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薄暮  作者: 私茶(S.Odiums)
5/5

File:006   償

自殺。

有り得ないと思っていた言葉。


空白。

彼の頭の状況を表すのに

その言葉は充分過ぎた。


昨日、教え子が自殺した。

遠くから通っていたあの優等生が。


思い悩んだ。

訳は?理由は?


あの笑顔が思い浮かぶ。

懺悔の波が押し寄せる。


もう耐えられそうにない。

今日の授業も休んだ。


きっと明日もだろう。

明後日もだろう。


その時、閃く。

辞めてしまおう、と。


どこかからの抵抗を抑え、

自分に言い聞かせる。


誰のせい、なんて関係ない。

教え子が死んだ。


その事実だけで充分だった。


どこか満ち足りた気分になった。

筆立てへと手を伸ばす。


サラサラと動き始めたペンに、

もう迷いはなかった。

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