪い合いをしていた目もくらむようなブロンド髪の少女がコーヒーカップ二つとお菓子と手に持ち、優雅な立ち振る舞いで悠里の対面のソファーに腰を下ろした。


先程の戦闘時の雰囲気は何処に行ったのか、しっとりとした落ち着いた雰囲気の、先程の桃色の髪の毛の少女とは違った美しさの持ち主だ。


そして何より目を引くのは制服を大きく変形させているその胸の膨らみだ。

こう言っては何だが先程の悠里を攻撃してきた少女とは比較にならない。

その少女漂わせる雰囲気は随分と大人びて見える。きっと悠里より何歳か年上だろう。

事実、少女の動きの全てが洗礼されたきれいな動きで、無駄がなくとても綺麗だ。


「……えーと」


悠里は自分の置かれた状況を理解しようと周囲を確認するが、今現在の悠里がどのような状態にあるのか示すものは何も無い。ただ一つ分かることは、今悠里は拘束されている訳でも無く自由だということだ。


「ふふっ。まずは先程私を助けてくれた事に感謝を。それと貴方の腕に付いていた拘束リングは取り外させて貰いました」

「えっ?」


ふと、悠里が視線を右手首に落とすとそこには長い間、悠里の行動を束縛していた鉄製の拘束リングが綺麗サッパリ無くなっていた。


「あ、ありがとう」

「いえいえ、さて、ではお話して貰いましょうか。貴方がここに来た理由を。軍の目的を」


少女に話を急かされたが当の悠里は拘束リングが無くなり、少し調子に乗ってしまっていた。

そんな悠里はふと先程戦闘中に少女が言っていた言葉を思い出していた。


「君は全てを知っているんじゃなかったのかな? 戦闘中にそう言ってたよね」


悠里の言葉を聞いて少女は楽しそうに口元に手を当て笑う。


「ふふっ。御冗談を。そんな事をおしゃるなら今から私が学校に提出する書類に『貴方が地下に入って暴れた理由は、女子生徒の下着姿を見た影響で興奮して暴れた変態だから』と書きますよ」

「じょ、冗談だよ。話すから」


流石に変態として警察のご厄介になるのは勘弁だ。

調子に乗らなきゃ良かったと後悔しながら悠里は下を向く。


「ではお願いします。天久さん」


そう言って少女は悠里の前にコーヒーカップを置いた。漂うほろ苦い香りが悠里の鼻孔をくすぐる。

悠里はコーヒーカップに軽く口をつけ軽く深呼吸すると、全てを話し始めた。


「えーと。そうだね。あれは数日前だったかな。俺は軍の総長に呼び出されたんだ」


悠里は数日前に起きた事実をゆっくりと思い出しながら口にし始めた。


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