紙風船
初めまして、彩純佐叶と申します。今回初めての投稿ですので可笑しな点もございますと思いますが広い心で許してやってください
銀色に唇を当てて、ふーっと息を吹き出すと一気に膨らみ丸くなった。広がり切ったところで唇を離して、掌に乗せた
それには桜の木や花弁、小さな女の子が描かれていた。手の中でぽんぽんと遊んでいると風が吹いて紙風船を庭に連れて行ってしまった。部屋から出るのは億劫だったけれどあれを無くすのは惜しいと思って重たい腰を上げた、元から着ているものが重いのだけれど…
庭に出ると何も無い、いつもの庭だったはずだ。しかし私の目の前には全く違うものが見えた。今は春だからあの紙風船に描かれていたものと同じ桜が綺麗に咲いていたはずなのに、木があった場所には枯れ木が。高い植木があったはずの場所は葉が伸び放題で荒れていて、小さな池には鯉が泳いでいたのに水は枯れ果て骨が見えた
「ひっ…」
後ろから、声が聞こえた。こんな声の人、この屋敷に居たかしら
「…………」
振り向いて声の主を見ると、若い可笑しな格好をしている女の子だった。女の子がそんなに脚を出してはしたない、そう言おうと思い口を開いたら叫ばれた
「いやぁ!ごめんなさい、ごめんなさい!勝手に入ったのは悪かったわ、だから呪わないでぇっ!」
そう叫んで走って出て行ってしまった。呪う…?私が、あの子を…?何を言っているの、私にはそんな力は無いのに。可笑しな子ね
そういえば皆は何処に居るのかしら、女の子が入ってきてるのに誰も何も言わないし出てこない。もしかして皆で私が吃驚しているのを見て楽しんでいるのかしら?ふふ、相変わらずね。そして私が驚いた振りをすると皆が笑いながら出てきて引っ掛かった!って言うんでしょう?いつものことだもの、私も引っ掛かった振りをして笑うの、また引っ掛かっちゃった!って
……あら、皆そこに居たのね!待って、私も連れて行ってよ!
どうでしたか?
意味が分からない、という方はそのままで
意味が分かった方は少し悲しくなってしまったかもしれませんね
ただ、思ったことを書いてみたのです