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競売そして個人民事再生  作者: 三峰
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法律相談

 法律相談


夫も自営業だが、実は私も自営業だ。駅の近くで「趣味の食器」の店をやっている。いつも通り出勤はしたが、仕事は手につかず、パートさんに任せてボーッとしていた。パートさんと言っても正社員みたいなもので長く働いてもらっている。お店の規模の事や彼女の勤務状況でパートさんとしてきてもらっている。


 封筒によると、「配当要求の終期の公告」から「競売開始」までは、債権者の都合や裁判所の都合にもよるが半年位だそうだ。今4月なので、このままいけば10月位に競売になることになる。そもそも「競売」になるとどうなのか? とんでもないことは分かっているが、それ以上はよく分からない。「任意売却」が良いとどの不動産会社も書いていたが、本当にそうなのか? 又はどう良いのか? 私たち家族はどうなってしまうのか?

 一番良いのはどれにもならない事だ。だから何とか出来ないか?


 私も65歳になり詳しそうな友人もいない。そもそもこんな事は友達に知られたくない。不安な気持ちとお金のプレシャーで気持ちは爆発しそうだった。誰にも話したくないが、誰かに話を聞いてもらいたかった。私はお酒は飲まないが、こんな時には良いのだろうか?


 そんな中、市役所の広報で無料法律相談がある事を知り、予約を取って夫と二人で行くこととなった。私は何とかしたい一心で、予約をとった訳だが、相談に行くことさえ、後ろ向きで渋々な夫には本当に腹がたった。大体誰のせいでこんなになっていると思っているのよ。本当に頭にくる。何でこんな男と一緒にいるのか。不満が爆発しそうだ。

 とにかく来週の水曜日午後2時に予約がとれたので、夫には資料を用意しておくようにいいつけて、必ず行くように念をおしておいた。


 相談日になり、夫と二人で市役所に行った。市民相談室に入り「予約をしておいた三井です。」と言うと職員が法律相談のブースに案内してくれた。そこではその日の担当の弁護士さんがいて、よろしくお願いします、と相談が始まった。

 この相談には本当に行って良かった。何より私にはあまり話さない夫から事態の詳細を聞くことができたからだ。勿論弁護士さんの話もありがたいものだった。

 まずは弁護士さんから「相談の内容」を聞かれ現状を説明した。話の中から追加の質問もありながら私たち家族の置かれている現状が明らかになってきた。当の夫でさえ、良く分かっていなかったことも多い様子だった。私が思うにはあまり考えたくないことも手伝って分かっていなかったのだと思う。そう考えるとまた無性に腹がたってきたが、私たちの今の状況はこんなものだった。


「借金について」

工場の土地建物についている抵当権が二つ。一つは工場の建物を建てたときの借り入れだ。土地は以前から所有していたものだったが、建物を建てた時に建築費をローンで組んでいるのだ。当初借入金額¥40,000,000円、現在の借入残高¥23,000,000円。この借入金は夫の名義であるが、息子の敏夫が連帯債務者となっている。債権者は都市銀行のA銀行である。

この工場にはもう一つ抵当権がついていて、こちらは事業資金の借入金だ。借入残高¥15,000,000円。B信用金庫が債務者であるが、信用保証協会の保証付きの部分¥8,000,000円については、信用保証協会が代位弁済をして、抵当権者が分割されたようになっている。要するに債権者はB信金と信用保証協会ということだ。

そしてこの借入金については私が連帯保証人となっている。

競売の申し立てをしているのはこのB信金である。B信金は2番抵当なので、競売にしても実入りは無さそうなのだが、競売の申し立てをしているのだ。金融機関はそういうものであるらしい。


借入残高は¥23,000,000円+¥15,000,000円=¥38,000,000円なので、これを返せれば問題ないそうだ。でもできる訳がないです。


相談にくる人で一括返済できる人はほとんどいない(当たり前だろう?)そうで、残る手段は「自己破産」か「個人民事再生」とのことだった。

相談時間の30分というのは大変短いもので、あっと言う間に過ぎてしまった。その時に「法テラス」を教えてもらったので今度はそこに行ってみようと思った。


この相談で分かったことは二つある。

一つは自分たちの力ではどうしようも無い所にきているという事。もう一つは「息子が連帯債務者」であり「私が連帯保証人」である事だ。つまり夫だけが自己破産をして済むことではないのだ。私はともかく息子の将来もなくしてしまうかもしれない。

それだけは何とかしたいと思った。


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